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    2026年7月19日 9時15分

    【杉村富生の短期相場観測】 ─キオクシア、スペースXの急落に思う!

    「キオクシア、スペースXの急落に思う!」

    ●ジャッジメンタル・アプローチの重要性!

     ベテラン投資家の皆さんにとっては釈迦に説法の類いだろうが、株価分析の手法にはファンダメンタルズ・アプローチ、テクニカル・アプローチ、ジャッジメンタル・アプローチなどがある。通常はこれらを組み合わせて使う。筆者が重視しているジャッジメンタル・アプローチとは世相、マーケットの話題をベースに、株価を判定する。

     6月12日に、NASDAQ市場に上場したスペースX<SPCX>は公開価格135ドルに対し、16日に225.64ドルの高値をつけたものの、その後は急落した。人気を集めたのはわずか立会日数3日間だけ。7月16日の終値は131.11ドルだ。公開価格を割り込んでいる。ウォール街では「3日天下」と称されている。

     まあ、アメリカに明智光秀に類する故事があるのかどうかは知らないが、世相的にはイーロン・マスク氏が初の「トリリオネア(資産1兆ドル超の兆万長者)」として話題になったのは事実である。そのトリリオネアは3日で消えた。アメリカン・ドリームの国でさえ、兆万長者は賞賛されなかったようだ。この背景にはイーロン・マスク氏が政治的に動きすぎる点があろう。

     次はキオクシアホールディングス <285A> [東証P]だ。6月22日には11万2700円の上場来高値をつけた(終値は10万8700円)。この時点の時価総額は59.4兆円(終値ベース)と激増し、東証プライム市場の時価総額ランキングのトップに躍進、「これぞッ時代の流れ」と叫ばれたものだ。しかし、絶頂期は短い。その後は一転し、急落である。

     7月17日にはストップ安の5万2110円まで売り込まれた。AI(人工知能)半導体データセンター関連セクターの本命的な存在なのに、「なぜ、こんなに下げるのか?」との反応は多くの投資家に共通している、と思う。まして、一部アナリスト予想のPER(株価収益率)は7倍台だ。しかし、高値比の下落率は53.7%に達する。クラッシュ(崩壊)に近い。時価総額はおよそ30兆円が吹っ飛んだ勘定になる。

    ●メガバンクの出番が到来するぞッ!

     これが相場の恐ろしさだろう。特に、昨今の投資家は個人、機関投資家を含め、順張りが基本だ。それに、AIを駆使し、システム売買、インデックス運用が主力となっている。ファンドマネージャーはマシンである。彼らは機械的に売買を行う。キオクシアの場合、ファンダメンタルズは良好だし、チャート的には売られ過ぎだろう。ただし、アメリカでの特許侵害裁判の敗訴のダメージは消化難である。

     日経平均株価はアドバンテスト <6857> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]の寄与度の大きい3銘柄次第の展開になろう。人気面では引き続いて、キオクシアの動向が鍵を握っている。こういった状況下、時価総額ランキングでは メガバンクが健闘している。

     すなわち、上位11位までに三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]が揃って入っている。日銀は政策金利2.0%(現在1.0%)を目指し、利上げを急いでいる。金融の正常化だ。これは銀行の利ザヤを拡大させる。

     半面、現状の毎四半期ごとの2000億円の国債買い入れの減額を2027年4月に停止する。逆に、月額2兆円程度の買い入れを行う。金融引き締め(利上げ)と矛盾する施策だが、これには長期金利の上昇を抑える狙いがあろう。世界最大の年金基金GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)には日本株の組み入れウェート(現在は23.81%)のアップ、日本国債の買い入れを要請している、という。

    2026年7月17日 記

    株探ニュース