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    2026年6月28日 14時00分

    【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─市場の先行き占う第1四半期決算、テクニカルの過熱には警戒

    「市場の先行き占う第1四半期決算、テクニカルの過熱には警戒」

    ●需給面ではETFの分配金捻出の売りにも注意

     7月の東京株式市場は、過熱感を意識しながらも堅調な展開を想定する。背景にはテック株を中心とする業績の好調さと、米国・イランの停戦で原油価格が安定し、インフレリスクが後退していることがある。一方でテクニカル的には過熱感が高まっており、短期的には値幅調整に進む可能性がある。今後の株式市場を占ううえで、月末から本格化する第1四半期決算が最大の注目ポイントになる。

     日経平均株価の予想レンジは6万4000円~7万4000円。

     日経平均株価の1株利益は本決算発表直前の4月23日に2890円だったが、6月25日時点で3922円まで上昇している。単純計算で27年3月期は3割超の増益となる。大手調査機関によれば、全産業の今年度純利益増益率は5%程度。日経平均株価への寄与度の高い半導体などハイテク企業の業績好調が鮮明だ。

     米国・イランの戦闘終結観測を背景に、原油価格が落ち着いてきている。ナフサ不足なども収束に向かうとすれば、第1四半期決算でハイテク以外の産業にも業績を上方向に見直す動きが出る可能性がある。PER(株価収益率)は4月23日の20.4倍から6月25日時点では18.5倍と株価の上昇にも関わらず、むしろ低下している。バリュエーション面からは割高感に乏しい。第1四半期決算でさらに1株利益が伸びるかが、最大の関心事といえる。

     主なスケジュールは、米国で1日に6月ISM製造業景況指数、2日に6月雇用統計、14日に6月消費者物価指数、15日に6月卸売物価指数、16日に6月小売売上高、29日にFOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表など。日本では1日に日銀短観、31日に日銀金融政策決定会合結果発表などとなっている。日銀短観では、企業業績の先行きや設備投資動向が注目される。

     懸念は過熱感である。日経平均株価と200日移動平均線のカイ離率は6月25日時点で33.6%と、警戒ラインといわれる20%を大きく上回り歴史的な高水準となっている。指数寄与度の大きい 半導体AI(人工知能)データセンター関連はスピード違反状態であり、さすがに調整入りを示唆している格好だ。需給面では、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動する仕組みのETF(上場投資信託)の分配金捻出の売りには注意を払いたい。市場関係者によれば、8日と10日に合計1兆7000億円程度の売りが出ると推計されている。また、10日には安川電機 <6506> [東証P]の第1四半期(3-5月)決算が予定されている。市場ではフィジカルAIの動向に関心が高い。

    ●リユース、百貨店など内需関連にも目配りを

     物色面では、引き続き半導体やその周辺銘柄が軸となりそう。製造装置の東京エレクトロン <8035> [東証P]、SCREENホールディングス <7735> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]、パッケージのイビデン <4062> [東証P]、住友ベークライト <4203> [東証P]、レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]、コンデンサの村田製作所 <6981> [東証P]、太陽誘電 <6976> [東証P]、光関連のフジクラ <5803> [東証P]、住友電気工業 <5802> [東証P]などがリード役だ。

     AI向けにデータセンターが拡大する中、世界規模で電力の需要がかつてないほどに高まっている。こうした中、CO2(二酸化炭素)を排出しない原子力発電の中でも、小型で安全性の高い次世代原発であるSMR(小型モジュール炉)への関心が高まっている。日本でも原発の建て替えの計画が決まり、SMRの実用化に向けて動きが出始めている。

     SMRスタートアップの米Xエナジー社から高温ガス炉用黒鉛製品を受注した東洋炭素 <5310> [東証P]、原発向け鋳鍛鋼の世界大手でSMR関連の受注実績がある日本製鋼所 <5631> [東証P]、日米合意に基づく投資プロジェクトであるテネシー州・アラバマ州におけるSMRの建設プロジェクトを米GEベルノバ<GEV>とともに推進する日立製作所 <6501> [東証P]など。

     また、好業績の内需関連としてはリユース関連をマークしたい。物価高が続く中で、中古品であっても少しでも安いモノを購入したいという消費者が増加している。一方、廃棄物の削減などの観点から政府によるリユースを推進する動きが本格化しており、今後はこれも後押し要因となりそうだ。環境省は26年3月に「リユース等の促進に関するロードマップ」を策定している。2030年までのリユース市場規模を4兆6000億円(24年比32%増)にすることを見込んでいる。

     リユース総合大手のトレジャー・ファクトリー <3093> [東証P]、洋服・バッグ・靴などのファッションアイテムを軸に扱う「2nd STREET(セカンドストリート)」が拡大しているゲオホールディングス <2681> [東証P]、衣料・パソコン・家電・カー用品などのリユース事業のハードオフコーポレーション <2674> [東証P]、高額品の出張買取に強みがあるBuySell Technologies <7685> [東証G]などの業績が堅調だ。

     ここにきて内需関連の一角が底堅い動きを見せている。株高による資産効果もあり、J.フロント リテイリング <3086> [東証P]、三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]、高島屋 <8233> [東証P]、エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> [東証P]などの百貨店株、一般消費関連ではハウス食品グループ本社 <2810> [東証P]、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス <2579> [東証P]、サッポロホールディングス <2501> [東証P]、キリンホールディングス <2503> [東証P]などもチェックしたい。

    (2026年6月25日 記/次回は8月2日 配信予定)

    株探ニュース