（NY時間10:33）（日本時間23:33）
ユナイテッドヘルス<UNH>　287.14（-5.37　-1.83%）

　ユナイテッドヘルス<UNH>が下落。同社のメディケア（高齢者向け公的医療保険）業務に関して米司法省からの刑事および民事の要請に対応していると発表し、過去２年間に報じられてきた調査が事実であることを確認した。

　同社は司法省と協力しており、調査報道が出た後、自ら司法省に連絡を取った上で要請を受け取ったことを明らかにした。同社は提出書類の中で「われわれは責任ある行動と効果的なコンプライアンスにおいて長年の実績がある」と述べている。

　今回の調査確認により、同社が抱える問題は一段と深刻さを増している。同社はすでにＣＥＯを交代させ、業績見通しも撤回している。

　同社は近年、米司法省による複数の調査の対象となっており、２０２４年に反トラスト法に基づく調査が明らかになったほか、今年５月には少なくとも昨年夏以降、同社のメディケア・アドバンテージ事業が調査対象になっていると報じられていた。

　保険会社によるメディケア・アドバンテージの運用方法には以前から疑念の声が上がっている。保険会社は、病状の重い患者を多く扱うほど多くの報酬を受け取る仕組みで、報酬額は提出された診断コードに基づいて決まる。監査機関や内部告発者たちは、保険会社が利益を得るために患者の病状を実際より重く申告していると指摘しており、一部の企業はこの問題で多額の和解金を支払っている。

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース