2026年4月21日 17時30分
明日の株式相場に向けて=AI・半導体から「光」へ向かう投資資金
きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比524円高の5万9349円と続伸。前週16日につけた史上最高値5万9518円を上回り再び青空圏に舞い上がる場面があった。しかし、その後は伸び悩んだ。これは、そう簡単に6万円コースに突入するほど相場環境が良好ではない、ということを気付かせる警鐘として捉えておきたい。
それにしても、呆れるほどトランプ米大統領の言うことがことごとく覆される。言わなければいいものを、イラン側を刺激してむしろ降りられないように仕向けているのではないかと訝しむほどの愚言で、結果的にメディアに踊るトランプ発言は“嘘八百”のオンパレードとなってしまっている。マーケットも最初から期待しないという環境に慣れてしまったのか、ホルムズ海峡周辺は引き続き濃霧に覆われた状態のまま、日経平均株価はお構いなしに上がり続ける。悲観でも楽観でもない、懐疑の森をひたすら走り続ける展開だが、逆に今の地合いに何の疑問も持たずついて行ってしまうのもリスクが大きい。
とりわけ個別株は全体指数とは別次元で考える必要がある。「森より木を見ることに長じる」のがトレーダーの資質として重要だが、裏を返せば森が生い茂っても枯れる木はある。日経平均が最高値圏を舞い上がっても、枯れてしまう木にオールインしてしまえば身動きが取れなくなるのは自明である。きょうは日経平均が前引け時点で771円あまりの大幅高を演じ、ほぼ高値引けだったにもかかわらず、値下がり銘柄数の方が多いという稀有な地合いであった。後場に入ると値下がり銘柄数が一段と増加しTOPIXはマイナス圏で引けた。やはり、ショートカバーが一巡すると上値は重く、その上を実需筋が買い上がるのは相当な胆力が必要となる。企業の決算発表が本格化すると、26年3月期決算の着地点はともかく、27年3月期の業績予想が難儀である。今の環境下で企業側が強気のガイダンスを打ち出すのは難しい。そのなか、AI・半導体 だけは戦争特需と捉えているフシがあり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の躍進は、そうした事情を映し出している。
個別株戦略として基本は魅力的な銘柄が目に入っても高値に買いつかないことが肝要だ。仮に高値をつかんでも、今のような上昇相場では塩漬け覚悟で持っていれば大抵はヤレヤレで売れるケースが多いことは事実だが、その資金をフリーズさせている時間こそがコストを払っていることになる。良い意味で上値の伸びしろの見えない相場ながら、少なくともファンダメンタルズからのアプローチではカラータイマーが点滅しているような時間軸にある。買いコストがかなり低ければ、それは長期保有一貫で構わないが、今から入る銘柄は、どんなに強い銘柄でもインとアウトを繰り返しながら上昇相場についていく機動的な対応が求められる。
足もとでAI半導体関連やその周辺株に投資マネーが流れ込んでいる。AI半導体から派生して、データセンターやそのインフラで必須となる電子デバイス関連などに投資資金が波状的に向かう。そうしたなか目先、隠れテーマとなっているのは「光」である。半導体向けレーザーでニッチ性の高い収益環境を享受しているオキサイド<6521>がストップ高まで買われたほか、急騰後は荒れた値動きとなったがQDレーザ<6613>も前日のS高に続いて、きょうも一時300円近い上昇で1877円まで駆け上がるなど見せ場を作った。光半導体関連のザインエレクトロニクス<6769>や、高精度を極めたエックス線集光ミラーと次世代研磨技術を武器とするジェイテックコーポレーション<3446>などが上放れの気配を漂わせており、マークしておきたい。このほか、半導体やオプトエレクトロニクス部材を手掛けるAGC<5201>も水準訂正に向けた魅力を内在させている。
ホットマネーは更に物色の裾野を広げ、きょうは「水晶デバイス関連株」をローテーションの対象としている。AIデータセンターでは揺らぎのないクロック源、言い換えれば精度の高い同期が不可欠となる。水晶は光デバイスとも“親戚”の関係にあり、関連銘柄の株価も相場が煮詰まってくると同じタイミングで動きやすい。業績は厳しい局面が続くが、電子ビーム封止工法などニッチな技術を有するリバーエレテック<6666>があっという間に1000円大台に乗せてきた。世界的なトップメーカーである日本電波工業<6779>も前日に続き大立回りを演じ、こちらは約16年ぶりの2000円台回復となった。ここでマークしたいのが、相対的に出遅れている大真空<6962>だ。独自技術を駆使した「Arkh(アークス)シリーズ」でAIサーバー向け需要を戦略的に取り込んでいく構えにあり、低PBRや高配当利回りを拠りどころに4ケタ大台を目指す展開が期待できそうだ。
あすのスケジュールでは、2025年の貿易統計及び26年3月の貿易統計が朝方取引開始前に発表される。後場取引時間中には日銀が実質輸出入の動向を開示する。この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にSQUEEZE<558A>が新規上場する。また、ディスコ<6146>の3月期決算発表にマーケットの関心が集まる。海外ではインドネシア中銀が政策金利を決定するほか、トルコ中銀の金融政策決定会合も行われる。3月の英消費者物価指数(CPI)、4月のユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)が発表される。米国では20年国債の入札が行われる。主要企業の決算発表では、テスラ<TSLA>、ボーイング<BA>、IBM<IBM>の1~3月期決算に注目度が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
それにしても、呆れるほどトランプ米大統領の言うことがことごとく覆される。言わなければいいものを、イラン側を刺激してむしろ降りられないように仕向けているのではないかと訝しむほどの愚言で、結果的にメディアに踊るトランプ発言は“嘘八百”のオンパレードとなってしまっている。マーケットも最初から期待しないという環境に慣れてしまったのか、ホルムズ海峡周辺は引き続き濃霧に覆われた状態のまま、日経平均株価はお構いなしに上がり続ける。悲観でも楽観でもない、懐疑の森をひたすら走り続ける展開だが、逆に今の地合いに何の疑問も持たずついて行ってしまうのもリスクが大きい。
とりわけ個別株は全体指数とは別次元で考える必要がある。「森より木を見ることに長じる」のがトレーダーの資質として重要だが、裏を返せば森が生い茂っても枯れる木はある。日経平均が最高値圏を舞い上がっても、枯れてしまう木にオールインしてしまえば身動きが取れなくなるのは自明である。きょうは日経平均が前引け時点で771円あまりの大幅高を演じ、ほぼ高値引けだったにもかかわらず、値下がり銘柄数の方が多いという稀有な地合いであった。後場に入ると値下がり銘柄数が一段と増加しTOPIXはマイナス圏で引けた。やはり、ショートカバーが一巡すると上値は重く、その上を実需筋が買い上がるのは相当な胆力が必要となる。企業の決算発表が本格化すると、26年3月期決算の着地点はともかく、27年3月期の業績予想が難儀である。今の環境下で企業側が強気のガイダンスを打ち出すのは難しい。そのなか、AI・半導体 だけは戦争特需と捉えているフシがあり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の躍進は、そうした事情を映し出している。
個別株戦略として基本は魅力的な銘柄が目に入っても高値に買いつかないことが肝要だ。仮に高値をつかんでも、今のような上昇相場では塩漬け覚悟で持っていれば大抵はヤレヤレで売れるケースが多いことは事実だが、その資金をフリーズさせている時間こそがコストを払っていることになる。良い意味で上値の伸びしろの見えない相場ながら、少なくともファンダメンタルズからのアプローチではカラータイマーが点滅しているような時間軸にある。買いコストがかなり低ければ、それは長期保有一貫で構わないが、今から入る銘柄は、どんなに強い銘柄でもインとアウトを繰り返しながら上昇相場についていく機動的な対応が求められる。
足もとでAI半導体関連やその周辺株に投資マネーが流れ込んでいる。AI半導体から派生して、データセンターやそのインフラで必須となる電子デバイス関連などに投資資金が波状的に向かう。そうしたなか目先、隠れテーマとなっているのは「光」である。半導体向けレーザーでニッチ性の高い収益環境を享受しているオキサイド<6521>がストップ高まで買われたほか、急騰後は荒れた値動きとなったがQDレーザ<6613>も前日のS高に続いて、きょうも一時300円近い上昇で1877円まで駆け上がるなど見せ場を作った。光半導体関連のザインエレクトロニクス<6769>や、高精度を極めたエックス線集光ミラーと次世代研磨技術を武器とするジェイテックコーポレーション<3446>などが上放れの気配を漂わせており、マークしておきたい。このほか、半導体やオプトエレクトロニクス部材を手掛けるAGC<5201>も水準訂正に向けた魅力を内在させている。
ホットマネーは更に物色の裾野を広げ、きょうは「水晶デバイス関連株」をローテーションの対象としている。AIデータセンターでは揺らぎのないクロック源、言い換えれば精度の高い同期が不可欠となる。水晶は光デバイスとも“親戚”の関係にあり、関連銘柄の株価も相場が煮詰まってくると同じタイミングで動きやすい。業績は厳しい局面が続くが、電子ビーム封止工法などニッチな技術を有するリバーエレテック<6666>があっという間に1000円大台に乗せてきた。世界的なトップメーカーである日本電波工業<6779>も前日に続き大立回りを演じ、こちらは約16年ぶりの2000円台回復となった。ここでマークしたいのが、相対的に出遅れている大真空<6962>だ。独自技術を駆使した「Arkh(アークス)シリーズ」でAIサーバー向け需要を戦略的に取り込んでいく構えにあり、低PBRや高配当利回りを拠りどころに4ケタ大台を目指す展開が期待できそうだ。
あすのスケジュールでは、2025年の貿易統計及び26年3月の貿易統計が朝方取引開始前に発表される。後場取引時間中には日銀が実質輸出入の動向を開示する。この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にSQUEEZE<558A>が新規上場する。また、ディスコ<6146>の3月期決算発表にマーケットの関心が集まる。海外ではインドネシア中銀が政策金利を決定するほか、トルコ中銀の金融政策決定会合も行われる。3月の英消費者物価指数(CPI)、4月のユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)が発表される。米国では20年国債の入札が行われる。主要企業の決算発表では、テスラ<TSLA>、ボーイング<BA>、IBM<IBM>の1~3月期決算に注目度が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS