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    2025年6月1日 14時00分

    【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─買い安心感広がる半導体、宇宙関連には見直し買いも

    「買い安心感広がる半導体、宇宙関連には見直し買いも」

    ●日米中銀トップ発言に関心、日米協議進展あれば上値余地拡大

     6月の東京株式市場は、基本的に堅調な展開となりそうだ。4月の株価調整を経て米トランプ政権の関税政策は織り込まれてきている。6月にかけては3月期決算企業の配当支払いの時期になる。市場では配当総額が10兆円規模との観測もあり、この再投資が下値を支えることになりそう。一方、関税政策では日米協議の行方など先行きには不透明感が強い。買い一巡感もあり、上値を追うにはさらなる手掛かり材料が必要となる。

     日経平均株価の予想レンジは3万7000円~3万9500円。

     6月の注目スケジュールは、米国では6日に雇用統計、11日に消費者物価指数、17日に小売売上高、18日にFOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表など。FOMCでは政策金利の変更はないと予想されるが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の先行きへの見解に注目が集まる。トランプ関税の影響が消費者物価や小売りに出ているのかも注目される。

     日本では2日に1-3月期法人企業統計、13日に先物・オプションの特別清算指数算出日(メジャーSQ)、17日に日銀金融政策決定会合の結果発表、22日に東京都議会選挙投開票など。日銀の政策は変更なしとみられるが、こちらも植田日銀総裁のコメントへの関心が高い。

     また、中旬にはカナダで主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開催される。日米の関税問題に具体的な進展があるかが注目ポイントとなる。

     5月中旬にピークを迎えた3月期企業の決算では、26年3月期に純利益ベースで6%程度の減益を予想する調査機関が多い。当初は関税問題を背景に業績予想を出せない企業が多いとみられていたが、関税の影響も含めて開示する企業が多く、想定よりも堅調といえる。関税の影響が大きい自動車海運セクターが厳しい予想となっている。

     ただ、全産業で6年ぶりの減益予想でPERが16倍に接近という内容では、バリュエーション的には株価の上値は限定的にならざるを得ない。日経平均株価は2月下旬まではおおむね3万8000円~4万円のボックス圏相場となっていた。3万9000円前後では戻り売りが上値を押さえる展開となりそうだ。日米協議に進展があるなど懸念が後退すれば、上値余地が拡大しよう。

    ●国策の追い風吹く防衛・宇宙関連、押し目買い妙味のメガバンク

     今回の決算で業績が堅調だったのが、三菱重工業 <7011> [東証P]、川崎重工業 <7012> [東証P]、IHI <7013> [東証P]を軸とする 防衛・宇宙関連企業で、関税の影響を受けにくい点も評価材料。日本政府は防衛費を27年度までにGDP(国内総生産)比2%へ倍増させる計画で、良好な受注環境が継続する。

     また、カプコン <9697> [東証P]、サンリオ <8136> [東証P]、任天堂 <7974> [東証P]などのコンテンツ・ゲーム関連株も関税の影響が薄い好業績株といえる。

     三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]の メガバンクは26年3月期にいずれも増配、自社株買いを発表している。利回り面の魅力もあり、押し目買いに妙味がありそうだ。

     AI(人工知能)半導体で世界首位のエヌビディア<NVDA>の2~4月期決算が市場予想を上回る好内容となり、半導体関連株に買い安心感が広がっている。後工程ではエヌビディア向け半導体パッケージのイビデン <4062> [東証P]、テスターのアドバンテスト <6857> [東証P]のほか、ディスコ <6146> [東証P]、TOWA <6315> [東証P]、前工程では東京エレクトロン <8035> [東証P]、SCREENホールディングス <7735> [東証P]、日本マイクロニクス <6871> [東証P]など。また、一時は設備投資の鈍化が懸念されたAIデータセンター関連のフジクラ <5803> [東証P]、MARUWA <5344> [東証P]、日東紡績 <3110> [東証P]などにも買い安心感が浮上している。

     一方、宇宙ベンチャーのispace <9348> [東証G]が1月に打ち上げた月着陸船(ランダー)が、日本時間6月6日午前4時24分の着陸を予定している。成功すれば同社株のほか、スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去サービスなどのアストロスケールホールディングス <186A> [東証G] 、地球観測用人工衛星のQPS研究所 <5595> [東証G]、小型SAR(合成開口レーダー)衛星開発のSynspective <290A> [東証G] 、人手を介さずに制御するリアルタイムソフトウェアのセック <3741> [東証P]、衛星画像AI解析などのRidge-i <5572> [東証G]など宇宙関連株に見直し買いが入る可能性がある。

    (2025年5月30日 記/次回は6月29日 配信予定)

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