2024年1月17日 15時13分
話題株ピックアップ【夕刊】(1):さくらネット、プロネクサス、レーザーテク
■さくらインターネット <3778> 4,295円 +700 円 (+19.5%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
さくらインターネット<3778>が強烈な上昇波動を形成、株価は7連騰を記録した。経済産業省からクラウド基盤の整備を目的とした「クラウドプログラム」の供給確保計画で認定を受け、生成AI開発の基盤づくりで活躍が期待されている。政府クラウドを巡っても、デジタル庁が新しい提供事業者として同社を選定したことで、株式市場でもにわかに注目度が高まった経緯がある。更に、米国株市場で生成AI関連のシンボルストックとなっている半導体大手エヌビディア<NVDA>が、データセンター向けGPUの供給でさくらネットと連携する方針を示しており、さくらネットの今後の業容拡大への期待が投資マネーを呼び込んでいる。市場では「半導体関連株に続いてAI関連株にも短期資金が流れ込んでいる。同社株はその象徴で(今の株価は)ファンダメンタルズからは説明がつきにくいが、モメンタム重視の買いに弾みがついた状態」(ネット証券マーケットアナリスト)という。直近信用倍率は1.56倍と買い長ながら取組妙味が意識され、日証金では貸借倍率0.45倍と逆日歩こそついていないものの貸株が融資を大きく上回る状況にある。
■プロネクサス <7893> 1,383円 +127 円 (+10.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
プロネクサス<7893>やTAKARA & COMPANY<7921>が急反発。きょう付の日本経済新聞朝刊で「東京証券取引所は2025年3月からプライム市場に上場する全約1600社に重要情報の英文開示を義務づける」と報じられたことを受けて、上場企業向けディスクロージャーを手掛ける両社が関連銘柄として物色されているようだ。記事によると、まず決算情報などを対象とし、日本文と英文の同時開示を求めるという。海外投資家が判断しやすい環境を整えるのが狙いとしており、両社のほか翻訳事業大手の翻訳センター<2483>、自動翻訳サービスのメタリアル<6182>なども買われた。
■レーザーテック <6920> 36,130円 +1,430 円 (+4.1%) 本日終値
レーザーテック<6920>が買い優勢。ここ上値の重い展開ながら右肩上がりの25日移動平均線に沿った底堅い動きをみせていたが、足もとで再浮上の兆しをみせている。前日の米国株市場ではアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>がバークレイズの目標株価引き上げを受け大幅高に買われたほか、エヌビディア<NVDA>など半導体主力株が高く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も上昇、終値で昨年末以来となる4100台を回復した。これを受けて東京市場でも半導体製造装置関連株全般に買いを誘導している。そのなか、売買代金で常に群を抜く同社株は個人投資家の注目度も高く、直近16日付でモルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断をオーバーウェイトで新規カバレッジしていることも買い人気を後押ししている。
■サワイGHD <4887> 5,635円 +213 円 (+3.9%) 本日終値
サワイグループホールディングス<4887>が急伸。2020年6月以来の高値圏で推移している。17日の取引開始前に、事業ポートフォリオと資本政策の見直しに関して発表。これを好感した資金が流入し、ショートカバーを誘発したようだ。同社はPBR(株価純資産倍率)がプライム市場平均に達していない状況が続いていることを踏まえ、収益力が資本コストを下回る状況にある米国事業から原則的に撤退し、収益力向上が期待できる国内ジェネリック事業への優先投資を行う方針を示した。政策投資株式の半減に向けた取り組みと旧本社・大阪工場跡地など遊休資産の売却も進める。株主還元と配当方針については、毎期の連結業績などを総合的に勘案しながら、配当性向30%をメドとする新たな方針を加えた。あわせてサワイGHDは、米国事業の持ち株会社であるSawai America Holdings(SAH)の全株式と、その傘下企業の持ち分を、SAHが80%出資するSawai America(SAL)の共同出資者である住友商事<8053>のグループ会社と、Bora Pharmaceutical Holdingsに売却すると公表した。サワイGHDは持ち分の売却代金約227億円とともに、アーンアウト条件達成時の11億円を受け取る予定。加えて57億円相当をSALが100%出資するUpsher-Smith Laboratoriesから配当または自己株式の取得により受領する。
■サイバーエージェント <4751> 909.2円 +30.5 円 (+3.5%) 本日終値
サイバーエージェント<4751>は4日ぶりに大幅反発した。SMBC日興証券が16日、サイバーの目標株価を1100円(従来は1000円)に引き上げた。スマートフォン向けゲーム「呪術廻戦 ファントムパレード」が同証券の想定よりも好調に推移していると指摘。インターネット広告の取扱高も同証券の想定を上回ると見込み、24年9月期には営業増益に転じ、中期的な増益局面に入ると予想する。投資評価は「2」で据え置いた。
■コメダホールディングス <3543> 2,826円 +69 円 (+2.5%) 本日終値
コメダホールディングス<3543>が5日ぶりに反発。岩井コスモ証券は16日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに目標株価を3200円から3300円に見直した。第3四半期累計(23年3~11月)の連結営業利益は66億1900万円(前年同期比13.9%増)で着地。FC加盟店向け卸売売上が順調に推移した。24年2月期の同利益は87億円(前期比8.4%増)が見込まれているが、第3四半期までの進捗率は76.1%と順調であり、同証券では88億円への増額修正を予想。25年2月期の同利益は95億円と今期に続く最高益更新を見込んでいる。
■森永乳業 <2264> 2,910円 +69 円 (+2.4%) 本日終値
森永乳業<2264>が反発した。同社は17日、飲料の一部商品について3月1日出荷分より価格改定を実施すると発表。値上げによる収益面へのプラス効果を期待した買いが入ったようだ。対象商品は21品目。「マウントレーニア カフェラッテ」の希望小売価格(税別)は170円から180円に引き上げる。原料や包装資材価格、エネルギーコスト、人件費、物流費の上昇を受けて価格改定に踏み切る。
■トヨタ自動車 <7203> 2,856.5円 +2 円 (+0.1%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は上値追いに弾みがつき、昨年9月20日につけた上場来高値2911円50銭を約4カ月ぶりに更新した。足もと外国為替市場では1ドル=147円台前半まで一段と円安が進行しており、同社株を筆頭に為替感応度が高い自動車株には追い風が強い。同社の24年3月期通期想定レートは1ドル=141円で実勢よりも6円以上円高で設定されており、輸出採算改善による収益押し上げ効果が期待できる状況にある。トヨタは対ドル1円の円安で営業利益が約450億円上乗せされると試算されており、期末が近いとはいえここにきての円安進行で業績上振れに対する思惑が醸成されている。
■ヤマエGHD <7130> 3,560円 -695 円 (-16.3%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
ヤマエグループホールディングス<7130>が急落。16日の取引終了後に公募増資の実施を発表した。1株利益の希薄化や株式の短期的な流動性悪化を懸念した売りが出たようだ。新たに400万株を発行する。発行価格は24日から29日までのいずれかの日に決める。需給状況に応じ上限60万株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う予定。同社は手取り概算で最大約168億円を調達し、コンフェックスホールディングスの子会社化に関する借入金の一部返済資金や、設備投資資金の一部に充当する予定。
■ホギメディカル <3593> 3,260円 -245 円 (-7.0%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
ホギメディカル<3593>は大幅続落。16日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を408億9000万円から392億円(前期比0.6%増)へ、営業利益を47億2000万円から40億4000万円(同39.1%減)へ下方修正したことが嫌気された。従来予想では事業環境が概ね回復基調に推移し、新規販売が拡大するとの前提で計画していたものの、第3四半期までの実績でキット製品の販売数量が想定を下回っていることから売上高予想を減額した。また、売り上げ不足による工場の稼働不足や円安の影響などにより、第3四半期時点で売上原価が予想を上回ったことも響くとしている。なお、第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高297億5400万円(前年同期比0.7%増)、営業利益34億8700万円(同31.1%減)だった。
株探ニュース
さくらインターネット<3778>が強烈な上昇波動を形成、株価は7連騰を記録した。経済産業省からクラウド基盤の整備を目的とした「クラウドプログラム」の供給確保計画で認定を受け、生成AI開発の基盤づくりで活躍が期待されている。政府クラウドを巡っても、デジタル庁が新しい提供事業者として同社を選定したことで、株式市場でもにわかに注目度が高まった経緯がある。更に、米国株市場で生成AI関連のシンボルストックとなっている半導体大手エヌビディア<NVDA>が、データセンター向けGPUの供給でさくらネットと連携する方針を示しており、さくらネットの今後の業容拡大への期待が投資マネーを呼び込んでいる。市場では「半導体関連株に続いてAI関連株にも短期資金が流れ込んでいる。同社株はその象徴で(今の株価は)ファンダメンタルズからは説明がつきにくいが、モメンタム重視の買いに弾みがついた状態」(ネット証券マーケットアナリスト)という。直近信用倍率は1.56倍と買い長ながら取組妙味が意識され、日証金では貸借倍率0.45倍と逆日歩こそついていないものの貸株が融資を大きく上回る状況にある。
■プロネクサス <7893> 1,383円 +127 円 (+10.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
プロネクサス<7893>やTAKARA & COMPANY<7921>が急反発。きょう付の日本経済新聞朝刊で「東京証券取引所は2025年3月からプライム市場に上場する全約1600社に重要情報の英文開示を義務づける」と報じられたことを受けて、上場企業向けディスクロージャーを手掛ける両社が関連銘柄として物色されているようだ。記事によると、まず決算情報などを対象とし、日本文と英文の同時開示を求めるという。海外投資家が判断しやすい環境を整えるのが狙いとしており、両社のほか翻訳事業大手の翻訳センター<2483>、自動翻訳サービスのメタリアル<6182>なども買われた。
■レーザーテック <6920> 36,130円 +1,430 円 (+4.1%) 本日終値
レーザーテック<6920>が買い優勢。ここ上値の重い展開ながら右肩上がりの25日移動平均線に沿った底堅い動きをみせていたが、足もとで再浮上の兆しをみせている。前日の米国株市場ではアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>がバークレイズの目標株価引き上げを受け大幅高に買われたほか、エヌビディア<NVDA>など半導体主力株が高く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も上昇、終値で昨年末以来となる4100台を回復した。これを受けて東京市場でも半導体製造装置関連株全般に買いを誘導している。そのなか、売買代金で常に群を抜く同社株は個人投資家の注目度も高く、直近16日付でモルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断をオーバーウェイトで新規カバレッジしていることも買い人気を後押ししている。
■サワイGHD <4887> 5,635円 +213 円 (+3.9%) 本日終値
サワイグループホールディングス<4887>が急伸。2020年6月以来の高値圏で推移している。17日の取引開始前に、事業ポートフォリオと資本政策の見直しに関して発表。これを好感した資金が流入し、ショートカバーを誘発したようだ。同社はPBR(株価純資産倍率)がプライム市場平均に達していない状況が続いていることを踏まえ、収益力が資本コストを下回る状況にある米国事業から原則的に撤退し、収益力向上が期待できる国内ジェネリック事業への優先投資を行う方針を示した。政策投資株式の半減に向けた取り組みと旧本社・大阪工場跡地など遊休資産の売却も進める。株主還元と配当方針については、毎期の連結業績などを総合的に勘案しながら、配当性向30%をメドとする新たな方針を加えた。あわせてサワイGHDは、米国事業の持ち株会社であるSawai America Holdings(SAH)の全株式と、その傘下企業の持ち分を、SAHが80%出資するSawai America(SAL)の共同出資者である住友商事<8053>のグループ会社と、Bora Pharmaceutical Holdingsに売却すると公表した。サワイGHDは持ち分の売却代金約227億円とともに、アーンアウト条件達成時の11億円を受け取る予定。加えて57億円相当をSALが100%出資するUpsher-Smith Laboratoriesから配当または自己株式の取得により受領する。
■サイバーエージェント <4751> 909.2円 +30.5 円 (+3.5%) 本日終値
サイバーエージェント<4751>は4日ぶりに大幅反発した。SMBC日興証券が16日、サイバーの目標株価を1100円(従来は1000円)に引き上げた。スマートフォン向けゲーム「呪術廻戦 ファントムパレード」が同証券の想定よりも好調に推移していると指摘。インターネット広告の取扱高も同証券の想定を上回ると見込み、24年9月期には営業増益に転じ、中期的な増益局面に入ると予想する。投資評価は「2」で据え置いた。
■コメダホールディングス <3543> 2,826円 +69 円 (+2.5%) 本日終値
コメダホールディングス<3543>が5日ぶりに反発。岩井コスモ証券は16日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに目標株価を3200円から3300円に見直した。第3四半期累計(23年3~11月)の連結営業利益は66億1900万円(前年同期比13.9%増)で着地。FC加盟店向け卸売売上が順調に推移した。24年2月期の同利益は87億円(前期比8.4%増)が見込まれているが、第3四半期までの進捗率は76.1%と順調であり、同証券では88億円への増額修正を予想。25年2月期の同利益は95億円と今期に続く最高益更新を見込んでいる。
■森永乳業 <2264> 2,910円 +69 円 (+2.4%) 本日終値
森永乳業<2264>が反発した。同社は17日、飲料の一部商品について3月1日出荷分より価格改定を実施すると発表。値上げによる収益面へのプラス効果を期待した買いが入ったようだ。対象商品は21品目。「マウントレーニア カフェラッテ」の希望小売価格(税別)は170円から180円に引き上げる。原料や包装資材価格、エネルギーコスト、人件費、物流費の上昇を受けて価格改定に踏み切る。
■トヨタ自動車 <7203> 2,856.5円 +2 円 (+0.1%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は上値追いに弾みがつき、昨年9月20日につけた上場来高値2911円50銭を約4カ月ぶりに更新した。足もと外国為替市場では1ドル=147円台前半まで一段と円安が進行しており、同社株を筆頭に為替感応度が高い自動車株には追い風が強い。同社の24年3月期通期想定レートは1ドル=141円で実勢よりも6円以上円高で設定されており、輸出採算改善による収益押し上げ効果が期待できる状況にある。トヨタは対ドル1円の円安で営業利益が約450億円上乗せされると試算されており、期末が近いとはいえここにきての円安進行で業績上振れに対する思惑が醸成されている。
■ヤマエGHD <7130> 3,560円 -695 円 (-16.3%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
ヤマエグループホールディングス<7130>が急落。16日の取引終了後に公募増資の実施を発表した。1株利益の希薄化や株式の短期的な流動性悪化を懸念した売りが出たようだ。新たに400万株を発行する。発行価格は24日から29日までのいずれかの日に決める。需給状況に応じ上限60万株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う予定。同社は手取り概算で最大約168億円を調達し、コンフェックスホールディングスの子会社化に関する借入金の一部返済資金や、設備投資資金の一部に充当する予定。
■ホギメディカル <3593> 3,260円 -245 円 (-7.0%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
ホギメディカル<3593>は大幅続落。16日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を408億9000万円から392億円(前期比0.6%増)へ、営業利益を47億2000万円から40億4000万円(同39.1%減)へ下方修正したことが嫌気された。従来予想では事業環境が概ね回復基調に推移し、新規販売が拡大するとの前提で計画していたものの、第3四半期までの実績でキット製品の販売数量が想定を下回っていることから売上高予想を減額した。また、売り上げ不足による工場の稼働不足や円安の影響などにより、第3四半期時点で売上原価が予想を上回ったことも響くとしている。なお、第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高297億5400万円(前年同期比0.7%増)、営業利益34億8700万円(同31.1%減)だった。
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