2026年7月1日 17時30分
明日の株式相場に向けて=半導体ウエハー争奪戦と商社株の活躍余地
名実ともに7月相場入りとなった1日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比412円高の7万0474円と続伸。前日に日経平均は590円あまり上昇していたので、2営業日でほぼ1000円水準切り上げたわけだが、今一つリスク選好ムードに乗り切れない。前日ときょうは同じような値運びで方向感が定まらず、右往左往したあげく何とか帳尻を合わせたという感じであった。以前のように先物主導の上昇トレンド一本鎗で高値引けというような、トレンドフォロー型のAIアルゴリズム売買は鳴りを潜めているが、そのかわりに不自然なくらい揺れる相場である。
ニュースフローなしに売り買いのスイッチが微妙なタイミングで入れ替わる正体は何か。ここ最近になって、アジア時間の半導体セクター全体の流れを決めているのが台湾でも日本でもなく韓国KOSPIであるということは確信に近いものがある。KOSPIは日々の5分足チャートを見ると明らかだが、ベクトルの向きがジグザグ状態で上下動のレンジも大きい。これに日経平均をリンクさせた売買が行われている感が強いのだ。ちなみに台湾市場は別枠といえる。東京市場では過去にもドル・円相場や長期金利の動向、あるいはナスダック指数の値動き(時間外取引含む)などに日経平均が紐でつながれたように振り回されるケースが何度もあったが、最近はKOSPIに結び付けられている印象が強い。例えば、きょうのKOSPIの5分足を見ると、朝方高く始まった後にほぼ一貫して下値を掘り続け、午前11時過ぎを境に戻りに転じた。その後は戻り半分で頭打ちとなり、後場寄り後と午後2時頃にそれぞれ高値をつけ、ダブルトップを形成した。日経平均も朝高後に急速に値を消し午前11時頃を境に下げ止まりリバウンド局面に移行。後場はジリジリと水準を切り上げたが上値は重く、後場の戻り高値は朝方につけた高値からみてほぼ3分の1戻しにとどまっている。株価はKOSPIが2%安で日経平均が0.6%高と明暗を分けたが、韓国と日本のきょう1日を通じた投資家のセンチメントは概ね類似していたと思われる。
そして重要なことは、KOSPIは全体時価総額の50%以上をSKハイニックス<SKHY>とサムスン電子の2銘柄で占めているということだ。あたかも大蛇がうねるがごときKOSPIの値動きは、文字通りこの巨大なる“双竜”の動きそのものといっても過言ではない。アドバンテスト<6857>や東京エレクトロン<8035>、ソフトバンクグループ<9984>が日経平均を支配するレベルとは比べ物にならない。
前日にも触れたが、韓国政府はこの韓国半導体業界の双竜を中核企業に巨額のAI半導体投資「大韓民国大飛躍3大メガプロジェクト」を打ち出している。そのロードマップは日本円で総額115兆円という莫大なもので、その目玉となるのが、サムスンとSKハイニックスが国内に建設する大規模な半導体工場であり、計4拠点を建設し、ここだけで83兆円を占める。この巨額投資は民間主導とはいえ、韓国政府の全面バックアップがあり、工場稼働に必要な電力・用水などのインフラ整備コストを国費で賄うという構えを示している。まさに官民を挙げた世紀のビッグプロジェクトといってよい。そして、ここで日本の半導体製造装置や半導体材料メーカーの出番到来ということになる。生成AIの勃興で、その金鉱脈を掘り当てるプレーヤーにツルハシをはじめとした道具を提供する、いわば取りっぱぐれのない収益モデルの企業群が日本にはひしめいている。
きょうは芝浦メカトロニクス<6590>が漸く火を噴きストップ高に買われたが、半導体材料では、 シリコンウエハーで信越化学工業<4063>と世界シェアを分かつSUMCO<3436>もアクセル全開の様相でストップ高、約1カ月ぶりに年初来高値を更新した。AIサーバー爆需によるシリコンウエハー不足というと、今更言うかと叱られそうだが、その現実味がいよいよ高まってきたということのようだ。SUMCOは世界最大級の運用会社フィデリティが純投資目的などで買い増す動きをみせている。市場筋によると「ボストン拠点のプライベートファンドが早晩ウエハー争奪合戦になる」というリポートを作成、それに世界の投資マネーが乗ってきている。専業ではないが世界シェアトップの信越化と併せて、シリコンウエハー業界の双竜にも改めて視線を向けておくところだ。
このほか、AI半導体の巨額投資で韓国と接触する重要なポジションを担うのは半導体商社である。投資の観点から今後中期的に同エリアが草刈り場となる可能性がある。東京エレクトロン デバイス<2760>やシンデン・ハイテックス<3131>のほか、丸文<7537>、リョーサン菱洋ホールディングス<167A>、そして業界トップのマクニカホールディングス<3132>などに注目しておきたい。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に6月のマネタリーベースが日銀から公表される。また、同時刻に週間の対外・対内証券売買契約が開示される。前場取引時間中に10年物国債の入札が予定されている。後場取引時間終盤(午後3時)には6月の財政資金対民間投資が発表される。海外では5月のユーロ圏失業率が開示されるほか、米国で注目の経済指標が相次ぐ。週間の米新規失業保険申請件数、6月の米雇用統計にマーケットの関心が高い。なお、あすは「独立記念日(7月4日)」の振り替え休日の前日ということで米国債券市場は短縮取引となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
ニュースフローなしに売り買いのスイッチが微妙なタイミングで入れ替わる正体は何か。ここ最近になって、アジア時間の半導体セクター全体の流れを決めているのが台湾でも日本でもなく韓国KOSPIであるということは確信に近いものがある。KOSPIは日々の5分足チャートを見ると明らかだが、ベクトルの向きがジグザグ状態で上下動のレンジも大きい。これに日経平均をリンクさせた売買が行われている感が強いのだ。ちなみに台湾市場は別枠といえる。東京市場では過去にもドル・円相場や長期金利の動向、あるいはナスダック指数の値動き(時間外取引含む)などに日経平均が紐でつながれたように振り回されるケースが何度もあったが、最近はKOSPIに結び付けられている印象が強い。例えば、きょうのKOSPIの5分足を見ると、朝方高く始まった後にほぼ一貫して下値を掘り続け、午前11時過ぎを境に戻りに転じた。その後は戻り半分で頭打ちとなり、後場寄り後と午後2時頃にそれぞれ高値をつけ、ダブルトップを形成した。日経平均も朝高後に急速に値を消し午前11時頃を境に下げ止まりリバウンド局面に移行。後場はジリジリと水準を切り上げたが上値は重く、後場の戻り高値は朝方につけた高値からみてほぼ3分の1戻しにとどまっている。株価はKOSPIが2%安で日経平均が0.6%高と明暗を分けたが、韓国と日本のきょう1日を通じた投資家のセンチメントは概ね類似していたと思われる。
そして重要なことは、KOSPIは全体時価総額の50%以上をSKハイニックス<SKHY>とサムスン電子の2銘柄で占めているということだ。あたかも大蛇がうねるがごときKOSPIの値動きは、文字通りこの巨大なる“双竜”の動きそのものといっても過言ではない。アドバンテスト<6857>や東京エレクトロン<8035>、ソフトバンクグループ<9984>が日経平均を支配するレベルとは比べ物にならない。
前日にも触れたが、韓国政府はこの韓国半導体業界の双竜を中核企業に巨額のAI半導体投資「大韓民国大飛躍3大メガプロジェクト」を打ち出している。そのロードマップは日本円で総額115兆円という莫大なもので、その目玉となるのが、サムスンとSKハイニックスが国内に建設する大規模な半導体工場であり、計4拠点を建設し、ここだけで83兆円を占める。この巨額投資は民間主導とはいえ、韓国政府の全面バックアップがあり、工場稼働に必要な電力・用水などのインフラ整備コストを国費で賄うという構えを示している。まさに官民を挙げた世紀のビッグプロジェクトといってよい。そして、ここで日本の半導体製造装置や半導体材料メーカーの出番到来ということになる。生成AIの勃興で、その金鉱脈を掘り当てるプレーヤーにツルハシをはじめとした道具を提供する、いわば取りっぱぐれのない収益モデルの企業群が日本にはひしめいている。
きょうは芝浦メカトロニクス<6590>が漸く火を噴きストップ高に買われたが、半導体材料では、 シリコンウエハーで信越化学工業<4063>と世界シェアを分かつSUMCO<3436>もアクセル全開の様相でストップ高、約1カ月ぶりに年初来高値を更新した。AIサーバー爆需によるシリコンウエハー不足というと、今更言うかと叱られそうだが、その現実味がいよいよ高まってきたということのようだ。SUMCOは世界最大級の運用会社フィデリティが純投資目的などで買い増す動きをみせている。市場筋によると「ボストン拠点のプライベートファンドが早晩ウエハー争奪合戦になる」というリポートを作成、それに世界の投資マネーが乗ってきている。専業ではないが世界シェアトップの信越化と併せて、シリコンウエハー業界の双竜にも改めて視線を向けておくところだ。
このほか、AI半導体の巨額投資で韓国と接触する重要なポジションを担うのは半導体商社である。投資の観点から今後中期的に同エリアが草刈り場となる可能性がある。東京エレクトロン デバイス<2760>やシンデン・ハイテックス<3131>のほか、丸文<7537>、リョーサン菱洋ホールディングス<167A>、そして業界トップのマクニカホールディングス<3132>などに注目しておきたい。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に6月のマネタリーベースが日銀から公表される。また、同時刻に週間の対外・対内証券売買契約が開示される。前場取引時間中に10年物国債の入札が予定されている。後場取引時間終盤(午後3時)には6月の財政資金対民間投資が発表される。海外では5月のユーロ圏失業率が開示されるほか、米国で注目の経済指標が相次ぐ。週間の米新規失業保険申請件数、6月の米雇用統計にマーケットの関心が高い。なお、あすは「独立記念日(7月4日)」の振り替え休日の前日ということで米国債券市場は短縮取引となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS