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    2025年7月11日 7時40分

    株価指数先物【寄り前】 +1σが心理的な抵抗線として意識される可能性

    大阪9月限ナイトセッション
    日経225先物 39740 +100 (+0.25%)
    TOPIX先物 2822.5 +8.0 (+0.28%) 
    シカゴ日経平均先物 39705 +65
    (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

     10日の米国市場はNYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。米新規失業保険申請件数が前週比5000件減の22万7000件となり、予想(23万5000件程度)に反して減少し、約2カ月ぶりの低水準となったことが材料視された。デルタ航空<DAL>が発表した4~6月期決算が市場予想を上回り12%近く上昇した。関税政策に対する過度な警戒感が和らぎ、米景気の底堅さを示したとして、ユナイテッド航空ホールディングス<UAL>やアメリカン航空グループ<AAL>に買いが波及するなど、景気敏感株への物色が目立った。

     S&P500業種別指数は自動車・同部品、運輸、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した一方で、電気通信サービス、ソフトウエア・サービス、食品・生活必需品小売の下げが目立った。NYダウ構成銘柄では、アメリカン・エキスプレス<AXP>、マクドナルド<MCD>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、キャタピラー<CAT>が買われ、エヌビディア<NVDA>は連日で上場来高値を更新した。半面、セールスフォース<CRM>、ウォルマート<WMT>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が軟調。

     シカゴ日経平均先物清算値は大阪比65円高の3万9705円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万9680円で始まった。その後は軟化し、米国市場の取引開始直後に3万9590円まで売られる場面もみられた。ただし、売り一巡後はロング優勢の流れのなかでプラス圏を回復し、終盤にかけて3万9760円まで買われ、3万9740円でナイトセッションの取引を終えた。

     日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。昨日は上場投資信託(ETF)の分配金捻出に絡んだ換金売りが入ったため、先回り的にショートが入りやすい需給状況だったが、ピークは通過したとの見方から押し目狙いのロングが入りやすくなりそうだ。

     一方で、トランプ関税に対する不透明感から上値追いのロングは限られそうである。石破茂首相は参院選の応援演説で、日米関税交渉をめぐり妥協しない考えを強調した。参院選に勝つための発言だろうが、前日にはトランプ米大統領はブラジルからの輸入品に50%の関税を課すと発表しており、過度な強気姿勢で臨み過ぎると米側の反感を買う可能性も警戒されやすいだろう。

     日経225先物はナイトセッションで3万9500円接近での底堅さはみられるが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9840円)に上値を抑えられていた。心理的な抵抗線として意識される可能性はありそうだが、ベッセント米財務長官は19日に、大阪・関西万博の米国ナショナルデーに合わせて日本を訪問する予定である。通商交渉が行われる可能性も考えられ、ショートは控えておきたい。

     そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から3万9875円でのレンジを想定する。+1σを捉えてくるようだと、4万円の大台接近もありそうだ。

     10日の米VIX指数は15.78(9日は15.94)に低下した。前日に2月下旬以来の16.00を割り込んできており、2月半ばにつけた14.74辺りが意識される。緩やかながら下へのトレンドが継続する可能性もあるため、リスク選好に向かわせやすいだろう。

     昨日のNT倍率は先物中心限月で14.08倍に上昇した。14.07倍と前日比変わらずから始まり、その後は14.11倍まで上昇する場面もみられた。支持線として機能している200日移動平均線(14.04倍)から上放れつつある。ナスダックが連日で史上最高値を更新していることもあり、+1σ(14.08倍)を上回ってくるようだと、NTロングに振れやすくなりそうである。

    株探ニュース