2024年6月9日 9時15分
【杉村富生の短期相場観測】 ─成功の秘訣は良くなる企業を拾うこと!
「成功の秘訣は良くなる企業を拾うこと!」
●プロは需給の大切さを知っている!
この世界(ウォール街)では「遅れた者は悪魔のエジキ」という。先日、講演会において、レーザーテック <6920> [東証P]を「買いたいのだが……」と質問してきた人がいた。株価は5月23日の4万5500円を高値に急落している。カラ売り専門のスコーピオン・キャピタルの介入によるものだ。値頃的には買える水準と思う。
しかし、ちょっと待って欲しい。テクニカル的には完全に崩れている。反発は売り方の買い戻しだ。仕掛けは早すぎる。いや、タイミングの話だ。半導体関連セクターの投資を否定するつもりはない。引き続いて新産業革命時代の“核”業種である。ただ、この人は「初めて買う」とのこと。遅い。せめて、1年前に注力すべきではなかったのか。
さらに、兜町には「下げの途中で買うな」という教えがある。下値を確認し、反騰態勢に入ってから出動する。この解析には移動平均線が有効だ。QPS研究所 <5595> [東証G]を「買いたい」という人がいたが、やはり、3月22日の4975円の高値を付けたあと、急落中である。しかし、これもまずい。上場後ちょうど6カ月、関係者の売りが出る。
実需筋(外国人、機関投資家など)はロックアップ明け後を狙う。これはIPOのセカンダリーマーケットの基本戦術だが、彼らは徹底して安いところを買おうとする。買えないと、玉をぶん投げ、売りを誘うこともある。まあ、したたかな連中だ。下げの途中での安直な買いは結局、成功しない。だからこそ、先人の“知恵”が生きる。そう、格言である。
●サーキュレーションには変革の夢!
アメリカではファミリーオフィスを運営するスタンレー・ドラッケンミラー氏が注目を集めている。いまや、ウォーレン・バフェット氏よりも機関投資家の間での人気が高い。将来、大きく値上がりしそうな銘柄を静かに拾う。数年前に仕込んだエヌビディア<NVDA>はすべて利食った。世界中に彼のポートフォリオウォッチャーが存在する。
現在、買っているのはパランティア・テクノロジーズ<PLTR>、コヒレント<COHR>、ズームインフォ・テクノロジーズ<ZI>などだ。社長交代、黒字転換などの投資機会を捉える。機関投資家には「赤字企業は買えない」ところが多い。数年前、テスラ<TSLA>の黒字化のニュースに反応し、取得した。現在は売却済み。原則は「安い銘柄」を狙う。
中・低位株が大半だが、安値ゾーンの銘柄が含まれる。そして、集中投資である。したがって、リスクを避けるために事業内容、財務諸表のチェック(信用調査)が重要になる。それと、需給を尊重する。このため、世界の投資家が彼の組み入れ銘柄に目をつける。短期・順張り投資全盛の時代にあって、まれな投資家である。
需給悪といえば前人気が上々だったアストロスケールホールディングス<186A> [東証G] の伸び悩みだろう。6月5日に1581円の高値まで買われたものの、急落した。「買いたい」という向きが多数派だが、ここは「止めておけば……」だろう。その理由は2点だ。それは「1日信用」が活発に行われていること、および幹事証券の不祥事にある。
古来、「需給はすべての材料に優先する」という。さて、ここでの狙い目は大株主ががらりと入れ替わったサーキュレーション <7379> [東証G]だろう。外部プロ人材の経験・知見をプロジェクト活用するユニークな業態だ。2024年7月期は増収増益を見込み、1株利益は47.6円(前期は44.5円)となる。
大株主の持ち株を引き取り新たに登場したのは保有比率25%のシンプレクス・ホールディングス <4373> [東証P]、同24%のクラウドワークス <3900> [東証G]、同7.39%のPKSHA Technology <3993> [東証S]の3社だ。後述2社の取得価格(6月3日約定)は828円だった。有力企業だけに、今後の展開が期待できる。
2024年6月7日 記
株探ニュース
●プロは需給の大切さを知っている!
この世界(ウォール街)では「遅れた者は悪魔のエジキ」という。先日、講演会において、レーザーテック <6920> [東証P]を「買いたいのだが……」と質問してきた人がいた。株価は5月23日の4万5500円を高値に急落している。カラ売り専門のスコーピオン・キャピタルの介入によるものだ。値頃的には買える水準と思う。
しかし、ちょっと待って欲しい。テクニカル的には完全に崩れている。反発は売り方の買い戻しだ。仕掛けは早すぎる。いや、タイミングの話だ。半導体関連セクターの投資を否定するつもりはない。引き続いて新産業革命時代の“核”業種である。ただ、この人は「初めて買う」とのこと。遅い。せめて、1年前に注力すべきではなかったのか。
さらに、兜町には「下げの途中で買うな」という教えがある。下値を確認し、反騰態勢に入ってから出動する。この解析には移動平均線が有効だ。QPS研究所 <5595> [東証G]を「買いたい」という人がいたが、やはり、3月22日の4975円の高値を付けたあと、急落中である。しかし、これもまずい。上場後ちょうど6カ月、関係者の売りが出る。
実需筋(外国人、機関投資家など)はロックアップ明け後を狙う。これはIPOのセカンダリーマーケットの基本戦術だが、彼らは徹底して安いところを買おうとする。買えないと、玉をぶん投げ、売りを誘うこともある。まあ、したたかな連中だ。下げの途中での安直な買いは結局、成功しない。だからこそ、先人の“知恵”が生きる。そう、格言である。
●サーキュレーションには変革の夢!
アメリカではファミリーオフィスを運営するスタンレー・ドラッケンミラー氏が注目を集めている。いまや、ウォーレン・バフェット氏よりも機関投資家の間での人気が高い。将来、大きく値上がりしそうな銘柄を静かに拾う。数年前に仕込んだエヌビディア<NVDA>はすべて利食った。世界中に彼のポートフォリオウォッチャーが存在する。
現在、買っているのはパランティア・テクノロジーズ<PLTR>、コヒレント<COHR>、ズームインフォ・テクノロジーズ<ZI>などだ。社長交代、黒字転換などの投資機会を捉える。機関投資家には「赤字企業は買えない」ところが多い。数年前、テスラ<TSLA>の黒字化のニュースに反応し、取得した。現在は売却済み。原則は「安い銘柄」を狙う。
中・低位株が大半だが、安値ゾーンの銘柄が含まれる。そして、集中投資である。したがって、リスクを避けるために事業内容、財務諸表のチェック(信用調査)が重要になる。それと、需給を尊重する。このため、世界の投資家が彼の組み入れ銘柄に目をつける。短期・順張り投資全盛の時代にあって、まれな投資家である。
需給悪といえば前人気が上々だったアストロスケールホールディングス<186A> [東証G] の伸び悩みだろう。6月5日に1581円の高値まで買われたものの、急落した。「買いたい」という向きが多数派だが、ここは「止めておけば……」だろう。その理由は2点だ。それは「1日信用」が活発に行われていること、および幹事証券の不祥事にある。
古来、「需給はすべての材料に優先する」という。さて、ここでの狙い目は大株主ががらりと入れ替わったサーキュレーション <7379> [東証G]だろう。外部プロ人材の経験・知見をプロジェクト活用するユニークな業態だ。2024年7月期は増収増益を見込み、1株利益は47.6円(前期は44.5円)となる。
大株主の持ち株を引き取り新たに登場したのは保有比率25%のシンプレクス・ホールディングス <4373> [東証P]、同24%のクラウドワークス <3900> [東証G]、同7.39%のPKSHA Technology <3993> [東証S]の3社だ。後述2社の取得価格(6月3日約定)は828円だった。有力企業だけに、今後の展開が期待できる。
2024年6月7日 記
株探ニュース