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    2025年11月7日 4時59分

    フォード、EV版「F-150ライトニング」の生産中止を協議中と伝わる=米国株個別

    (NY時間14:59)(日本時間04:59)
    フォード<F> 13.22(+0.11 +0.84%)

     フォード<F>が電気自動車(EV)版のピックアップトラック「F-150ライトニング」の生産を中止する可能性について経営陣が協議中だと伝わった。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として伝えた。実現すれば、米国で初の主要EVモデル撤退の事例となる可能性がある。

     かつてフォードはライトニングを近代版モデルTと位置づけ、電動化戦略の象徴として投入した。しかし、実際には販売が低迷し、2023年以降でEV部門の累計損失は130億ドル超に達している。

     フォードは先月、アルミ不足を理由にライトニングの生産を一時停止しており、工場を再稼働させずに中型・小型EVへ転換する案も検討しているという。同社は再開のタイミングを見極めると述べているが、明確な再開予定は示していない。

     ライトニングの初期価格は約4万ドルとされたが、実際には基本モデルでも約5万ドル、高級仕様では9万ドル近くに上昇。加えて、積載やけん引、寒冷地走行で航続距離が大幅に低下する問題が購入層に敬遠された。メインターゲットであるトラック実用ユーザー層は価格・信頼性・航続距離を懸念し購入に踏み切らなかった。

     結果として、GM<GM>と同様にフォードもEVピックアップで巨額の損失を計上。GMは第3四半期に16億ドルの損失引当金を計上しており、フォードも大規模減損リスクに直面している。

     アナリストは「EVの投資回収は販売台数の確保が前提だが、現状ではその水準に遠く及ばない。需要が予想を大きく下回る中、設備投資の回収は難しい」と指摘する。株価は小幅高で推移。

    MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

    株探ニュース