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    2023年12月30日 6時31分

    ダウ平均は小幅安 動意薄の中でIT・ハイテク株に利益確定売り=米国株概況

    NY株式29日(NY時間16:21)(日本時間06:21)
    ダウ平均   37689.54(-20.56 -0.05%)
    S&P500    4769.83(-13.52 -0.28%)
    ナスダック   15011.35(-83.79 -0.56%)
    CME日経平均先物 33310(大証終比:-140 -0.42%)

     きょうのNY株式市場でダウ平均は小幅安。ダウ平均は下げに転じたものの、下値での押し目買い意欲が根強く、前日付近まで戻す一方、ナスダックは反落。年末の取引で基本的に動意薄中で、今年絶好調だったIT・ハイテク株に利益確定売りが出たようだ。

     今年のウォール街は最高の形で終え、勝利の年となった。S&P500は約24%上昇し、過去最高値に迫った。ダウ平均は約14%上昇、ナスダックは43%も上昇し、2003年以来の上昇率を記録している。

     今年は人工知能(AI)を巡る興奮が、エヌビディア<NVDA>やマイクロソフト<MSFT>といったマグニフィセント7銘柄(巨大IT7社)の買いを促し、金利上昇の中で他の平均的な銘柄が苦戦する中でも株価指数を押し上げた。

     しかし、FRBが利上げを終了し、来年は複数回の利下げも有り得ると示唆し、米10年債利回りは10月下旬の5%超から4%未満まで急低下している。投資家はまた、米経済のソフトランディングの可能性に自信を深め、第4四半期の米株式市場の上昇幅は拡大し、産業株中心のダウ平均は今月すでに史上最高値を連発。小型株のラッセル2000も12月に14%近く上昇し、2020年11月以来の最高値を更新した。

     そのような中で、市場は新たな節目を迎える可能性を模索している。楽観派は「1年の最後の2カ月に10%以上の上昇を記録するのは歴史的に見て、株価の上昇余地がまだあるというシグナルだ」と指摘。「このような年末の大幅上昇は、強気相場の終わりとは一致しない。通常は上昇の勢いが続くことを意味する」と述べている。

     一方、慎重派からは「市場の利下げ期待は行き過ぎで、米経済の景気後退が緩やかだった場合でも、株価は下落の可能性が高い。世界経済は2年近くに渡る引き締めの影響をまだ十分に吸収していない」といった声も出ている。

     ライドシェアリングのリフト<LYFT>が下落。内部関係者の株売却やアナリストが投資判断を「売り」に引き下げたことが嫌気されている。同社のカプラル最高会計責任者が総額28万3000ドル分を売却した。一方、アナリストはドライバーの運転経費の伸びがドライバーの利益の伸びを上回っており、同社がさらに乗車率を上げる余地は限られていると指摘。

     電気自動車(EV)のフィスカー<FSR>が大幅高。同社の主力車「オーシャンSUV」の試乗会後の販売率向上を目の当たりにし、米国と欧州で実施する試乗会の回数を増やす予定だと発表した。具体的な計画は1月に発表する。

     アラーム・ドットコム<ALRM>が上昇。同社はスマート住宅・商業施設向けに、クラウドベースの包括的ソリューションを提供する。同業のビビント・スマートホーム社との未解決訴訟をすべて解決し、長期的な知的財産ライセンス契約を締結したと発表した。

     フォートレス・バイオテック<FBIO>が大幅安。増資を発表したことが嫌気されている。ワラントが付いた普通株を1単位3.33ドルで発行。発行数は約330万単位となっている。

    リフト<LYFT> 14.99(-0.55 -3.54%)
    ボストン・サイエンティフィック<BSX> 57.81(+1.53 +2.72%)
    フィスカー<FSR> 1.75(+0.24 +15.89%)
    アラーム・ドットコム<ALRM> 64.62(+1.42 +2.25%)
    フォートレス・バイオテック<FBIO> 3.01(-0.88 -22.62%)

    アップル<AAPL> 192.53(-1.05 -0.54%)
    マイクロソフト<MSFT> 376.04(+0.76 +0.20%)
    アマゾン<AMZN> 151.94(-1.44 -0.94%)
    アルファベットC<GOOG> 140.93(-0.35 -0.25%)
    テスラ<TSLA> 248.48(-4.70 -1.86%)
    メタ・プラットフォームズ<META> 353.96(-4.36 -1.22%)
    AMD<AMD> 147.41(-1.35 -0.91%)
    エヌビディア<NVDA> 495.22(0.00 0.00%)

    MINKABU PRESS編集部 野沢卓美