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    2025年8月1日 17時10分

    エネルギー分野の規制緩和、米国農産物の輸出拡大【フィリップ証券】

     トランプ米政権は7/23、米国のAI(人工知能)の技術優位を高めるための国家戦略「AIアクションプラン(行動計画)」を発表。規制緩和で米国内の技術革新とインフラ整備を促しつつ、友好国への技術輸出等でAI覇権を争う中国に対抗することが大きな目的だ。トランプ氏が署名した3つの大統領令の中でもデータセンターの規制緩和や電力供給網を整備することに向けた「インフラ構築の後押し」は、投資の観点から注目される。

     トランプ氏は7/15、ペンシルべニア州内のイベントで「AI分野の世界リーダーを維持するにはエネルギーの莫大な増産が必要だ」と述べると同時に、20の主要なテックとエネルギー企業がデータセンターや発電所建設に920億ドル超を投資すると発表。そのうち、560億ドルが発電所などエネルギーインフラに、360億ドルがデータセンターやAIインフラ建設に充てられる模様であり、エネルギーインフラの比重が高い点は注目される。

     エネルギー分野では、トランプ氏の1/20の就任演説で、「国家緊急エネルギー事態」を宣言し、石油や天然ガスなどの化石燃料の掘削を促進する規制緩和の方針を打ち出していた。さらに5/23、米国の原子力発電を増強する大統領令に署名。原子力規制委員会(NRC)に対し、規制を緩和し、原子炉や原発の新規認可を迅速化するよう指示した。NRCによる原発新設の審査期間は最長で18ヵ月に早められ、国有地での原発の建設も許可するとした。3月の大統領令でウランなど、輸入に依存している核燃料を「重要鉱物」に指定し、内製化を促した。

     特に、SMR(小型モジュール式原子炉)と呼ばれるおよそ出力30万キロワット以下の原発が注目されている。主要設備を工場で製造して現場で据え付けるため工期を短くして建設費を抑えられる利点がある。今年5月には2030年の運転開始を目指して最初の商用炉の建設が始まった。税額控除を通じた継続的な財政支援なども見込まれる。

     トランプ政権は7/23、日米関税交渉が合意に達したと発表。その中でも農産物に関して、日本は無関税で輸入しているミニマムアクセス(MA)の枠内で米国産コメの輸入量を直ちに75%増やすとし、トウモロコシや大豆なども80億ドル相当を購入するとした。米国には世界的な穀物取引で大きな影響力を持つ「穀物メジャー」と言われる大手商社として、カーギル(非上場)、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド<ADM>、ブンゲ・グローバル<BG>などがある。トランプ氏は関税引き下げの見返りとして米国産農作物などの輸入拡大を迫る「ディール外交」を展開しており、ベトナムやインドネシアも日本と同様の合意に達している。米国の農業関係者および「穀物メジャー」とされる企業へ追い風だろう。


    ■米GENIUS法とAIアクションプラン~暗号資産の拡大と安全保障へのAI活用

     暗号資産で米ドルに価値を連動させる「ステーブルコイン」の普及を目指す「GENIUS法」が7/18に成立。ステーブルコイン「USDC」の発行元のサークル社の傘下で、関連インフラを提供するサークル・インターネット・グループ<CRCL>が6/5に新規上場。暗号資産関連ではビットコインのマイニング事業を展開するライオット・プラットフォームズ<RIOT>、暗号資産取引サービスを提供するコインベース・グローバル<COIN>やロビンフッド・マーケッツ<HOOD>の株価が堅調に推移している。

     トランプ米大統領は7/23、米国のAI(人工知能)関連国家戦略「AIアクションプラン」を発表。米国防総省でのAI導入はパランティア・テクノロジー<PLTR>にとって、位置情報を使う半導体輸出管理強化は通信半導体に強いブロードコム<AVGO>にとって追い風だ。


    【タイトル】


    参考銘柄


    ディア<DE> 市場:NYSE・・・2025/8/14に2025/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

    ・1837年創業の世界最大の農業機械メーカー。「ジョンディア」ブランドで農業機械・芝刈機・建設機械・林業機械を製造。大型・精密農機、小型農機、建機・林業、金融サービスの主要4事業を営む。

    ・5/15発表の2025/10期2Q(2-4月)は、売上高が前年同期比16.2%減の127.63億USD、EPSが22.2%減の6.64USD。大型・精密農機(売上比率40%)が21%、小型農機(同24%)が6%、建機・林業(同24%)が23%、金融サービス(同12%)が6%とそれぞれ減収。小型農機を除き、利益率が悪化。

    ・通期会社計画は、外部環境の不確実性の高まりを反映して当期純利益を前期比23-33%減の47.5-55.0億USD(従来計画50-55億USD)とし、予想レンジを拡大。米国の農業関係者の経済的楽観度や信頼感を数値化した指標で、パデュー大学とCMEグループ<CME>が共同開発して毎月発表している「米国農業経済バロメーター指数」は24年9月の88から反転上昇し、25年9月に146と堅調に推移。


    シェニエール・エナジー<LNG> 市場:NYSE・・・2025/8/7に2025/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

    ・1983年設立の液化天然ガス(LNG)事業者で生産規模は米国首位・世界第2位。世界最大規模のLNG生産施設サビン・パス・ターミナルを所有・運営。パイプライン輸送のほかタンカー輸出も行う。

    ・5/8発表の2025/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比28.0%増の54.44億USD、非GAAPの調整後EBITDAが同5.6%増の18.72億USD。LNG輸出量が1%増に加え、天然ガスおよびLNGの国際相場が堅調に推移した。長期契約による生産能力カバーを背景に分配可能キャッシュフローが10%増。

    ・通期会社計画は、調整後EBITDAが前期比6-14%増の65-70億USD、分配可能キャッシュフローが同10-23%増の41-46億USDと従来計画を据え置いた。EU(欧州連合)は7/27、米国との関税交渉で合意し、天然ガスを含む戦略物資を3年間で7500億USD相当を米国から購入することを約束した。日米関税合意でも、日本はLNGなど米国産エネルギーの安定的、長期的な購入を約束している。


    ナショナル・グリッド<NGG> 市場:NYSE・・・2025/10/21に2026/3期1H(4-9月)の決算発表を予定

    ・1990年設立。英国を拠点とするエネルギー企業で、英国(イングランドとウェールズ)での送電と配電、英国全土でのガス供給網を保有・運営のほか、米国北東部でも電力とガスの配送を行う。

    ・5/15発表の2025/3通期は、売上高が前期比7.4%減の183.78億GBP(英ポンド)、非IFRSの基礎的EPSが同2%増の0.733億GBP。売上高営業費用率が4.4ポイント低下の73.2%へ改善したことを受け、株主割当増資に伴う発行済株式数増加の影響を除くベースのEPSは8%増と堅調に推移した。

    ・2026/3通期会社計画は、基礎的EPSの年当たり伸び率が6-8%。基礎的EPSの5年間の年平均複利ベース成長率(CAGR)も同様に6-8%を見込む。同社は英国と米国にまたがり、広範なインフラ網を保有していることに加え、クリーンエネルギー投資に積極的である。英国では送電と配電が分離されて送電システム運営が政府所有のNESOに移管された。一方、米国では送電と配電の両方を運営。


    クアンタ・サービシーズ<PWR> 市場:NYSE・・・2025/7/31に2025/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

    ・1997年設立のインフラ関連サービス会社。送電・配電網、通信・ケーブルネットワーク、変電施設、輸送パイプラインなどの設計・設置・修理・保守サービスを行う。近年は再エネ関連インフラに注力。

    ・5/1発表の2025/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比23.4%増の62.33億USD、非GAAPの調整後EBITDAが同30.1%増の5.03億USD。3月末受注残は18%増の352億USD、うち電力事業(売上比率79%)が25%増、地下・インフラ事業(同21%)が9%減。粗利益率が1.0ポイント上昇の13.4%。

    ・通期会社計画を上方修正。売上高を前期比13-15%増の267-272億USD(従来計画266-271億USD)、調整後EPSを同12-19%増の10.05-10.65USD(同9.90-10.50USD)とした。トランプ政権のエネルギー供給拡大に向けた規制緩和は、パイプライン建設需要の増加、電力送配電網の拡張に加え、SMR(小型モジュール式原子炉)の電力インフラ構築等を通じ、同社へ追い風が見込まれる。


    ニュースケール・パワー<SMR> 市場:NYSE・・・2025/8/7に2025/12期2Q(4-6月)の決算発表を予定

    ・2007年設立。フルアー<FLR>傘下でオレゴン州立大学発の新興企業。同社が開発した「VOYGR12」はSMR (小型モジュール式原子炉)標準プラントで初めて、2020年に当局の設計認証審査を完了。

    ・5/12発表の2025/12期1Q(1-3月)は、売上高が前期比12.0百万USD増の13.4百万USD、営業損失が同8.7百万USD減の35.3百万USD。同社の「VOYGR」SMRプラントに関し、複雑なプロジェクトの初期計画段階で実施されるプロセスである「FEED(Front-End Engineering Design)」が順調に進捗した。

    ・同社の四半期ごとの売上高は、2024年2Qが1.0百万USD、同年3Qが0.5百万USDの後、同年4Qが34.2百万USDへ増加。ルーマニアのRoPowerプロジェクト支援に伴う各種フィーやサービス収入が寄与いた。トランプ大統領は5/23、原子力規制委員会に対し原子炉や原発の新規認可を迅速化するように指示する大統領令に署名。関税交渉を通じ、同社の技術を輸入する国の増加が見込まれる。


    執筆日:2025年7月28日


    フィリップ証券
    フィリップ証券 リサーチ部 笹木和弘
    (公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト)

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    フィリップ証券より提供されたレポートを掲載しています。


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