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    2024年2月24日 8時00分

    【村瀬智一が斬る!深層マーケット】株式市場は未踏の領域へ!出遅れ見直し&配当志向の物色が強まるか

    株式市場は未踏の領域へ!出遅れ見直し&配当志向の物色が強まるか

    ●34年ぶりに史上最高値を更新、3万9000円大台に

     日経平均株価は週末22日に34年ぶりに史上最高値を更新し、未踏のエリアに突入した。22日に発表された米画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>の予想を上回る決算が支援材料となり、同日の東京市場は買い優勢で始まり、後場に入ると3万9000円大台に乗せ、1989年12月29日に付けた史上最高値3万8957円(ザラバベース)を上回った。バブル崩壊を経験してきた投資家の間では、1989年高値との大勢的なダブルトップ形成なども警戒されてくるだろう。

     一方で、新NISA(少額投資非課税制度)導入を契機に投資を始めたばかりの投資家は、上向きのトレンドしか見ていないため、「上がるから買う」といったセンチメントに傾きやすい。さらに高値更新後も強い値動きが続けば、買い遅れた投資家は持たざるリスクを意識せざるを得なくなる。海外ファンドも同様に、運用成績を上げるうえで、日本株への資金流入を強めざるを得ないだろう。

     足もとではハイテク株主導による上昇となったが、日経平均株価の史上最高値更新によりいったん達成感も意識されるなか、先駆した銘柄の利食いに対し、出遅れ銘柄が見直される展開がありそうだ。また、3月相場入りを控えて配当志向の物色も再び強まりやすいと考えられる。

    ●活躍が期待される「注目5銘柄」

    ◆三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]
    2月2日に、今期3度目となる業績修正を行い、2024年3月期の連結営業利益を従来予想の480億円から500億円に引き上げるとともに、年間配当を従来計画の24円から32円に増額した。併せて1100万株を上限とする自社株買いを発表している。外国人観光客数の回復や円安基調が続くなか、免税売上高が過去最高を記録している。好業績と株主還元拡充が好感されて、株価は翌営業日の5日に窓を空けて急伸。その後も強い基調を継続し、20日には2167.5円まで買われた。業績修正後の急伸で過熱感は警戒されやすいが、2015年に付けた高値(2395円)が射程に入ってきており、高値更新からの一段高を想定した押し目狙いのスタンスで臨みたい。

    ◆ニッパツ <5991> [東証P]
    2月13日に、2024年3月期の連結最終利益を従来予想の250億円から350億円に上方修正し、年間配当を従来計画の年34円から40円に増額した。政策保有株式の見直しに伴う投資有価証券売却益(150億円)の計上を見込む。同時に1200万株・180億円を上限とする自社株買いの実施も発表。株価は窓を空けて急伸し、14日には1546円まで買われ上場来高値を更新した。その後は調整を見せているが、1400円辺りでの底堅さが意識されており、リバウンドからの一段高を狙いたい。

    ◆トレンドマイクロ <4704> [東証P]
    2月15日に決算を発表し、2023年12月期の連結営業利益は前の期比4%増の326億200万円で着地した。続く2024年12月期の同利益は前期比62.3%増の529億円と3期ぶりに最高益更新を見込む。翌16日の株価は決算通過による材料出尽くし感から利益確定売りが優勢となり、ストップ安まで売られた。ただし、足もとは200日移動平均線水準まで調整したことで、同線が支持線として意識されやすい。ここからは売り一巡によるリバウンド狙いとなる。また、昨年11月の上昇局面で空けた窓の上限水準まで下げてきたことも、調整一巡を意識させよう。

    ◆マクニカホールディングス <3132> [東証P]
    1月29日に決算を発表し、2024年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結営業利益は前年同期比13.3%増の513億1000万円で着地した。同時に今期の年間配当を従来計画の160円から190円に増額している。FA機器・工業用ロボットや車載市場、生成AI向けなどに集積回路・電子デバイスその他事業が堅調だったほか、ネットワーク事業も好調に推移している。同時に100万株を上限とする自社買いの実施を明らかにしている。株価は上向きで推移する13週、26週線を支持線とする上昇トレンドを継続している。順張りスタンスで狙うターゲット銘柄として注目されよう。

    ◆タカラトミー <7867> [東証P]
    2月6日に発表した2024年3月期第3四半期累計(4-12月)業績は、連結営業利益が前年同期比32.3%増の172億6700万円と、過去最高を見込む通期計画の170億円を上回って着地した。訪日外国人観光客の回復などを背景に小売事業キデイランドが好調だったほか、タカラトミーアーツが展開するガチャやアミューズメントマシンの人気が続いている。同時に今期の年間配当を創業100周年記念配当8円の実施に伴い、従来計画の35円から43円に増額修正した。営業利益は超過達成となったが、前回予想を据え置いたことで決算発表後に株価は売られる場面もあった。ただし、上向きで推移する13週線が支持線として機能しており、足もとでリバウンドを見せてきている。1月高値2595円突破からの一段高とともに、1999年に付けた上場来高値2960円への挑戦に期待したい。

    (2024年2月22日 記)

    株探ニュース