2026年8月26日 17時30分
明日の株式相場に向けて=「エヌビディア決算後」次の一手は
きょう(26日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比405円高の6万6262円と続伸。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数いずれも上昇したほか、エヌビディア<NVDA>をはじめ半導体セクターも総じて強く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も反発した。ただ、気迷いムードは拭えず、この流れが東京市場に伝播する形で、朝方に日経平均はマイナス圏でスタートした。何はともあれ、日本時間あすの早朝に開示されるエヌビディアの26年5~7月期決算を見ないことには、次の一手が打てないという風情である。
とはいえ、ひと頃と比べればマーケットのエヌビディア決算というビッグイベントに対する傾倒の度合いはやや弱まっているということはいえそうだ。AI・半導体関連は波乱含みの下げ局面からは立ち直った感はあるものの、今なお一極集中相場の反省が投資家の脳裏に焼き付いている。エヌビディア祭りに参戦しないという投資家もおそらく以前よりは多くなっているはずである。市場関係者によると「エヌビディアの決算通過後の株価の変動幅はオプション建玉などから類推すると上下にそれぞれ5%程度の振れが予想されている」(ネット証券マーケットアナリスト)という。決して小さくはないが、かつての激しい乱高下を思えばだいぶボラティリティが低下した印象がある。
業績内容は8~10月期のガイダンスも含め、コンセンサスの中央値は確実に上回ってきそうだが、「近年は最も強い予想数値を示したアナリストを超えるような完全無欠を求めるようなムードもあり、これはエヌビディアにとっては不利な戦い」(生保系アナリスト)という声もある。ただし、エヌビディアの株価は前日こそ上昇したが、8月第2週末(14日)から今週明け(24日)までの7営業日続落していた。いわば株価のハードルの方は事前にかなり下げられているため、これを考慮すると決算後の株価のベクトルが上下どちらに向かうかはいい勝負といえるかもしれない。ちなみに、直近10回の決算発表(10四半期)後の株価動向は上昇4回、下落6回で4勝6敗となっている。気になるデータとして、直近4四半期は4連敗で、つまりここ1年間決算イベントでは勝ちに恵まれていないことになる。
さて、エヌビディア決算を通過後、 AI・ 半導体関連が復活の号砲を鳴らすのかどうかは置くとして、現状はAI周辺から離れたところで投資資金を引き寄せるケースも増えてきた。振り返って8月は海運株がハイパフォーマンスを見せたが、金市況など貴金属市況の上昇も含めコモディティ関連が相対的優位なポジションを確保した。BGMに流れているのは「インフレ警戒狂騒曲」である。そして、その延長線上で政治的思惑をはらんだ中国のレアアース輸出規制がホットマネーの琴線に触れた。中国から日本へのレアアース磁石の輸出量が7月は前年同月比52%減と激しく減少し、高市政権としては、黙って放置しているわけには行かない状況となっている。こうした事情が休養十分のレアアース関連に火をつけ、“確変モード”で株価を切り上げる銘柄が多くなっている。
アサカ理研<5724>がきょうは終盤利食われ値を消したが、ここまで想定を超える腰の強さを発揮して相場に発展させた。そしてこの流れは他の銘柄にも波及しており、例えば、鉛だけでなくレアメタルのリサイクル(回収事業)に力を注ぎ始めた東邦亜鉛<5707>が上値指向を際立たせている。群馬県の安中製錬所の既存設備を活用した、リサイクル原料から有価金属を回収する事業が経営再建の一翼を担う。同社は非鉄セクターの中でどちらかと言えば地味な存在だが、出来高流動性に富んでおり、週足をみると直近まで6陽連と上値指向が強い。中期スタンス実需の買いが続いていることを物語る足だ。このほか、目先上昇一服局面にあるアルコニックス<3036>などもチェックしておきたい。非鉄商社でレアメタルに強く今の相場の流れに乗りやすいが、一方で表面実装機(チップマウンター)部品を取り扱っており、データセンター関連として取り上げられることも多い。業績は絶好調で、特に近年は利益率の伸びが著しく、27年3月期は営業5割増益で過去最高を更新する見込み。
またレアアース関連では、週初にも取り上げたが中村超硬<6166>が仕手系材料株特有のウネリを伴って上値を慕っている。同社のナノサイズゼオライトはレアアース・フリー蛍光体としての活用のほか、触媒用途としてレアアース代替候補にも挙がる。更にレアアース回収時の吸着剤への利用も見込まれている。そして、とりわけマーケットで重視されているのは「吸着・回収」の観点だ。同社は芝浦工業大学と希薄なレアアースイオンの回収技術に関する共同研究をスタートさせ、これは高市政権が青写真に描く国産レアアース確保の国策と共鳴する。また、レアアース関連の大型株ではDOWAホールディングス<5714>が動兆しきり、出遅れている大同特殊鋼<5471>なども4~6月期の業績変化率は申し分なく、折に触れ投資マネーが食指を動かす場面がありそうだ。
あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に発表される。沖縄県知事選の告示(投開票は9月13日)が行われる。このほか「TOKYOおもちゃショー2026」が8月30日までの日程で東京ビッグサイトにて開催。また、この日は日銀の氷見野良三副総裁が埼玉県金融経済懇談会で挨拶を行い、その後に記者会見が予定されている。海外では韓国中銀が金融通貨委員会を開催、フィリピン中銀も政策金利を発表する。米カンザスシティー連銀の主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が29日までの日程で行われる。このほか、米7年国債の入札が行われる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
とはいえ、ひと頃と比べればマーケットのエヌビディア決算というビッグイベントに対する傾倒の度合いはやや弱まっているということはいえそうだ。AI・半導体関連は波乱含みの下げ局面からは立ち直った感はあるものの、今なお一極集中相場の反省が投資家の脳裏に焼き付いている。エヌビディア祭りに参戦しないという投資家もおそらく以前よりは多くなっているはずである。市場関係者によると「エヌビディアの決算通過後の株価の変動幅はオプション建玉などから類推すると上下にそれぞれ5%程度の振れが予想されている」(ネット証券マーケットアナリスト)という。決して小さくはないが、かつての激しい乱高下を思えばだいぶボラティリティが低下した印象がある。
業績内容は8~10月期のガイダンスも含め、コンセンサスの中央値は確実に上回ってきそうだが、「近年は最も強い予想数値を示したアナリストを超えるような完全無欠を求めるようなムードもあり、これはエヌビディアにとっては不利な戦い」(生保系アナリスト)という声もある。ただし、エヌビディアの株価は前日こそ上昇したが、8月第2週末(14日)から今週明け(24日)までの7営業日続落していた。いわば株価のハードルの方は事前にかなり下げられているため、これを考慮すると決算後の株価のベクトルが上下どちらに向かうかはいい勝負といえるかもしれない。ちなみに、直近10回の決算発表(10四半期)後の株価動向は上昇4回、下落6回で4勝6敗となっている。気になるデータとして、直近4四半期は4連敗で、つまりここ1年間決算イベントでは勝ちに恵まれていないことになる。
さて、エヌビディア決算を通過後、 AI・ 半導体関連が復活の号砲を鳴らすのかどうかは置くとして、現状はAI周辺から離れたところで投資資金を引き寄せるケースも増えてきた。振り返って8月は海運株がハイパフォーマンスを見せたが、金市況など貴金属市況の上昇も含めコモディティ関連が相対的優位なポジションを確保した。BGMに流れているのは「インフレ警戒狂騒曲」である。そして、その延長線上で政治的思惑をはらんだ中国のレアアース輸出規制がホットマネーの琴線に触れた。中国から日本へのレアアース磁石の輸出量が7月は前年同月比52%減と激しく減少し、高市政権としては、黙って放置しているわけには行かない状況となっている。こうした事情が休養十分のレアアース関連に火をつけ、“確変モード”で株価を切り上げる銘柄が多くなっている。
アサカ理研<5724>がきょうは終盤利食われ値を消したが、ここまで想定を超える腰の強さを発揮して相場に発展させた。そしてこの流れは他の銘柄にも波及しており、例えば、鉛だけでなくレアメタルのリサイクル(回収事業)に力を注ぎ始めた東邦亜鉛<5707>が上値指向を際立たせている。群馬県の安中製錬所の既存設備を活用した、リサイクル原料から有価金属を回収する事業が経営再建の一翼を担う。同社は非鉄セクターの中でどちらかと言えば地味な存在だが、出来高流動性に富んでおり、週足をみると直近まで6陽連と上値指向が強い。中期スタンス実需の買いが続いていることを物語る足だ。このほか、目先上昇一服局面にあるアルコニックス<3036>などもチェックしておきたい。非鉄商社でレアメタルに強く今の相場の流れに乗りやすいが、一方で表面実装機(チップマウンター)部品を取り扱っており、データセンター関連として取り上げられることも多い。業績は絶好調で、特に近年は利益率の伸びが著しく、27年3月期は営業5割増益で過去最高を更新する見込み。
またレアアース関連では、週初にも取り上げたが中村超硬<6166>が仕手系材料株特有のウネリを伴って上値を慕っている。同社のナノサイズゼオライトはレアアース・フリー蛍光体としての活用のほか、触媒用途としてレアアース代替候補にも挙がる。更にレアアース回収時の吸着剤への利用も見込まれている。そして、とりわけマーケットで重視されているのは「吸着・回収」の観点だ。同社は芝浦工業大学と希薄なレアアースイオンの回収技術に関する共同研究をスタートさせ、これは高市政権が青写真に描く国産レアアース確保の国策と共鳴する。また、レアアース関連の大型株ではDOWAホールディングス<5714>が動兆しきり、出遅れている大同特殊鋼<5471>なども4~6月期の業績変化率は申し分なく、折に触れ投資マネーが食指を動かす場面がありそうだ。
あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に発表される。沖縄県知事選の告示(投開票は9月13日)が行われる。このほか「TOKYOおもちゃショー2026」が8月30日までの日程で東京ビッグサイトにて開催。また、この日は日銀の氷見野良三副総裁が埼玉県金融経済懇談会で挨拶を行い、その後に記者会見が予定されている。海外では韓国中銀が金融通貨委員会を開催、フィリピン中銀も政策金利を発表する。米カンザスシティー連銀の主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が29日までの日程で行われる。このほか、米7年国債の入札が行われる。(銀)
出所:MINKABU PRESS