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    2023年6月21日 11時40分

    S&P500 月例レポート ― 利上げ停止の支持広がるなかレンジを上放れ (1) ―

    S&P500月例レポートでは、S&P500の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。

    ●THE S&P 500 MARKET:2023年5月
    個人的見解:市場の関心は銀行危機や債務上限問題から政府支出に移った後、再びFOMCに戻る(AI作成の文章ではありません)

     株式市場は直近(2ヵ月ほど)レンジ相場を形成していましたが、債務上限と政府支出を巡って民主・共和両党が合意したことを材料に、5月末にかけてレンジを上抜ける展開となりました。とはいえ、相場上昇の理由は、市場が両党間の合意を評価したからではなく、交渉が決裂した場合には悲惨な結果を招きかねないからでした。

     S&P500指数は4200台を回復し、取引時間中に4231をつける場面もありました(前回終値が4200台をつけたのは2022年8月)が、最終的には4200台を割り込み、4180で5月の取引を終えました。地方銀行の経営破綻や債務上限問題が一段落したことを受けて5月に株式市場が0.25%上昇したことは、勝利として受け取られました。特に2023年第1四半期の決算発表の大半が終了したことを考慮すると、市場のボラティリティは異常なまでの低水準を維持しています(営業利益は前期比4.8%増と良好な結果となりました。とはいえ、より公平な観点から言えば、下方修正される前の期初時点での予想値を1.0%下回っています)。

     メディア報道は「債務上限問題」一色でしたが、市場では業績予想と、経済の「選別的」ランディングまたは「ソフト」ランディングの可能性が主な取引材料となりました。また、主要産業毎にリセッションの可能性が取り沙汰され始めています。

     しかしながら、(少なくとも私がまだ通っている数少ない)酒場では、(30過ぎか40過ぎぐらいの)いわゆる「若造」が人工知能(AI)の可能性や、よくある将来に対する壮大なビジョン、そしてAI絡みのM&A市場の盛り上がりについて議論していたようでした。私に言わせれば、オンライン学習と勉強ツールを提供するチェグ<CHGG>の株価が、5月に入ってから早々に1日で48%下落(年初来では65%下落)したことが示すように、AIの持つ可能性は自明のことです。同社は学生がAI(ChatGPT)に傾倒し、同社のサブスク利用(ひいては事業)が縮小したと警告を発しました。

     若造達がこうしたトレードから教訓を得ず、チャンスを見過ごしたのであれば、AIの別の側面を示す例としてエヌビディア<NVDA>を取り上げたいと思います。同社の業績は事前予想を大幅に上回り、業績見通しも上方修正しました。その理由として、現在と将来のAI関連の売り上げを挙げており、決算(とガイダンス)の発表を行った同日にエヌビディアの株価は24%上昇し(年初来では159%上昇)、時価総額1兆ドルクラブに仲間入りしたわけです (とはいえ、月末には早々に同クラブの基準を下回りました)。

     酒場では「若造ども」がAIの可能性と、自分たちが物色中のAI関連銘柄について語り合い、AIによって素晴らしい投資機会(と利益)がもたらされようとしているとの結論に至りました。

     一方で、私のような古い世代にとっては、90年代終盤のIT(情報技術)バブルを想起させる状況です。当時、IT企業の株価は1998年に77.6%、1999年には78.4%上昇しましたが、続く2000年には41.0%下落し、2001年は26.0%下落、2002年は37.6%下落しました。結局、5年間でのネットリターンは13.6%のマイナスでした(多くのIT長者が生まれ、また経営破綻も相次ぎました)。またとないチャンスを秘めた公開市場でのAI投資の時代が始まるというのが大方の見方ではありますが、本物の知性(インテリジェンス)は依然として、既存のプロセスとAIの融合と同時に、リアルな製品の進歩とその活用実態を見極めようとしています。

     現時点で私個人は、反復される観測を通じてプロセスの改善、結果のより優れた定量化、リスクリターン分析の向上目指すシステム・ラーニングは、AIの賜物と言えるものであり、多くに力を与え、効率を改善し、おそらくは生活水準を向上させると理解しています。その一方で、おそらくは(それもかなりの高確率で)レイオフや事業破綻、誤情報、そして厄介な社会問題をもたらすことにもなるとみています。こうした問題は例外なく、これまでの数多くのテクノロジーやコミュニケーションの進歩の際に発生しており、長いこと株式市場に携わってきた私にとっては既知の事実といえます。投資する上で重要なことは、高揚感や(何十年後かに起きる)利用の拡大ではなく、実際の製品やその利用状況を注視し、さらに短期投資(売買価格の限度を設定)と長期投資を別物として考えることです。

     5月31日に債務上限を停止する法案が下院で可決されました(賛成317、反対117)。同法案は6月に上院での審議後に可決される見通しで、続いて大統領が法案に署名することになります(6月2日には5月の雇用統計が発表予定)。上院での可決と大統領の署名は、現時点で「Xデー」とされる6月5日が到来する前に行われる必要があります(さもなければ、別のつなぎ予算を成立させる)。

     債務問題の決着後は、6月13-14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)が市場にとって最大の関心事となります。大半のデータが0.25%の追加利上げを後押ししていたにもかかわらず、先物市場は5月末時点で利上げ停止を織り込む方向(確率は前日の33%から65%に上昇)に動きました。このように先物市場が揺れ動く中、市場関係者の大半は利上げ停止を支持していました。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が、利上げは最終局面にあり、利下げ開始も視野に入っていることを明確に示唆すれば、現時点では利上げの停止、あるいは追加利上げが実施されたとしても1ヵ月前のように市場が混乱することはないでしょう。金融市場は引き続き2023年第4四半期の利下げを見込んでおり、先物市場はその確率が55%だと織り込んでいます。

     5月の日中のボラティリティは4月の0.92%から0.95%へ上昇し(3月は1.51%)、年初来では1.23%となりました。2022年は 1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした。出来高は3月に16%増加して4月に24%減少した後、5月に6%増加し(営業日数調整後)、前年同月比では7%減少しました。2023年5月時点の過去1年間の出来高は前年比17%増加しました。2022年は同6%の増加でした。

     5月に前日比で1%以上変動した日数は22営業日中5日(上昇が3日、下落が2日)、2%以上変動した日はありませんでした。4月は1%以上変動した日数は19営業日中3日(上昇が2日、下落が1日)、3月は1%以上変動した日数は23営業日中11日(上昇が6日、下落が5日)、2%以上変動した日はありませんでした。年初来では1%以上変動した日数は103営業日中37日(上昇が21日、下落が16日)、2%以上変動した日数は2日(上昇が1日、下落が1日)でした。2022年は1%以上変動した日数は 122日(上昇が59日、下落が63日)、2%以上変動した日数は46日(上昇は23日、下落は23日)でした。2021年は1%以上変動した日数は55日(上昇は34日、下落は21日)、2%以上変動した日数は7日(上昇は2日、下落は5日)でした。

     5月は22営業日中 9日で日中の変動率が1%以上となり、2%や3%以上の変動はありませんでした (4月は19営業日中7日で日中の変動率が1%以上となり、2%や3%以上の変動はありませんでした)。年初来では、1%以上の変動が 61日、2%以上の変動が 12日、3%以上の変動はありませんでした(直近で3%の変動があったのは2022年11月30日)。2022年は1%以上の変動が218日、2%以上の変動が89日、3%以上の変動が20日、4%以上の変動が4日ありました。2021年は1%以上の変動が93日、3%以上の変動が3日ありました。

     過去の実績を見ると、5月は58.9%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は3.07%、下落した月の平均下落率は4.68%、全体の平均騰落率は0.11%の下落となっています。2023年5月のS&P500指数は、0.25%の上昇となりました。

     6月は55.8%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は3.85%、下落した月の平均下落率は3.30%、全体の平均騰落率は0.69%の上昇となっています。

     今後の米連邦公開市場委員会FOMCのスケジュールは、2023年は6月13日-14日、7月25日-26日、9月19日-20日、10月31日-11月1日、12月12日-13日となっています。

     S&P500指数は5月に0.25%上昇して4179.83で月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス0.43%)。4月は4169.48で終え、1.46%の上昇(同プラス1.56%)、3月は4109.31で終え、3.51%の上昇(同プラス3.67%)でした。過去3ヵ月では5.28%の上昇、(同プラス5.75%)、年初来では8.86%の上昇(同プラス9.65%)、過去1年のリターンはプラスに転じ1.15%の上昇(同プラス2.92%)でした。2022年は19.44%の下落(同マイナス18.11%)、2021年は26.89%の上昇(同プラス28.71%)、2020年は16.26%の上昇(同プラス18.40%)、2019年は28.88%の上昇(同プラス31.49%)、2018年は6.24%の下落(同マイナス4.38%)でした。2022年1月3日の高値からは12.86%の下落(同マイナス10.78%)、コロナ危機前の2020年2月19日の高値からは23.44%上昇(同プラス30.21%)でした。

     ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)は5月に3.49%下落して3万2908.27ドルで月を終えました(配当込みのトータルリターンはマイナス3.17%)。4月は3万4098.16ドルで終え、2.48%の上昇(同プラス2.57%)、3月は3万3274.15ドルで終え、1.89%の上昇(同プラス2.08%)でした。2022年1月4日の高値(3万6799.65ドル)からは10.57%下落しました。年初来では0.72%の下落(同プラス0.25%)、過去1年では0.25%の下落(同プラス1.96%)、2022年は8.78%の下落(同マイナス6.86%)でした。

    ※「利上げ停止の支持広がるなかレンジを上放れ (2)」へ続く

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