探検
PR
  • トップ
  •  >  米国株
  •  >  ダウ【DOW】
  •  >  ニュース
  •  >  ホルムズ海峡の事実上の封鎖が及ぼす金融マーケットの連鎖【フィリップ証券】
  • ダウ【DOW】最新ニュース

    NYSE
    株価 15分ディレイ
    DOW
    ダウ
    $39.16
    前日比
    -0.95 (-2.37%)
    NY時間
    14日 16:00
    日本時間
    15日 05:00
    $39.07
    -0.09 (-0.23%)
    14日 19:59
    15日 08:59
    PER
    PSR
    0.70
    利回り
    5.36%
    比較される銘柄
    EMN DD LIN LYB PPG
    時価総額 280億3,405万ドル
    PER・PSRについて
    かぶたん プレミアム

    株探プレミアムに登録すると...

    初回30日間無料!

    日本語に翻訳された適時開情報をご覧いただけます。(翻訳対象は拡大予定です)

    銘柄ニュース
    戻る
    2026年3月19日 17時37分

    ホルムズ海峡の事実上の封鎖が及ぼす金融マーケットの連鎖【フィリップ証券】

     米国とイスラエルがイラン攻撃を始めてから2週間余りが過ぎた。原油輸出の要衝であるホルムズ海峡がイランによって事実上封鎖される状況が続く中、2月末に1バレル67ドル台だったWTI原油先物価格は日本時間3/16に1バレル100ドル近辺の高水準で推移している。原油や天然ガスなどのエネルギー価格の高騰は世界的なインフレ懸念を高めるものとして長期金利の上昇(債券売り)を引き起こし、金融政策においても米国では利下げ期待を後退させ、欧州では利上げ観測の台頭を招いている。中東への原油依存度が高いアジア諸国やカタールへの天然ガス依存度の高い欧州の通貨が売られ、今やエネルギー純輸出国となっている米国の相対的優位性を背景に米ドルが買われている。本来なら地政学リスクの発生時に買われやすい金(ゴールド)は、米ドル高・米長期金利上昇を受けてCOMEX先物価格が2月末の1オンス5300ドル近辺から日本時間3/16に1オンス5000ドル近辺まで下落している。

     原油高がガソリン価格の高騰を通じて消費者の生活に影響を及ぼし始めてきた中、3/6発表の2月の米雇用統計では市場予想に反して非農業雇用者数が減少し、物価高と景気後退が同時進行するスタグフレーションへの警戒感が浮上。米国の主要株価指数の3/13終値は、S&P500株価指数とナスダック総合指数が、1/28の年初来高値からそれぞれ5.3%、7.8%下落。そして、ダウ工業株30種平均株価が2/11の年初来高値から7.8%下落、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2/25の年初来高値から10%下落している。将来の相場に対する投資家心理を反映する指数とされる「VIX指数」は3月の月初より、不安心理の境目で警戒ラインとされる20を上回り、かつ、下値を切り上げつつ推移している。「調整局面」からの押し目買いを想定するならば、通常は主要指数で15-20%程度の下落をみておくべきだろう。

     4年前の2/24にロシアがウクライナに侵攻した時は、WTI原油先物価格が7月まで1バレル90ドル台~130ドルの高水準で推移した後、年末に向けて1バレル70ドル台まで下落した。SOX指数は3月高値から9月安値まで約43%下落し、S&P500株価指数は3月高値から10月安値まで約24%下落し、その後でそれぞれ反転上昇した。その間、VIX指数は不安心理を反映する水準とされる20~35のレンジ内を往復していた。当時は急激なインフレに対して米FRB(連邦準備理事会)が一貫してタカ派の金融政策を実施していたという背景があるものの、紛争勃発後の初動は類似点が多いように見受けられる。

     当時との相違点として、「プライベート・クレジット」に関連したファンドで投資家からの解約請求に応じきれず、解約を制限する動きが相次いでいる。流動性確保のため幅広いアセットの売却に繋がりやすい点は警戒が必要だろう。


    ■半導体、銀行、ソフトウェアの指数~相互の相関関係が短期的に変遷

     米国株市場では、AI(人工知能)の進化によってAI半導体の需要が高まる一方、ソフトウェア業界の収益源が侵食されるのではないかとの懸念から、昨年12月頃から「半導体関連株の買い、ソフトウェア関連株の売り」の傾向が強まっていた。2月下旬に決算発表を行った米半導体大手エヌビディア<NVDA>をきっかけに、ポジションの巻き戻しの兆しが現れたが、足元では再び「半導体買い、ソフトウェア売り」に戻ってきている。

     ソフトウェア業界への融資比率が高いプライベート・クレジット(ノンバンク融資)の中には、流動性の欠如に伴って規約通りに投資家からの解約請求に応えられないケースが出始めた。そのため、ソフトウェア関連銘柄の売りが金融関連銘柄の売りにつながりやすい構図だ。


    【タイトル】


    参考銘柄

    ダウ<DOW> 市場:NYSE・・・2026/4/23に2026/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

    ・旧ダウ・ケミカルと旧デュポンの合併の後、2019年に分離独立。包装、工業インフラ、素材・コーティングの各事業を展開。農業のコルテバ<CTVA>、特殊化学のデュポン<DD>がダウから分離独立。

    ・1/29発表の2025/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比9.1%減の94.60億USD、非GAAPの調整後1株当たり営業利益が▲0.34USDと前年同期のイーブンから赤字転落。粗利益率が3.2ポイント低下の5.8%。季節要因による需要減もあり、3事業ともに稼働率が低下し、販売価格が下落した。

    ・2026/12通期会社計画は具体的数値を未公表ながら、コスト削減と構造改革で収益力を底上げする方針を明確にしている。前年度に発表した10億USDコスト削減プログラムに続き、新たに発表した新プログラムでも追加的に20億USDの利益改善目標を掲げた。メキシコ湾岸に生産拠点を持つ同社は、石油化学製品に関する世界的供給網の混乱の中、相対的に優位な立場にあるとみられる。


    ゼネラル・ダイナミクス<GD> 市場:NYSE・・・2026/4/23に2026/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

    ・1899年に前身のエレクトリック・ポート設立以降、潜水艦や対潜ミサイル等を米海軍向けに製造。現在は、航空宇宙、海洋システム、戦闘システム、テクノロジーの4事業セグメントを展開する。

    ・1/24発表の2025/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比7.8%増の143.79億USD、EPSが同0.5%増の4.17USD。通期フリーキャッシュフローが24%増の39.59億USD。12月末受注残は、航空宇宙と戦闘システムの伸びを受けて30%増の1180億USDに加え、9月末比でも7%増と堅調に推移。

    ・2026/12通期会社計画は、売上高が前期比3-4%増の543-548億USD、営業利益率が同0.2ポイント上昇の10.4%、EPSが同4-5%増の16.1-16.2USD。同社はS&P500配当貴族指数採用銘柄。トランプ米大統領は1月、全米防衛システム「ゴールデンドーム」構築や最新鋭戦艦の建設など国家安全保障強化のため、2027年度国防予算を前年度比5割超増の1.5兆USDに引き上げるよう議会に要求。


    イリノイ・ツール・ワークス<ITW> 市場:NYSE・・・2026/4/14に2026/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

    ・1912年設立。世界で工業製品・機器を製造・販売し、輸送機器OEM、食品機器、エレクトロニクス、溶接、建設用製品、ポリマー・流体、特殊製品の7事業から構成。事業の入替えに積極的な方針。

    ・2/3発表の2025/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比4.1%増の40.93億USD、EPSが同7.1%増の2.72USD。コスト削減の寄与により営業利益率が0.3ポイント上昇の26.5%。伝統的な自助努力プログラムに加え、輸送機器OEMや溶接事業を中心とした利益率改善により関税コストを吸収した。

    ・2026/12通期会社計画は、売上高成長率が前期比2-4%増、営業利益率が同1.0ポイント上昇の27.3%、EPSが前期比5-9%増の11.0-11.4USD。同社は50年以上連続で増配を続ける銘柄を指す「配当王」として知られる。さらに自社株買いについても2026年度に15億USDを計画するなどと株主還元に積極的である。独自の事業モデルにより外部環境に影響されにくい経営を実現している。


    モザイク<MOS> 市場:NYSE・・・2026/5/8に2026/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

    ・2004年設立の肥料メーカー。リン酸塩鉱山と炭酸カリウム(カリ)鉱山を保有し、リン酸塩の採掘で世界最大、炭酸カリウムの採掘で世界第2位。リン酸塩と炭酸カリウムは植物の成長に欠かせない。

    ・2/24発表の2025/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比5.6%増の29.73億USD、非GAAPの調整後EPSが同51.1%減の0.22USD。製品別1トン当たり粗利益は、炭酸カリウム(カリ)部門が平均販売価格上昇を受けて拡大の一方、リン酸塩部門とブラジル肥料部門は販売量減少により縮小。

    ・同社は植物の「三大栄養素」の肥料のうち、リン酸塩とカリに特化しているのに対し、肥料メーカーとして競合するCFインダストリーズHD<CF>は窒素系肥料の世界最大級生産者として、それぞれ特徴がある。イラン紛争とホルムズ海峡の事実上の封鎖に起因する肥料貿易減少により肥料価格が全般的に上昇。リン酸塩とカリの生産は中東依存が限定的であり、モザイクへ追い風が見込まれる。


    ニューコア<NUE> 市場:NYSE・・・2026/4/28に2026/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

    ・1958年設立。米鉄鋼最大手で世界最大の電炉メーカー。熱延・冷延鋼板、鋼板、構造用鋼、鋼棒の製造を手掛ける。スクラップを電炉で溶かしてリサイクルする業者として北米最大規模である。

    ・1/26発表の2025/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比8.6%増の76.87億USD、非GAAPの調整後EPSが同41.8%増の1.73USD。通期の営業キャッシュフローは18.7%減の32.34億USD。販売量(トン)が2%増の619万トンだったことに加え、売上原価率が2.4ポイント低下の88.8%へ改善した。

    ・2026/12期1Q(1-3月)会社見通しは、製鉄所、鉄鋼製品、原材料の三事業セグメントともに、出荷数量の増加により前四半期比での利益増を見込んでいる。特に製鉄所は販売価格上昇の利益貢献が大きいとしている。トランプ政権による輸入鉄鋼製品への追加関税により完成鋼の外国製品シェアが減少していること、およびデータセンターや各種インフラ向け鉄鋼需要も拡大傾向にある。


    バンガード米国素材セクターETF<VAW> 市場:NYSE Arca・・・分配金:年4回(3・6・9・12月)

    ・「MSCI米国インベスタブル・マーケット・素材インデックス」に連動する投資成果を目指す。化学品、建設資材、ガラス、紙関連の製造業、金属・鉱物関連、製鉄業など米国素材セクター銘柄で構成。

    ・3/13終値で時価総額が29.1億USD、過去12ヵ月間の実績分配金利回りが1.45%。組入れ上位順7社は、リンデ<LIN>、ニューモント<NEM>、フリーポート・マクモラン<FCX>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、エコラボ<ECL>、CRH<CRH>、エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ<APD>である。

    ・2025年末終値から3/13終値までの騰落率(分配金を除く)は、同ETFが+7.1%に対し、ダウ工業株30種平均株価が▲3.0%、S&P500株価指数が▲3.1%、ナスダック100が▲4.1%。鉄鋼・アルミニウム輸入製品への追加関税に伴う国内生産製品のシェア拡大に加え、貿易交通の要衝であるホルムズ海峡閉鎖に伴うエネルギー供給網の混乱も米国産製品の相対的優位性を高めると見込まれる。


    執筆日:2026年3月16日


    フィリップ証券
    フィリップ証券 リサーチ部 笹木和弘
    (公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト)

    【免責・注意事項】
    当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提供している証券会社との契約に基づき対価を得る場合があります。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
    <日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則 平14.1.25」に基づく告知事項>

    ・ 本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。



    フィリップ証券より提供されたレポートを掲載しています。


    株探ニュース