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    2025年12月5日 5時20分

    前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

    ■アライドアキ <6081>  310円 (+80円、+34.8%) ストップ高

     アライドアーキテクツ <6081> [東証G]がストップ高。3日午前11時過ぎ、ウィスク・イー(東京都千代田区)が輸入代理店を務めるアイリッシュウイスキーブランド「バスカー」のインスタグラムリール動画について、アライドアキによる顧客インサイトの発見とSNSマーケティング施策の最適化支援を受けて制作した動画の再生数が50万回を突破したと発表しており、前営業日3日から引き続き買い進まれた。アライドアキによると、普段の動画の再生回数は1万ほどだった。同社は今回の最適化支援に当たり、自社のデータプラットフォーム「Kaname.ax」に取り込んだSNSのユーザー生成コンテンツやECのレビューなどを独自のAI技術で分析し、商品・ブランドを購入・利用する際のきっかけを導き出すサービス「CEPsリスニング」を実施した。

    ■日本新薬 <4516>  4,323円 (+700円、+19.3%) ストップ高

     東証プライムの上昇率トップ。日本新薬 <4516> [東証P]がストップ高。同社は4日、ライセンスパートナーの米カプリコール・セラピューティクス <CAPR> が米国で開発中のCAP-1002について、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者を対象とした臨床第3相試験(HOPE-3試験)の肯定的なトップラインデータを公表したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。同試験で、主要評価項目である上肢機能評価及び重要な副次評価項目である心機能指標で統計学的有意差を確認したという。なお、米国で同剤が承認された場合、日本新薬の米子会社が販売・販促活動を実施する予定となっている。

    ■ハーモニック <6324>  3,645円 (+445円、+13.9%)

     ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [東証S]が急騰。3日、世界最大規模となるロボットの展示会「2025国際ロボット展」が東京ビッグサイトで開幕した。企業側の出展内容がメディアを通じて伝わっている。ロボット関連株はフィジカルAIの普及による恩恵の思惑から直近で動意づいていたが、今回のロボット展ではAIを活用したロボットによるソリューションに関し、企業側からのデモンストレーションが数多く行われており、AIとロボットの融合による新たな商機への期待感を高める内容となっている。更に、米国政府がロボティクス分野での大統領令を来年出すことを検討しているとも伝わっており、業界を支援する動きへの思惑から3日の米国市場で関連株が上昇。これらを背景に4日の東京市場においてロボット関連株への投資資金の流入が続いていた。ヒーハイスト <6433> [東証S]は連日のストップ高。不二越 <6474> [東証P]やCYBERDYNE <7779> [東証G]も高かった。

    ■ラウンドワン <4680>  1,090円 (+114.8円、+11.8%)

     東証プライムの上昇率3位。ラウンドワン <4680> [東証P]が続急騰。4日午前11時30分ごろ、11月の国内既存店売上高が前年同月比10.1%増になったと発表した。2か月連続の増収で、伸び率は8月(12.0%)以来となる3ヵ月ぶりの高さとなり、評価された。暦の影響などに加え、コラボキャンペーンが引き続き好調だった。米国の既存店売上高は同2.9%増となっており、2ヵ月連続で前年同月を超えている。

    ■ブルーイノベ <5597>  1,605円 (+137円、+9.3%)

     ブルーイノベーション <5597> [東証G]が続急伸。3日の取引終了後に、台湾のドローンメーカーであるエアロプロビング社とブランドライセンス契約を締結したと発表しており、好材料視された。今回の契約は、両社がこれまで培ってきた技術力・事業経験を相互に生かすことで、アジア市場における新たな価値創出に向けた協力体制を構築するのが狙い。これに基づきブルーイノベは、26年1月からアジア市場での本格展開を開始する。

    ■レーザーテク <6920>  32,200円 (+1,890円、+6.2%)

     レーザーテック <6920> [東証P]が3日続急伸。 半導体主力銘柄が総じて強い動きをみせるなか、同社の上げ足の強さがひときわ際立っていた。製造装置関連でも後工程のAI半導体向けのウエートの高いメーカーがこれまで株価面で優位性を発揮してきたが、ここにきて相対的に出遅れていた同社株のような微細化に主眼を置いた前工程の製造装置メーカーへの資金ローテーションが観測された。特に、最近は同社の主要顧客であるオランダのASMLホールディング <ASML> が米国株市場で買われており、前日3日まで7連騰と異彩の上値追いで史上最高値をつけたことから、足もとで強力な株価刺激材料となっていた。

    ■平田機工 <6258>  2,330円 (+132円、+6.0%)

     平田機工 <6258> [東証P]が続急伸。3日取引終了後、大麻草由来の成分を含有する製品(CBD含有製品)の検査サービスを2026年2月からスタートすると発表した。大麻草由来の成分であるCBDはリラックスや快眠、鎮痛などさまざま健康効果が期待され、世界保健機関によってその安全性が確認されていることから世界的に関連市場が拡大している。国内でも市場拡大が見込まれるものの、法律によって含有製品の製造者に残留麻薬成分の検査が義務付けられており、この需要を捉える狙いがあるとみられる。これを手掛かりに買われたもようだった。

    ■リガクHD <268A>  1,019円 (+57円、+5.9%)

     リガク・ホールディングス <268A> [東証P]が続急伸。4日、子会社リガクが半導体製造工程でウエハーの膜厚と組成を計測する「XTRAIA(エクストライア)MF-3400」の販売を開始したと発表しており、これを好感した買いが入った。同装置は、次世代メモリチップやAI向け高速デバイスの量産に不可欠な材料の評価を高精度に行うもので、測定能力が従来機の最大2倍に向上したほか、ナノレベルの厚みを非破壊で測定できることや1台で複数の分析が可能なことなどが特徴。既にキオクシアホールディングス <285A> [東証P]傘下のキオクシア及びキオクシア岩手の3DNANDフラッシュメモリ量産ラインへの導入が決定しているほか、今後量産化が期待される大容量かつ高速データ転送量を実現する次世代メモリの製造工程でも本装置の活用が予定されている。

    ■ホトニクス <6965>  1,642.5円 (+85円、+5.5%)

     浜松ホトニクス <6965> [東証P]が続急伸。前日3日に提出された大量保有報告書によると、ブラックロック・ジャパンと共同保有者のホトニクス株式保有比率は5.10%となり、新たに5%を超えたことが判明した。保有目的は、投資一任契約に基づく顧客の資産運用および投資信託約款に基づく資産運用のためとしている。核融合発電関連など国策銘柄であるものの相対的な株価の出遅れ感は強かったため、見直しの動きにつながるとの期待も先行したようだ。

    ■オムロン <6645>  4,137円 (+187円、+4.7%)

     オムロン <6645> [東証P]が大幅続伸。同社は4日、グループのオムロン ソーシアルソリューションズ(OSS)が伊藤忠商事 <8001> [東証P]グループのグリッドシェアジャパンが展開する分散型電源プラットフォーム「GridShare」事業に出資したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。GridShareは、人工知能(AI)を活用して蓄電池などの分散型電源を遠隔制御し、電力需給の最適化や市場取引への活用を可能にするプラットフォーム。OSSは出資を通じて、分散型電源の最適制御を基盤としたVPP(点在する小規模な再エネ発電や蓄電池・EV等の設備を、電力の需要を管理するネットワーク・システムでまとめて1つの発電所のように制御・統合する仮想発電所)事業への参画を進めるとともに、容量市場・需給調整市場など市場取引に向けた実証を進めるとしている。

    ■Fスターズ <3687>  1,658円 (+74円、+4.7%)

     フィックスターズ <3687> [東証P]が大幅高。3日取引終了後、配当方針を変更し、DOE(連結株主資本配当率)を新たな指標として導入すると発表。従来の「中期的な連結配当性向30%」に「DOE7%以上」とする目標を追加した。これが材料視された。なお、26年9月期の配当は現時点で年18円(連結配当性向36.3%、DOE6.8%)を計画している。

    ■日本光電 <6849>  1,614円 (+71.5円、+4.6%)

     日本光電工業 <6849> [東証P]が6日ぶり大幅反発。マドを開けて5日移動平均線を跳び越える展開で底入れ反転を印象づけた。医用電子機器の専門メーカーとして商品競争力が高く、脳波計などでトップシェアを誇る。26年3月期は売上高が連続過去最高更新を見込むほか、営業利益も2ケタ成長見通しと好調が予想されている。そうしたなか同社は3日、自社株取得枠の設定を発表した。発行済株式数(自己株式を除く)の2.33%に相当する380万株、金額ベースで50億円を上限に来年3月末までを取得期間(このうち一部は今朝の立会外取引で取得)とする。これによる株式需給関係の改善に期待する買いを引き寄せる格好となった。

    ■信越化 <4063>  4,868円 (+184円、+3.9%)

     信越化学工業 <4063> [東証P]が大幅反発。テクニカル的にも大陽線示現による中段もみ合い放れで、大勢2段上げの初動を意識させる展開となっていた。米国で半導体関連株への買い戻しが目立つなか、「東京市場でも出遅れている半導体関連の素材セクター(化学株)に投資資金の視線が向かい始めた」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれた。そのなか、同社は半導体シリコンウエハーの世界トップメーカーとして追い風が強まっている。同社は半導体の回路を形成する際に使われるフォトレジストでも国内屈指の存在で、海外投資家から注目度が高い。更に中国の政治的な理由による レアアースの輸出規制を契機に、同分野の関連銘柄にも思惑含みの値動きが相次いでいるが、同社は世界的にもハイレベルのレアアース精製技術を有していることで、国策的な位置付けでもキーカンパニーとしての認識が高まる可能性がある。

    ■KeePer <6036>  3,565円 (+115円、+3.3%)

     KeePer技研 <6036> [東証P]が3日ぶり大幅反発。3日取引終了後、11月度の月次速報を発表。「キーパーラボ運営事業」と「キーパー製品等関連事業」をあわせた全社合計の売上高は前年同月比9.5%増と、2ヵ月ぶりにプラスに転じた。キーパーラボ運営事業は同12.7%増、キーパー製品等関連事業は同5.0%増だった。これが手掛かりとなった。

    ※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

    株探ニュース