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    2025年8月29日 16時00分

    利下げ可能性の示唆、オフプライス小売、ヒト型ロボット【フィリップ証券】

     パウエル米FRB(連邦準備理事会)議長は8/22、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」の講演で、短期的に物価上昇と雇用減速のリスクが高まっていることを指摘した。政策金利が引き締め的な水準にあることから「政策スタンスの調整を正当化する可能性がある」との発言が利下げの可能性を示唆したと受け止められ、株式市場は大きく値上がりした。米長期金利低下、米ドル安のほか、金利変動の影響を受けやすい中小型株で構成されるラッセル2000指数、およびレナー<LEN>やDRホートン<DHI>のような住宅建設株の上昇が顕著となった。

     ラッセル2000は、昨年11月も米大統領選でトランプ大統領が当選したことを受けて、規制緩和に伴う中小企業への銀行貸出増加見通しから、他の指数をアウトパフォームしていた。次回のFOMC(連邦公開市場委員会)は9/16-17に実施されるが、金融にとどまらず様々な分野でトランプ政権による規制緩和が進んでおり、昨年11月に類似した米国株市場の展開が想定される。

     その一方、関税コストが企業収益へ悪影響を広げている。米小売最大手ウォルマート<WMT>が8/21に発表した5-7月期決算は、前年同期比で4.8%増収だった一方、営業利益が8.2%減だった。企業規模を生かした低価格で他店から顧客を奪い集客は好調だったものの、それでも関税コストを吸収できないことが示された。これから決算が発表される競合他社はその煽りを受けて売上面で影響が出ることで、減益幅が一層拡大する懸念がある。

     そのような中、注目されるのが「オフプライス小売」の事業モデルである。オフプライスストアでのショッピングは、高品質なブランド商品を最低価格で探し出す喜びが得られることから、「宝探しショッピング」と呼ばれる。Eコマースではなく、実店舗で購入する楽しみが大きい点が特徴だ。アパレルとホームファッションのオフプライス小売業者であるTJX<TJX>は、ウォルマートとは対照的に利益率を改善させている。消費環境が悪化するほど、オフプライス業者が余剰在庫を抱えるブランドから商品を有利に購入できる機会は拡大すると見込まれる。

     8/27の取引終了後に決算発表を予定しているエヌビディア<NVDA>は、3月の年次開発者会議「GTC」で「ヒト型ロボット」の新技術を公開していた。物を掴んだり運んだりできるロボット向け基盤モデルで、ロボット開発企業向けに無償公開するとしていた「アイザック・グルート」の開発の状況も注目される。景気回復局面の初期では工場自動化や制御システムなど産業分野向け設備投資が伸びやすい。ヒト型ロボットの開発が加わることで、産業分野に強い企業への追い風が加速する可能性がある。ヒト型ロボットの開発において設計や統合を担う有力な米国企業としては、「Optimus」を開発するテスラ<TSLA>が挙げられる。


    ■ユナイテッドヘルス・グループ~バークシャー・ハサウェイが2Qに新規投資

     米医療保険サービス大手ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>の株価は4/11高値から8/1安値まで約61%下落。その後、著名投資家バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが4-6月に同社株を取得したことが報じられ、株価が一時上昇。

     株価下落要因としては、高齢者向け公的医療保険メディケアの不正請求疑惑に関する刑事捜査が行われていると報じられたことだけではなく、同社が強みを持つメディケア・アドバンテージ(MA)事業で医療費率上昇に伴う業績悪化などが挙げられる。さらに、トランプ政権のヘルスケア政策も歳出削減や規制強化に重点が置かれ、同社へ逆風となっている。それでも、米ヘルスケア保険市場最大手の同社は、米国の高齢化に伴うメディケア加入者数増加の追い風が見込まれる。


    【タイトル】


    参考銘柄


    アナログ・デバイセズ<ADI> 市場:NASDAQ・・・2025/11/26に2025/10期4Q(8-10月)の決算発表を予定

    ・1965年設立の半導体メーカー。産業、自動車、通信、消費者向け家電の4市場に実世界のアナログ信号をデジタルデータへ、デジタルデータをアナログ信号へ変換するコンバータ製品を提供。

    ・8/20発表の2025/10期3Q(5-7月)は、売上高が前年同期比24.6%増の28.80億USD(会社予想26.5-28.5億USD)、非GAAPの調整後EPSが同29.7%増の2.05USD(同1.82-2.02USD)。調整後粗利益率が6.3ポイント上昇の61.0%。産業(売上比率45%)が23%増収、自動車(同30%)が22%増収。

    ・2025/10期4Q(8-10月)会社計画は、売上高が前年同期比19-27%増の29-31億USD、調整後EPSが同27-39%増の2.12-2.32USD。産業分野は、オートメーション、センシング、制御システム向けの高性能アナログ半導体ソリューションの需要が拡大。ヒト型ロボットではテスラ<TSLA>が「Optimus」の開発を進めるほか、エヌビディア<NVDA>も同分野に注力。同社の産業分野における成長が見込まれる。


    キーサイト・テクノロジーズ<KEYS> 市場:NYSE・・・2025/11/19に2025/10期4Q(8-10月)の決算発表を予定

    ・ヒューレット・パッカードから独立したアジレント・テクノロジー<A>の電子計測事業を継承して2014年に設立。無線通信、航空・宇宙・防衛、半導体の各市場向けに電子計測プラットフォームを提供。

    ・8/19発表の2025/10期3Q(5-7月)は、売上高が前年同期比7.3%増の13.40億USD(会社予想13.05-13.25億USD)、非GAAPの調整後EPSが同9.6%増の1.72USD(同1.63-1.69USD)。売上比率70%の通信ソリューションは、AIデータセンターネットワーク向け新製品の拡大を受けて11%増収。

    ・2025/10期4Q(8-10月)会社計画は、売上高が前年同期比6-8%増の13.7-13.9億USD、調整後EPSが同8-12%増の1.79-1.85USD。通信ソリューション事業は、無線通信や航空宇宙・防衛分野での需要が堅調で、特に5Gや次世代通信技術(6G)の開発需要が寄与。AIインフラに関するデータセンターや高速通信のテスト需要も増加。世界100ヵ国以上、幅広い業種にまたがる顧客基盤も強み。


    パロアルト・ネットワークス<PANW> 市場:NASDAQ・・・2025/11/20に2026/7期1Q(8-10月)の決算発表を予定

    ・2005年設立のネットワークに関するセキュリティサービス企業。企業やサービスプロバイダー、政府機関を対象にサイバー攻撃による侵入防止のためのセキュリティ・プラットフォームを提供する。

    ・8/18発表の2025/7期4Q(5-7月)は、売上高が前年同期比15.8%増の25.36億USD(会社計画24.9-25.1億USD)、非GAAPの調整後EPSは同26.7%増の0.95USD(同0.87-0.89USD)。次世代セキュリティ基盤サービスのARR(年当たり経常収益)が32%増の56億USD(同55.2-55.7億USD)と堅調に推移。

    ・2026/7通期会社計画は、売上高が前期比約14%増の104.75-105.25億USD、調整後EPSが同12-15%増が3.75-3.85USD、次世代セキュリティ基盤サービスのARRが同約26-27%増の70-71億USD。同社は7月、イスラエルのサイバーアーク<CYBR>を約250億USDで買収することに合意。組織内でアクセス権限を付与すべき対象者を判断するのに役立つIDセキュリティーツールを獲得する見通し。


    パランティア・テクノロジーズ<PLTR> 市場:NASDAQ・・・2025/11/4に2025/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定

    ・ペイパルの共同創業者で起業家のピーター・ティール氏らが2003年に設立。ビッグデータ解析プラットフォームを開発・提供。米諜報機関が対テロ分析で活用するほか、ヘッジファンドも利用する。

    ・8/4発表の2025/12期2Q(4-6月)は、売上高が前年同期比48.0%増の10.03億USD(会社予想9.34-9.38億USD)、非GAAPの調整後営業利益が同83.1%増の4.64億USD(同4.01-4.05億USD)。米国民間商業向け売上高が93%増の3.06億USD、米国政府機関向け売上高が53%増の4.26億USD。

    ・通期会社計画を上方修正。売上高を前期比約45%増の41.42-41.50億USD、調整後営業利益を同69-70%増の19.12-19.20億USDとした。同社は技術者を客先に派遣して顧客の課題解決に伴走する販売手法から、契約が高単価で解約されにくい。米陸軍は同社と今後10年間で最大100億USDのソフト調達契約を締結した模様。契約を同社に一本化し費用削減と効率化の両立を見込んでいる。


    TJX<TJX> 市場:NYSE・・・2025/11/19に2026/1期3Q(8-10月)の決算発表を予定

    ・1945年設立。ブランドの売れ残り商品を安価で買い取り、低価格で再販売する「オフプライス・ストア」を運営するアパレル・ホームファッションの大手小売企業。「T.J.Maxx」、「Marshalls」などを展開。

    ・8/20発表の2026/1期2Q(5-7月)は、売上高が前年同期比6.9%増の144.01億USD、EPSが同14.6%増の1.10USD(会社予想0.94-1.00USD)。消費者の低価格志向を追い風に、既存店売上高が5%増(同2-3%増)、税引き前利益率が0.5ポイント上昇の11.4%(同10.4-10.5%)と堅調に推移。

    ・通期会社計画を上方修正。既存店売上高を前期比3%増(従来計画2-3%増)、税引き前利益率を同横ばいから0.1ポイント低下の11.4-11.5%(同11.3-11.4%)、EPSを同6-7%増の4.52-4.57USD(同4.34-4.43USD)とした。米小売り最大手ウォルマート<WMT>が8/21に発表した決算は関税コストを吸収できず減益。一方、TJXは関税コストを吸収しつつ、出店を拡大し、利益率が改善している。


    執筆日:2025年8月25日


    フィリップ証券
    フィリップ証券 リサーチ部 笹木和弘
    (公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト)

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    フィリップ証券より提供されたレポートを掲載しています。


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