2026年7月27日 17時30分
明日の株式相場に向けて=インフレで躍る本当の主役銘柄とは
週明け27日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比320円高の6万4931円と反発。きょうは下げ止まったとはいえ、相変わらず日経平均は面妖な値動きであった。キオクシアホールディングス<285A>を筆頭とする売買代金上位銘柄を見ると、上位10傑までで値を下げているものが6銘柄を占めた。ここだけ切り取れば6割が下落していることになり、これが足もとの東京市場の体感温度と言うべきかもしれない。しかし、プライム市場全体を俯瞰すれば全く様相は異なる。値上がり銘柄数が1400弱に達し、何と9割の銘柄が上昇するという全面高と形容すべき商状である。AI・半導体関連が商い(売買代金)の中心であることに変わりはないが、投資資金は確実に「その他の銘柄群」を選好していることが分かる。なお、TOPIXは1.4%弱の上昇でほぼ高値引けであった。その背景は改めて中東情勢における有事リスクの後退を材料視したという。いい加減この日替わりのニュースフローに振り回されているという認識は捨てるべきだが、それ以外に理由付けが見当たらないというのが実情だ。ともあれ、物色対象の一極集中が是正され始めたという今の流れは、多くの投資家にとってはポジティブに捉えてよい傾向である。
これまで日経平均の上昇を白けた面持ちで眺めていた投資家は少なくないはずだ。それは自らの持ち株が株高メリットを享受していないからにほかならない。一部の投資家の熱狂とその後に訪れたパニックは4月上旬から7月下旬にかけて起こった特異な現象であったといえる。だが「持たざる恐怖」が喧伝され、それに乗った投資家が静かに外されたハシゴに気付きはじめ、「持ち続ける恐怖」へと変質するまでにそれほど時間はかからなかった。売買代金で市場全体の4分の1以上をこなしてきたモメンタム・モンスター、キオクシアがその象徴だ。米ベインキャピタルがものの見事に高値で売り抜け約2.5兆円もの売却益をあげたという事実、これは衝撃的だがありがちな話ではある。マーケットには常に裏がある。大口は常に喧騒の中で幕を引く。
AI・半導体株指数と化した日経平均は4月上旬に75日移動平均線から大きく上放れたが、6月下旬から風景は様変わりし、そこから1カ月あまりで同移動平均線に同期する形でひたすら下値を探り続けた。問題は日経平均が75日線との上方カイ離を霧消させたことで売り一巡となるのか、ここから一段と下値を試す展開を強いられるのか。前者ならAI半導体関連の戻り相場に再び活が入ることになるし、後者ならそれ以外のバリューシフトの動きを底流としたスタイルローテーションが定着することになる。
今週は海外ではSKハイニックス<SKHY>のほか、マイクロソフト<MSFT>、メタ・プラットフォームズ<META>、クアルコム<QCOM>、アップル<AAPL>、アマゾン<AMZN>といった米ビッグテックの決算発表に耳目が集まる。国内でも企業の決算発表が本格化していくことになるが、焦らずともその決算内容と株価の反応を見極めてからでも十分に間に合う。最注目はやはり週末31日のキオクシアの決算発表であり、こちらに関してはもはや内容を吟味して評価云々というのではなく、この決算発表イベントを境に同社株が需給面でアク抜けできるのかどうか、AI・半導体というテーマの復活を占ううえでは、この一点に尽きる。
また、今週は日米で金融政策決定会合が行われる。FRBも日銀も金融政策の現状維持が極めて濃厚と思われるが、どちらもタカ派色を前面に押し出す算段を立てるであろう。中間選挙を控え、トランプ米大統領は何とか中東情勢を沈静化させたいが、本当の敵はインフレ圧力である。そして、日本はインフレ懸念が更に重くのしかかっている。言うまでもなく為替市場での円安進行はブレーキの壊れた機関車のごとく、国民の生活にダメージを及ぼす。直近の世論調査で高市早苗政権の支持率急落が報じられているが、60歳以上のシニア層の“高市離れ”が目立つ。これは四書のひとつである孟子の言を引けば「恒産なくして恒心なし」、つまり安定した生活基盤が失われる危機を感じれば人心は乱れ、結果として政権も瓦解してしまうという警句の典型となりかねない。
そうしたなか、意外にも内需企業を見渡すと消費関連株の強さが際立っていることに気付かされる。インフレの波に乗れる業態という認識がマーケットに浸透している。2月・8月決算企業などが多く、ここからの決算イベントに振り回されにくいというアドバンテージも働く。そして、実際に好調決算が目白押しであることが大きい。注目しておきたい銘柄をいくつか挙げると、TOKYO BASE<3415>、ドトール・日レスホールディングス<3087>、ビックカメラ<3048>、コジマ<7513>、エービーシー・マート<2670>、ダイドーグループホールディングス<2590>、コメダホールディングス<3543>、ブロンコビリー<3091>などが好チャートを形成している。
あすのスケジュールでは、後場取引時間中に消費者物価のコア指標が日銀から公表される。また、引け後に日本取引所グループ<8697>の山道CEOの記者会見が予定されている。個別企業の決算発表では、シマノ<7309>、さくらインターネット<3778>、キーエンス<6861>、SCREENホールディングス<7735>、カプコン<9697>などがある。海外では、5月のS&Pコタリティ・ケース・シラー住宅価格指数、7月の米消費者信頼感指数など。また、米7年国債の入札も行われる。米主要企業の決算ではボーイング<BA>、コカコーラ<KO>などにマーケットの関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
これまで日経平均の上昇を白けた面持ちで眺めていた投資家は少なくないはずだ。それは自らの持ち株が株高メリットを享受していないからにほかならない。一部の投資家の熱狂とその後に訪れたパニックは4月上旬から7月下旬にかけて起こった特異な現象であったといえる。だが「持たざる恐怖」が喧伝され、それに乗った投資家が静かに外されたハシゴに気付きはじめ、「持ち続ける恐怖」へと変質するまでにそれほど時間はかからなかった。売買代金で市場全体の4分の1以上をこなしてきたモメンタム・モンスター、キオクシアがその象徴だ。米ベインキャピタルがものの見事に高値で売り抜け約2.5兆円もの売却益をあげたという事実、これは衝撃的だがありがちな話ではある。マーケットには常に裏がある。大口は常に喧騒の中で幕を引く。
AI・半導体株指数と化した日経平均は4月上旬に75日移動平均線から大きく上放れたが、6月下旬から風景は様変わりし、そこから1カ月あまりで同移動平均線に同期する形でひたすら下値を探り続けた。問題は日経平均が75日線との上方カイ離を霧消させたことで売り一巡となるのか、ここから一段と下値を試す展開を強いられるのか。前者ならAI半導体関連の戻り相場に再び活が入ることになるし、後者ならそれ以外のバリューシフトの動きを底流としたスタイルローテーションが定着することになる。
今週は海外ではSKハイニックス<SKHY>のほか、マイクロソフト<MSFT>、メタ・プラットフォームズ<META>、クアルコム<QCOM>、アップル<AAPL>、アマゾン<AMZN>といった米ビッグテックの決算発表に耳目が集まる。国内でも企業の決算発表が本格化していくことになるが、焦らずともその決算内容と株価の反応を見極めてからでも十分に間に合う。最注目はやはり週末31日のキオクシアの決算発表であり、こちらに関してはもはや内容を吟味して評価云々というのではなく、この決算発表イベントを境に同社株が需給面でアク抜けできるのかどうか、AI・半導体というテーマの復活を占ううえでは、この一点に尽きる。
また、今週は日米で金融政策決定会合が行われる。FRBも日銀も金融政策の現状維持が極めて濃厚と思われるが、どちらもタカ派色を前面に押し出す算段を立てるであろう。中間選挙を控え、トランプ米大統領は何とか中東情勢を沈静化させたいが、本当の敵はインフレ圧力である。そして、日本はインフレ懸念が更に重くのしかかっている。言うまでもなく為替市場での円安進行はブレーキの壊れた機関車のごとく、国民の生活にダメージを及ぼす。直近の世論調査で高市早苗政権の支持率急落が報じられているが、60歳以上のシニア層の“高市離れ”が目立つ。これは四書のひとつである孟子の言を引けば「恒産なくして恒心なし」、つまり安定した生活基盤が失われる危機を感じれば人心は乱れ、結果として政権も瓦解してしまうという警句の典型となりかねない。
そうしたなか、意外にも内需企業を見渡すと消費関連株の強さが際立っていることに気付かされる。インフレの波に乗れる業態という認識がマーケットに浸透している。2月・8月決算企業などが多く、ここからの決算イベントに振り回されにくいというアドバンテージも働く。そして、実際に好調決算が目白押しであることが大きい。注目しておきたい銘柄をいくつか挙げると、TOKYO BASE<3415>、ドトール・日レスホールディングス<3087>、ビックカメラ<3048>、コジマ<7513>、エービーシー・マート<2670>、ダイドーグループホールディングス<2590>、コメダホールディングス<3543>、ブロンコビリー<3091>などが好チャートを形成している。
あすのスケジュールでは、後場取引時間中に消費者物価のコア指標が日銀から公表される。また、引け後に日本取引所グループ<8697>の山道CEOの記者会見が予定されている。個別企業の決算発表では、シマノ<7309>、さくらインターネット<3778>、キーエンス<6861>、SCREENホールディングス<7735>、カプコン<9697>などがある。海外では、5月のS&Pコタリティ・ケース・シラー住宅価格指数、7月の米消費者信頼感指数など。また、米7年国債の入札も行われる。米主要企業の決算ではボーイング<BA>、コカコーラ<KO>などにマーケットの関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS