2025年7月15日 22時40分
JPモルガンが決算 ディールメイキングに回復の兆し 株価は小幅安=米国株個別
(NY時間09:38)(日本時間22:38)
JPモルガン<JPM> 286.44(-2.26 -0.78%)
JPモルガン<JPM>が取引開始前に4-6月期決算(第2四半期)を発表し、経常収益が予想を上回った。債券・為替・商品(FICC)部門のトレーディング収入が好調だったほか、投資銀行部門も予想を上回った。一方、純受取利息(NII)は予想を下回ったものの、通期のNIIの見通しは上方修正した。
好調な投資銀行部門の業績はトランプ関税を巡る不透明感で慎重姿勢が続いていたディールメイキングに回復の兆しが見え始めたことを示唆している。米大手銀のM&Aアドバイザリー業務は投資家の懸念材料となっていたが、関税に関する二転三転の発表で多くの企業が様子見に入っていたため、今年期待されていた反発は実現していなかった。ダイモンCEO声明で、「ディールメイキングは第2四半期にゆっくりと始まったが、市場のセンチメントが改善するにつれて勢いが増している」とコメントした。
一方、貸倒引当金を4億3900万ドル積み増し、28.5億ドルとしたが、予想は下回った。
投資家は資本政策にも注目。同銀は、先月実施されたFRBの年次ストレステストを通過し、その後、増配と過去最大規模の自社株買いの実施を発表している。
ただ、株価は小幅安での推移。
(4-6月・第2四半期)
・1株利益:5.24ドル(予想:)
・経常収益:456.8億ドル(予想:440.5億ドル)
FICCトレーディング:56.9億ドル(予想:52.2億ドル)
株式トレーディング:32.5億ドル(予想:32.0億ドル)
投資銀行:26.8億ドル(予想:21.6億ドル)
アドバイザリー:8.44億ドル(予想:6.72億ドル)
株式引受:4.65億ドル(予想:3.51億ドル)
債券引受:12.0億ドル(予想:10.1億ドル)
純受取利息(調整後):233.1億ドル(予想:235.9億ドル)
・貸付金残高:14.1兆ドル(予想:13.6兆ドル)
・預金総額:25.6兆ドル(予想:25.0兆ドル)
・貸倒引当金:28.5億ドル(予想:32.2億ドル)
・普通CET1比率:15%(予想:15.4%)
・自己資本利益率(ROE):18.0%(予想:15.1%)
・有形普通株自己資本利益率(ROTCE):21.0%(予想:17.9%)
・運用資産残高:4.34兆ドル(予想:4.28兆ドル)
(通期見通し)
・純受取利息:約955億ドル(従来:約945億ドル)(予想:949.2億ドル)
・当四半期に4億39百万ドルの引当金繰入れを実施
・ダイモンCEO:「米国経済は四半期を通じて底堅さを維持」
・「関税や貿易を含む重大なリスクが引き続き存在する」
・「投資銀行の活動は緩やかなスタートだったが、勢いを増した」
・カードサービス部門の通期貸倒損失率は約3.6%を想定
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース
JPモルガン<JPM> 286.44(-2.26 -0.78%)
JPモルガン<JPM>が取引開始前に4-6月期決算(第2四半期)を発表し、経常収益が予想を上回った。債券・為替・商品(FICC)部門のトレーディング収入が好調だったほか、投資銀行部門も予想を上回った。一方、純受取利息(NII)は予想を下回ったものの、通期のNIIの見通しは上方修正した。
好調な投資銀行部門の業績はトランプ関税を巡る不透明感で慎重姿勢が続いていたディールメイキングに回復の兆しが見え始めたことを示唆している。米大手銀のM&Aアドバイザリー業務は投資家の懸念材料となっていたが、関税に関する二転三転の発表で多くの企業が様子見に入っていたため、今年期待されていた反発は実現していなかった。ダイモンCEO声明で、「ディールメイキングは第2四半期にゆっくりと始まったが、市場のセンチメントが改善するにつれて勢いが増している」とコメントした。
一方、貸倒引当金を4億3900万ドル積み増し、28.5億ドルとしたが、予想は下回った。
投資家は資本政策にも注目。同銀は、先月実施されたFRBの年次ストレステストを通過し、その後、増配と過去最大規模の自社株買いの実施を発表している。
ただ、株価は小幅安での推移。
(4-6月・第2四半期)
・1株利益:5.24ドル(予想:)
・経常収益:456.8億ドル(予想:440.5億ドル)
FICCトレーディング:56.9億ドル(予想:52.2億ドル)
株式トレーディング:32.5億ドル(予想:32.0億ドル)
投資銀行:26.8億ドル(予想:21.6億ドル)
アドバイザリー:8.44億ドル(予想:6.72億ドル)
株式引受:4.65億ドル(予想:3.51億ドル)
債券引受:12.0億ドル(予想:10.1億ドル)
純受取利息(調整後):233.1億ドル(予想:235.9億ドル)
・貸付金残高:14.1兆ドル(予想:13.6兆ドル)
・預金総額:25.6兆ドル(予想:25.0兆ドル)
・貸倒引当金:28.5億ドル(予想:32.2億ドル)
・普通CET1比率:15%(予想:15.4%)
・自己資本利益率(ROE):18.0%(予想:15.1%)
・有形普通株自己資本利益率(ROTCE):21.0%(予想:17.9%)
・運用資産残高:4.34兆ドル(予想:4.28兆ドル)
(通期見通し)
・純受取利息:約955億ドル(従来:約945億ドル)(予想:949.2億ドル)
・当四半期に4億39百万ドルの引当金繰入れを実施
・ダイモンCEO:「米国経済は四半期を通じて底堅さを維持」
・「関税や貿易を含む重大なリスクが引き続き存在する」
・「投資銀行の活動は緩やかなスタートだったが、勢いを増した」
・カードサービス部門の通期貸倒損失率は約3.6%を想定
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース