2025年12月30日 15時43分
話題株ピックアップ【夕刊】(1):大黒屋、オンコリス、富士通
■大黒屋ホールディングス <6993> 111円 +30 円 (+37.0%) ストップ高 本日終値
大黒屋ホールディングス<6993>はストップ高。29日の取引終了後、12月11日の新経営体制発足以降の進捗と今後のIRスケジュールを発表した。27年3月期について営業損益を4期ぶりに黒字化する方針を示しており、材料視した買いが集まった。足もとでは新規事業への投資を精査するなどコスト構造改革を進めているが、今後は在庫水準回復による売り上げ増加やM&Aによる上積み、販管費の削減により、トップラインの回復と黒字化を狙う。
■オンコリス <4588> 1,384円 +267 円 (+23.9%) 本日終値
オンコリスバイオファーマ<4588>は急騰。11月28日につけた1197円を上回り、約1カ月ぶりに年初来高値を更新した。食道がん治療再生医療等製品として開発中の腫瘍溶解ウイルス「OBP-301」への期待が高まっているようだ。今月15日に同製品の製造販売承認申請を行ったことを発表。先駆的再生医療等製品指定制度に則り、申請後6カ月ほどで承認に至る見込みという。
■養命酒製造 <2540> 5,480円 +680 円 (+14.2%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率3位
養命酒製造<2540>が大幅高で7連騰。5000円の大台に乗せ、1990年1月以来の高値圏に浮上した。米ブルームバーグ通信が29日夜、「薬用酒メーカーの養命酒製造の非公開化に向けた入札で、米投資会社のKKRが優先交渉権を得た」と報じた。報道を受け、養命酒は30日にコメントを発表。「非公開化に向けた入札で米系投資会社のKKRに優先交渉権を付与したことは事実」と表明した。TOB(株式公開買い付け)の実施に向けて株価に上乗せされるプレミアム幅を期待した買いが優勢となっている。記事によると、これまでの2回の入札にKKR<KKR>を含む複数のファンドが応札していた。買収価格などの条件を詰め、2026年1月にもTOBを実施する方向で調整しているという。また、養命酒の筆頭株主で旧村上ファンド関係者が資金提供をする湯沢(東京都渋谷区)の出方が焦点だとしたうえで、「KKRは湯沢と協議し、条件が整えばTOBを実施する」と伝えている。養命酒は30日のコメントのなかで、26年1月に公開買い付けを実施する見通しは立っていないとしつつ、今後開示すべき事項が生じた際には速やかに開示する方針を示した。
■かわでん <6648> 2,532円 +201 円 (+8.6%) 本日終値
かわでん<6648>は大幅高で4日続伸。上場来高値圏を快走している。同社は配電制御設備の専業メーカー。半導体関連を含む大型工場や都市再開発などの堅調な建設需要を追い風に、26年3月期の連結営業利益は前期比5割強増の40億円を予想。1992年3月期(32億3600万円)以来、実に34年ぶりとなる最高益更新を見込む。配当は前期比20円増の58円と、3期連続の増配を計画する。好業績見通しを背景に投資資金の流入が続くなか、12月末を基準日とする1対5の株式分割を実施したことで買いに弾みがついている。
■ユタカ技研 <7229> 3,155円 +105 円 (+3.4%) 本日終値
ユタカ技研<7229>が続伸し、2007年12月以来、およそ18年ぶりの高値をつけた。同社を巡っては今年8月、インドの自動車部品大手であるマザーサンが子会社を通じ、ユタカ技研に対し非公開化を目的としてTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。TOB価格を1株3024円とし、来年1月下旬をメドにTOBを開始する方針を示していた。12月29日に米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は、スイスの資産運用会社のGAMがユタカ技研に書簡を送り、取引の断念か価格の大幅な引き上げを求めるよう促したと報じている。GAM側はTOB価格について現在の価格よりも少なくとも50~70%高いものでなければならないと主張しているという。TOB価格の引き上げの思惑が広がり、買いが集まったようだ。
■富士通 <6702> 4,329円 +96 円 (+2.3%) 本日終値
富士通<6702>が年初来高値を更新した。同社は10月にエヌビディア<NVDA>との戦略的協業を拡大すると発表。12月24日には協業の成果として、フィジカルAIやAIエージェントをシームレスに連携させる技術を開発したと公表している。エヌビディアとの協業関係に加え、量子コンピューターをはじめとする先端技術領域や防衛分野など、多岐にわたる投資テーマに関連する銘柄とあって、2025年の富士通の株価は年初来で50%を超す上昇となった。株式市場において26年もフィジカルAIやAIエージェントといったテーマに投資家の関心が寄せられるとみられるなか、大納会のこの日は国内大手証券による投資判断と目標株価の引き上げの動きも手伝って、同社株への選好姿勢が強まったようだ。
■アンドエスティHD <2685> 2,875円 +55 円 (+2.0%) 本日終値
アンドエスティHD<2685>は大幅続伸。29日の取引終了後、26年2月期第3四半期累計(3~11月)の連結決算を発表した。売上高が2273億7200万円(前年同期比3.3%増)、営業利益が138億9300万円(同5.9%減)だった。一方、第3四半期(9~11月)については売上高が780億2700万円(前年同期比2.8%増)、営業利益が59億1900万円(同21.4%増)となっており、足もとの好業績を評価した買いが集まっている。自社EC「and ST」をモール&メディアとして育成しているプラットフォーム事業で外部企業による参画が増え順調に推移した。
■WOWOW <4839> 1,448円 +9 円 (+0.6%) 本日終値
WOWOW<4839>が10連騰。同社は11月、NTTドコモとのコンテンツ分野での業務提携契約を発表。音楽ライブコンテンツの大幅な拡充や、超大作オリジナルドラマの制作で提携する。また、バスケットボールのNBAや欧州サッカークラブのナンバーワンを決める「UEFAチャンピオンズリーグ」において両社が権利を持つコンテンツの一部を相互で提供していく。2026年はサッカーW杯や冬季五輪が開催されるスポーツイヤーとなるが、WOWOWは来年、UEFAチャンピオンズリーグに加えて、世界最高峰のラグビー国際大会「ネーションズチャンピオンシップ」を放送・配信する予定だ。26年3月期は大幅な営業減益を見込むものの、来期以降の業績の底入れ期待とともにPBR(株価純資産倍率)が0.6倍近辺となっている点も着目され、断続的な買い物を集めている。
■百五銀行 <8368> 1,146円 +5 円 (+0.4%) 本日終値
三重県地盤の百五銀行<8368>や岐阜県地盤の十六フィナンシャルグループ<7380>、奈良県地盤の南都銀行<8367>など、地銀株の年初来高値更新が相次いだ。日銀は12月、政策金利を30年ぶりの水準となる0.75%に引き上げた。これを受けて各行は短期プライムレートの上方改定を進めている。更に、29日に公表された12月の日銀会合の「主な意見」では、委員の一人から「日本の実質政策金利は群を抜いて世界最低水準」との意見が出ていたことが話題となっており、2026年も日銀が利上げ路線を進むとの見方が優勢となっている。貸出金利の上昇による収益改善シナリオが横たわる銀行セクターのなかでも地銀株はPBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る銘柄がなお多く、投資家の買い意欲が高い状態が続いている。宮崎銀行<8393>や佐賀銀行<8395>も高い。
■日本郵船 <9101> 5,078円 +2 円 (+0.0%) 本日終値
日本郵船<9101>は堅調推移。市場参加者が少ない大納会において川崎汽船<9107>と商船三井<9104>など海運大手はプラス圏で推移した。2025年はトランプ関税による物流量の低下懸念が海運株を下押しし、東証の業種別指数の海運業は年初来で7%近い下落となった。日経平均株価が最高値を更新し大きく水準を切り上げたなかで、海運株は大きく出遅れた形となり、今年1年のパフォーマンスを踏まえて出遅れ修正に向かうとの期待感がきょうの海運大手株のサポート要因となったとみられている。
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株探ニュース
大黒屋ホールディングス<6993>はストップ高。29日の取引終了後、12月11日の新経営体制発足以降の進捗と今後のIRスケジュールを発表した。27年3月期について営業損益を4期ぶりに黒字化する方針を示しており、材料視した買いが集まった。足もとでは新規事業への投資を精査するなどコスト構造改革を進めているが、今後は在庫水準回復による売り上げ増加やM&Aによる上積み、販管費の削減により、トップラインの回復と黒字化を狙う。
■オンコリス <4588> 1,384円 +267 円 (+23.9%) 本日終値
オンコリスバイオファーマ<4588>は急騰。11月28日につけた1197円を上回り、約1カ月ぶりに年初来高値を更新した。食道がん治療再生医療等製品として開発中の腫瘍溶解ウイルス「OBP-301」への期待が高まっているようだ。今月15日に同製品の製造販売承認申請を行ったことを発表。先駆的再生医療等製品指定制度に則り、申請後6カ月ほどで承認に至る見込みという。
■養命酒製造 <2540> 5,480円 +680 円 (+14.2%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率3位
養命酒製造<2540>が大幅高で7連騰。5000円の大台に乗せ、1990年1月以来の高値圏に浮上した。米ブルームバーグ通信が29日夜、「薬用酒メーカーの養命酒製造の非公開化に向けた入札で、米投資会社のKKRが優先交渉権を得た」と報じた。報道を受け、養命酒は30日にコメントを発表。「非公開化に向けた入札で米系投資会社のKKRに優先交渉権を付与したことは事実」と表明した。TOB(株式公開買い付け)の実施に向けて株価に上乗せされるプレミアム幅を期待した買いが優勢となっている。記事によると、これまでの2回の入札にKKR<KKR>を含む複数のファンドが応札していた。買収価格などの条件を詰め、2026年1月にもTOBを実施する方向で調整しているという。また、養命酒の筆頭株主で旧村上ファンド関係者が資金提供をする湯沢(東京都渋谷区)の出方が焦点だとしたうえで、「KKRは湯沢と協議し、条件が整えばTOBを実施する」と伝えている。養命酒は30日のコメントのなかで、26年1月に公開買い付けを実施する見通しは立っていないとしつつ、今後開示すべき事項が生じた際には速やかに開示する方針を示した。
■かわでん <6648> 2,532円 +201 円 (+8.6%) 本日終値
かわでん<6648>は大幅高で4日続伸。上場来高値圏を快走している。同社は配電制御設備の専業メーカー。半導体関連を含む大型工場や都市再開発などの堅調な建設需要を追い風に、26年3月期の連結営業利益は前期比5割強増の40億円を予想。1992年3月期(32億3600万円)以来、実に34年ぶりとなる最高益更新を見込む。配当は前期比20円増の58円と、3期連続の増配を計画する。好業績見通しを背景に投資資金の流入が続くなか、12月末を基準日とする1対5の株式分割を実施したことで買いに弾みがついている。
■ユタカ技研 <7229> 3,155円 +105 円 (+3.4%) 本日終値
ユタカ技研<7229>が続伸し、2007年12月以来、およそ18年ぶりの高値をつけた。同社を巡っては今年8月、インドの自動車部品大手であるマザーサンが子会社を通じ、ユタカ技研に対し非公開化を目的としてTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。TOB価格を1株3024円とし、来年1月下旬をメドにTOBを開始する方針を示していた。12月29日に米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は、スイスの資産運用会社のGAMがユタカ技研に書簡を送り、取引の断念か価格の大幅な引き上げを求めるよう促したと報じている。GAM側はTOB価格について現在の価格よりも少なくとも50~70%高いものでなければならないと主張しているという。TOB価格の引き上げの思惑が広がり、買いが集まったようだ。
■富士通 <6702> 4,329円 +96 円 (+2.3%) 本日終値
富士通<6702>が年初来高値を更新した。同社は10月にエヌビディア<NVDA>との戦略的協業を拡大すると発表。12月24日には協業の成果として、フィジカルAIやAIエージェントをシームレスに連携させる技術を開発したと公表している。エヌビディアとの協業関係に加え、量子コンピューターをはじめとする先端技術領域や防衛分野など、多岐にわたる投資テーマに関連する銘柄とあって、2025年の富士通の株価は年初来で50%を超す上昇となった。株式市場において26年もフィジカルAIやAIエージェントといったテーマに投資家の関心が寄せられるとみられるなか、大納会のこの日は国内大手証券による投資判断と目標株価の引き上げの動きも手伝って、同社株への選好姿勢が強まったようだ。
■アンドエスティHD <2685> 2,875円 +55 円 (+2.0%) 本日終値
アンドエスティHD<2685>は大幅続伸。29日の取引終了後、26年2月期第3四半期累計(3~11月)の連結決算を発表した。売上高が2273億7200万円(前年同期比3.3%増)、営業利益が138億9300万円(同5.9%減)だった。一方、第3四半期(9~11月)については売上高が780億2700万円(前年同期比2.8%増)、営業利益が59億1900万円(同21.4%増)となっており、足もとの好業績を評価した買いが集まっている。自社EC「and ST」をモール&メディアとして育成しているプラットフォーム事業で外部企業による参画が増え順調に推移した。
■WOWOW <4839> 1,448円 +9 円 (+0.6%) 本日終値
WOWOW<4839>が10連騰。同社は11月、NTTドコモとのコンテンツ分野での業務提携契約を発表。音楽ライブコンテンツの大幅な拡充や、超大作オリジナルドラマの制作で提携する。また、バスケットボールのNBAや欧州サッカークラブのナンバーワンを決める「UEFAチャンピオンズリーグ」において両社が権利を持つコンテンツの一部を相互で提供していく。2026年はサッカーW杯や冬季五輪が開催されるスポーツイヤーとなるが、WOWOWは来年、UEFAチャンピオンズリーグに加えて、世界最高峰のラグビー国際大会「ネーションズチャンピオンシップ」を放送・配信する予定だ。26年3月期は大幅な営業減益を見込むものの、来期以降の業績の底入れ期待とともにPBR(株価純資産倍率)が0.6倍近辺となっている点も着目され、断続的な買い物を集めている。
■百五銀行 <8368> 1,146円 +5 円 (+0.4%) 本日終値
三重県地盤の百五銀行<8368>や岐阜県地盤の十六フィナンシャルグループ<7380>、奈良県地盤の南都銀行<8367>など、地銀株の年初来高値更新が相次いだ。日銀は12月、政策金利を30年ぶりの水準となる0.75%に引き上げた。これを受けて各行は短期プライムレートの上方改定を進めている。更に、29日に公表された12月の日銀会合の「主な意見」では、委員の一人から「日本の実質政策金利は群を抜いて世界最低水準」との意見が出ていたことが話題となっており、2026年も日銀が利上げ路線を進むとの見方が優勢となっている。貸出金利の上昇による収益改善シナリオが横たわる銀行セクターのなかでも地銀株はPBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る銘柄がなお多く、投資家の買い意欲が高い状態が続いている。宮崎銀行<8393>や佐賀銀行<8395>も高い。
■日本郵船 <9101> 5,078円 +2 円 (+0.0%) 本日終値
日本郵船<9101>は堅調推移。市場参加者が少ない大納会において川崎汽船<9107>と商船三井<9104>など海運大手はプラス圏で推移した。2025年はトランプ関税による物流量の低下懸念が海運株を下押しし、東証の業種別指数の海運業は年初来で7%近い下落となった。日経平均株価が最高値を更新し大きく水準を切り上げたなかで、海運株は大きく出遅れた形となり、今年1年のパフォーマンスを踏まえて出遅れ修正に向かうとの期待感がきょうの海運大手株のサポート要因となったとみられている。
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