（NY時間14:09）（日本時間04:09）
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　ケーブルＴＶのコムキャスト<CMCSA>が英ＩＴＶのメディア・娯楽部門買収を協議していると伝わった。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。協議が成立すれば、英放送業界に大変動が起こる可能性を示している。

　コムキャストは、ＩＴＶの無料民放チャンネル事業や動画配信サービス「ＩＴＶＸ」を運営するメディア・エンターテインメント部門の買収を検討しているという。取引規模は約２０億ドルと見られている。

　この取引が成立すれば、英ＩＴＶには「ブリテンズ・ゴット・タレント」や「ラブ・アイランド」などの人気番組を制作するスタジオ部門が残ることになる。スタジオ部門は、自社チャンネル向けだけでなく他局への番組販売も行っている。

　英ＩＴＶは広告収入依存型の伝統的放送ビジネスから脱却を進めており、スタジオ事業がグループ売上の約半分を占める。７月には配信サービス「ＩＴＶＸ」への投資を既に全額回収したと発表し、当初の計画よりも２年早く黒字化を達成した。

　今回の動きは、コムキャストにとって英放送事業への再投資を意味する大胆な戦略となる。同社は２０１８年にスカイを３９０億ドルで買収したが、その後の業績悪化で数十億ドル規模の減損を計上。今年６月には、独スカイ・ドイチュランドを１億７３００万ドルで売却している。

　それでも、英市場での拡大は依然重要な戦略とされており、今回のＩＴＶ買収はスカイとの相乗効果を狙ったものとみられる。スカイとＩＴＶはいずれも英国で有力なニュースおよびスポーツ放送権を持ち、プレミアリーグ中継などで競合関係にある。

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース