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    2023年12月4日 15時16分

    話題株ピックアップ【夕刊】(3):キユーピー、アース製薬、伊藤園

    ■キユーピー <2809>  2,485円  -35 円 (-1.4%)  本日終値
     キユーピー<2809>は売りに押される展開。同社は前週末1日取引終了後、うずら卵やコーンなど家庭用商品22品目の販売価格を24年3月1日から引き上げることを発表した。値上げ幅は3~24%となる見通しで、これに伴う収益採算の改善を期待した買いが入りやすいほか、外国為替市場で足もと円高方向に振れていることで原料高コスト上昇に対する警戒感も薄れている。ただ、時価予想PERは29倍前後と割高感があり、積極的に上値を買い進む動きは見られない。信用倍率が直近データで0.1倍台と大幅な売り長にあるが、同社は11月決算企業であり、目先の配当権利落ち後は動きが悪くなっている。なお、これに加え業務用の126品目の商品価格を同じく24年3月1日から値上げすることも併せて発表している。

    ■アース製薬 <4985>  4,805円  -60 円 (-1.2%)  本日終値
     アース製薬<4985>は反落。SMBC日興証券が1日付で投資評価を「1」から「2」へ、目標株価を6900円から5300円へ引き下げており、弱材料視されたようだ。23年の虫ケア用品市場は7月以降回復傾向だったが、家庭用品事業の半数の売り上げを占める入浴剤や口腔衛生商品、その他日用品の市況は軟調かつ競合環境も激しいと指摘。製品ポートフォリオの特性上、季節・天候による需要変動に左右され、短期業績のボラティリティが高くなる傾向だが、特に23年12月期は入浴剤や口腔衛生市場が軟調なうえ、その他日用品も含め競争環境が激しく、資源高や円安による原料高騰を値上げでカバーできないとみており、営業利益予想を80億円から49億円へ下方修正。24年12月期も同94億円から69億円へ見直している。

    ■伊藤園 <2593>  4,471円  -29 円 (-0.6%)  本日終値
     伊藤園<2593>が反落。前週末1日の取引終了後、第2四半期累計(5~10月)連結決算を発表し、売上高2425億2700万円(前年同期比6.7%増)、営業利益170億4600万円(同50.4%増)、純利益112億900万円(同41.5%増)と大幅増益となったが、第1四半期好決算からサプライズ感はないとの見方から材料出尽くし感が強まったようだ。緑茶ブランド「お~いお茶」シリーズで機能性表示食品を展開するなど、新商品効果もあって主力の「リーフ・ドリンク関連事業」の収益が伸長した。また、コーヒーショップの「タリーズコーヒー」など「飲食関連事業」も新商品効果や出店が寄与し好調だった。原料や資材などは上昇したが、価格改定や収益改善の取り組みが奏功し大幅増益を確保した。なお、24年4月期通期業績予想は、売上高4500億円(前期比4.2%増)、営業利益232億円(同18.4%増)、純利益147億円(同14.1%増)の従来見通しを据え置いている。

    ■コメリ <8218>  3,105円  -15 円 (-0.5%)  本日終値
     コメリ<8218>が4日続落。前週末1日の取引終了後に発表した11月度の月次売上動向で、既存店売上高が前年同月比0.6%減と4カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。中旬から下旬にかけて、全国的に気温が低下した影響を受けて暖房用品、防寒衣料などの冬物季節商品の販売が好調に推移した。また、セメント・石こうボードなどのプロ向け資材も堅調に推移したが、一方で、前年の補修需要に対して単管パイプ・波板・ガーデニング資材などの外資材関連の販売が低調に推移し、既存店売上高は前年割れとなった。なお、全店売上高は同0.2%減だった。

    ■グローバルウェイ <3936>  198円  +50 円 (+33.8%) ストップ高   本日終値
     グローバルウェイ<3936>はストップ高の198円に買われた。同社は1日、韓国企業向けに「MuleSoft並走支援サービス」の提供を開始したと発表しており、好材料視されたようだ。同社では、7月にクラウド・オンプレミス統合プラットフォームのiPaaSサービスであるMuleSoftの導入を支援する「MuleSoft並走支援サービス」を国内企業向けに提供を開始したが、韓国企業向けにチューニングした導入支援サービスを開始した。同サービスは、同社所属の韓国人エンジニアと日本人エンンジニアから構成されるチームが、韓国企業が抱える課題を細かく汲み取り反映したAPI設計・開発などを並走支援し、導入成功へ導くとしている。なお、全面的なサービス展開に先立ち、韓国におけるセールスフォースパートナーのi2max社に導入中としている。

    ■WASHハウス <6537>  350円  +80 円 (+29.6%) ストップ高   本日終値
     WASHハウス<6537>がストップ高の水準となる前営業日比80円高の350円に買われた。フランスや韓国で「トコジラミ」の大量発生が社会問題化している。日本国内においても外国人観光客数が回復するなか、防除や駆除に関する相談件数が増えていると伝わっている。トコジラミへの対策として、布団やシーツ、毛布などの場合は熱湯で洗濯を行い、高温乾燥機で乾燥させることが有効とされており、コインランドリーの利用者の拡大につながるとの思惑を持った個人投資家の資金がWASHハウ株に流入したようだ。

    ■大和コンピューター <3816>  1,350円  +300 円 (+28.6%) ストップ高   本日終値
     大和コンピューター<3816>がストップ高。同社は1日取引終了後、24年7月期第1四半期(8~10月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比88.9%増の1億8900万円となり、上半期計画2億4200万円に対する進捗率が78.1%となったことが好感されたようだ。売上高は同31.3%増の8億2300万円で着地。ソフトウェア開発関連での受注が堅調だったほか、利益面では開発費の効率化や経費の削減などに取り組んだことが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

    ■HPCシステムズ <6597>  1,927円  +251 円 (+15.0%)  本日終値
     HPCシステムズ<6597>は物色人気集中、全般地合い悪に抗して一時16%超の急騰をみせる場面があった。米長期金利低下が続くなか、外国為替市場では円高方向に振れプライム市場の主力銘柄には逆風が意識されるものの、相対的に出遅れるグロース市場の銘柄が底堅さを発揮している。そのなか、同社株は投資資金の攻勢が加速した。同社は科学技術用高性能コンピューターの開発・販売及びソリューション提供を主力展開し、次世代コンピューティング分野の中核銘柄として見直しが進んでいる。ビッグデータ解析や人工知能(AI)分野でその技術力をいかんなく発揮しており、24年6月期営業利益(単独ベース)はベトナムでの大型案件獲得などを背景に前期比約3倍となる7億5500万円と過去最高を大幅に更新する見通しだ。また、米エヌビディア<NVDA>の最上位パートナー企業でもあり、今後の展開力にも注目が集まっている。

    ■ロジザード <4391>  1,583円  +150 円 (+10.5%)  本日終値
     ロジザード<4391>が急騰。10月23日につけた年初来高値1606円を視野に入れている。倉庫の在庫管理システムをクラウドサービスで提供、アパレル向けのほか化粧品や生活雑貨、日用品などネット販売で旺盛な需要のある商材を中心に新規受注獲得が進んでいる。無線のハンディターミナルを活用した商品バーコード管理によって高精度の検品を実現、物流2024年問題への対応で合理化への取り組みが求められるなか、物流デジタルトランスフォーメーション(DX)の担い手として活躍余地が広がっている。業績も急回復歩調にあり、足もとのグロース株見直し機運に乗って、株高修正余地が意識されている。

    ■ヘッドウォータース <4011>  9,570円  +850 円 (+9.8%)  本日終値
     ヘッドウォータース<4011>が急動意。日経平均が大きく売り込まれる一方、これまで出遅れていたグロース市場の銘柄が相対的な強さを発揮している。そのなか、足もと戻り歩調となっている同社株にも物色の矛先が向いている。企業の経営課題を解決するAIソリューション事業を主力に、保守・運用もワンストップで手掛ける。日本マイクロソフトとのアライアンス戦略による業容拡大効果も同社の成長期待につながっている。新興企業の成長力の目安となるトップラインの拡大が最大の見どころで、23年12月期は売上高が前期比47%増の23億2000万円と過去最高を大幅に更新する見通し。24年12月期も今期並みの高い伸び率が見込まれている。

    ●ストップ高銘柄
     セレス <3696>  1,068円  +150 円 (+16.3%) ストップ高   本日終値
     日本PCサービス <6025>  1,080円  +150 円 (+16.1%) ストップ高   本日終値
     など、6銘柄

    ●ストップ安銘柄
     なし


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