2025年11月11日 5時38分
米民主党、上院での造反に党内で批判噴出
米民主党系の上院議員8人が9日夜、米政府機関閉鎖を終了させる法案を採決に進めるため共和党側に回ったことで、党内から非難が噴出している。トランプ大統領への有効な対抗策を打ち出せていない党内の亀裂が改めて浮き彫りになった。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。
民主党は4日の選挙で圧勝したばかりで、多くの議員や活動家は、この結果を受けて上院民主党は拡充した医療保険制度改革法(オバマケア)の補助金延長で譲歩しない姿勢を続けるべきだと主張する。だが造反した議員は9日、政府機関閉鎖はあまりにも大きな痛みをもたらしており、共和党に対する譲歩は医療保険に関する採決実施の確約などささやかなもので十分だと判断した。
民主党と協調して行動する無所属のキング上院議員(メーン州)は「今夜の合意は米国民にとっての勝利だ」と述べた。つなぎ予算を巡って同氏はこれまでに繰り返し賛成票を投じており、9日の夜も再び賛成した。
ただ、多くの民主党議員は、これは早過ぎる降参で、失効する医療保険補助金の延長に向けた戦いを損なうものとみなした。民主党は戦う意思があると数カ月に渡って有権者に訴え続けた後だけに、有権者を遠ざける可能性もあると主張する。共和党は上院で53対47の多数を占めるものの、大半の法案は可決に60票が必要。上院の最終採決は近く実施される見通しで、その後、同じく共和党が過半数を握る下院に回される。
民主党会派に所属する無所属のバーニー・サンダース上院議員(バーモント州)は「今夜、8人の民主党員が共和党とともに投票した」とし、「私の考えでは、これは非常に悪い投票だった」と述べた。民主党全国委員会のマーティン委員長は「この採決に反対した上院民主党の大多数を誇りに思う」と述べた。
ボールドウィン上院議員(民主、ウィスコンシン州)は、「この医療危機を後で対処するという無言の了解だけで、実際の保証が何もないのは、私にとって十分ではない」と述べた。
より厳しい言葉を使う議員もいる。下院進歩派を率いるカサール議員(民主、テキサス州)は、「共和党から受け入れたのが指切りの約束だけというのは妥協ではなく、降伏だ」と述べた。別の議員は、民主党が得るものがあまりにも少ないため、今回前進したこの法案は取引とみなすことさえできないと述べた。
この法案が通過すれば、来年1月まで連邦政府機関の予算を執行できる。退役軍人向けプログラムと兵舎建設、農務省および議会の通年予算を手当てする三つの法案もこれに含まれる。共和党は12月第2週までに医療保険補助金の延長について採決を行うことを確約している。
賛成に回った民主党系上院議員8人のうち、キング氏、マスト氏(ネバダ州)、フェッターマン氏(ペンシルベニア州)の3人はこれまでにも賛成票を投じたことがある。今回、シャヒーン氏とハッサン氏(いずれもニューハンプシャー州)、ダービン氏(イリノイ州)、ケーン氏(バージニア州)、ローゼン氏(ネバダ州)も賛成に回った。
3月にも今回と似た状況が起きていた。シューマー民主上院院内総務(ニューヨーク州)が少数の議員と共和党案に賛成し、党内から厳しい批判を浴びた。今回は同氏が反対派の先鋒に立っている。シューマー氏は9日夜、「私は反対票を投じ、闘い続ける」とし、この法案は「医療危機」に何も対処していないと述べた。同氏は拡充したACA補助金の措置を1年間延長することを7日に提案したものの共和党に拒否された。
シューマー氏を批判する向きは、8人の造反が出たことは同氏が党をまとめ切れていないことを示したと述べた。カンナ下院議員(民主、カリフォルニア州)は、「シューマー氏はもはや影響力がなく、交代すべきだ」と述べた。
下院民主党議員の多くはこの法案に賛成しない立場を明確にしている。共和党は下院で僅差の多数派で、ジョンソン下院議長(共和、ルイジアナ州)が党内を結束させられなければ法案成立は難航する可能性が高い。
株探ニュース
民主党は4日の選挙で圧勝したばかりで、多くの議員や活動家は、この結果を受けて上院民主党は拡充した医療保険制度改革法(オバマケア)の補助金延長で譲歩しない姿勢を続けるべきだと主張する。だが造反した議員は9日、政府機関閉鎖はあまりにも大きな痛みをもたらしており、共和党に対する譲歩は医療保険に関する採決実施の確約などささやかなもので十分だと判断した。
民主党と協調して行動する無所属のキング上院議員(メーン州)は「今夜の合意は米国民にとっての勝利だ」と述べた。つなぎ予算を巡って同氏はこれまでに繰り返し賛成票を投じており、9日の夜も再び賛成した。
ただ、多くの民主党議員は、これは早過ぎる降参で、失効する医療保険補助金の延長に向けた戦いを損なうものとみなした。民主党は戦う意思があると数カ月に渡って有権者に訴え続けた後だけに、有権者を遠ざける可能性もあると主張する。共和党は上院で53対47の多数を占めるものの、大半の法案は可決に60票が必要。上院の最終採決は近く実施される見通しで、その後、同じく共和党が過半数を握る下院に回される。
民主党会派に所属する無所属のバーニー・サンダース上院議員(バーモント州)は「今夜、8人の民主党員が共和党とともに投票した」とし、「私の考えでは、これは非常に悪い投票だった」と述べた。民主党全国委員会のマーティン委員長は「この採決に反対した上院民主党の大多数を誇りに思う」と述べた。
ボールドウィン上院議員(民主、ウィスコンシン州)は、「この医療危機を後で対処するという無言の了解だけで、実際の保証が何もないのは、私にとって十分ではない」と述べた。
より厳しい言葉を使う議員もいる。下院進歩派を率いるカサール議員(民主、テキサス州)は、「共和党から受け入れたのが指切りの約束だけというのは妥協ではなく、降伏だ」と述べた。別の議員は、民主党が得るものがあまりにも少ないため、今回前進したこの法案は取引とみなすことさえできないと述べた。
この法案が通過すれば、来年1月まで連邦政府機関の予算を執行できる。退役軍人向けプログラムと兵舎建設、農務省および議会の通年予算を手当てする三つの法案もこれに含まれる。共和党は12月第2週までに医療保険補助金の延長について採決を行うことを確約している。
賛成に回った民主党系上院議員8人のうち、キング氏、マスト氏(ネバダ州)、フェッターマン氏(ペンシルベニア州)の3人はこれまでにも賛成票を投じたことがある。今回、シャヒーン氏とハッサン氏(いずれもニューハンプシャー州)、ダービン氏(イリノイ州)、ケーン氏(バージニア州)、ローゼン氏(ネバダ州)も賛成に回った。
3月にも今回と似た状況が起きていた。シューマー民主上院院内総務(ニューヨーク州)が少数の議員と共和党案に賛成し、党内から厳しい批判を浴びた。今回は同氏が反対派の先鋒に立っている。シューマー氏は9日夜、「私は反対票を投じ、闘い続ける」とし、この法案は「医療危機」に何も対処していないと述べた。同氏は拡充したACA補助金の措置を1年間延長することを7日に提案したものの共和党に拒否された。
シューマー氏を批判する向きは、8人の造反が出たことは同氏が党をまとめ切れていないことを示したと述べた。カンナ下院議員(民主、カリフォルニア州)は、「シューマー氏はもはや影響力がなく、交代すべきだ」と述べた。
下院民主党議員の多くはこの法案に賛成しない立場を明確にしている。共和党は下院で僅差の多数派で、ジョンソン下院議長(共和、ルイジアナ州)が党内を結束させられなければ法案成立は難航する可能性が高い。
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