2025年3月28日 5時35分
ダウ平均は続落 関税賦課で自動車株が下落＝米国株概況
NY株式27日（NY時間16:23）（日本時間05:23）
ダウ平均 42299.70（-155.09 -0.37%）
S＆P500 5693.31（-18.89 -0.33%）
ナスダック 17804.04（-94.98 -0.53%）
CME日経平均先物 37480（大証終比：+70 +0.19%）
きょうのＮＹ株式市場でダウ平均は続落。前日の引け後にトランプ大統領は自動車輸入品に２５％の関税を課す布告に署名し、ＥＵとカナダに対して追加関税を課す可能性も示唆した。米株式市場は自動車株を中心に売りが先行したものの、前日に下げを演じていたＩＴ・ハイテク株に買い戻しが入り、株価指数は一時プラスに転じる場面も見られていた。ただ、上値は依然として重い。
関税が成長鈍化とインフレ上昇につながるのではないかという懸念から、Ｓ＆Ｐ５００は２月から３月にかけて一時１０％超下落し、調整局面に一時入っていた。先週に底を打ってから緩やかに回復しはいるものの、以前のような積極的な上値追いまでは見られず、いまは４月２日に発表される相互関税の内容を見極めたい雰囲気となっている。
一部からは「これまで、バリュエーションがますます割高になる中でも、債券よりも株式を多く保有してきた。しかし、ここ数年で初めて、リスク資産について真剣に懸念を抱くようになった。政策が明確になるまでは少なくとも現金配分を多くすべきであろう」といった声も出ている。
本日買い戻しが入っているＩＴ・ハイテク株についても、先行きに慎重な見方も増えつつある。投資家はＡＩブームのサイクルがいつまで続くのか疑問視している。前日はマイクロソフト<MSFT>が米欧における新たなデータセンタープロジェクトから撤退したとのニュースに不安が再燃していた。ＡＩブームを先導してきたエヌビディア<NVDA>は本日も軟調で３日続落。
自動車株については特にＧＭ<GM>の下げがきつい。ＧＭはメキシコでの車両の最終組み立ての割合が高く、台数も多い。フォード<F>はＧＭやステラティスよりは影響は少ないと見られている。テスラ<TSLA>やリビアン<RIVN>、ルーシッド<LCID>への影響は軽微。テスラは買いが強まっている。
ビデオゲーム販売のゲームストップ<GME>が大幅反落。前日は資産をビットコインで保有するとの発表に動意づき、大幅高となっていたが、本日は時間外で急反落。ビットコイン購入を含む一般的な企業目的のために、転換社債の発行計画を発表したことが嫌気されている。
バイオ医薬品のソレノ・セラピューティクス<SLNO>が急伸。プラダー・ウィリー症候群による過食症の治療薬「ヴィカット（徐放性錠剤）」がＦＤＡの承認を取得したと発表した。
ＡＭＤ<AMD>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。エヌビディア<NVDA>に技術力でさらに遅れを取っており、この事実は同社株を引き続き圧迫する可能性があると指摘している。
３Ｄプリンタ―の３Ｄシステムズ<DDD>が決算を受け下落。１株損益の赤字が予想以上に膨らんだほか、製品売上高も予想を下回った。通期のガイダンスも公表し、予想を下回る売上高見通しを示している。
投資銀行のジェフリーズ<JEF>が決算を受け下落。経常収益が予想を下回った。投資銀行および資本市場部門の減収が響いた。
特殊化学のＨＢフラー<FUL>が決算を受け上昇。１株利益、売上高とも予想を上回った。なお、通期の見通しについては１月の発表を据え置くとしている。
破産法申請中の遺伝子検査会社２３アンドミー<ME>が急騰。同社は更生の１つとして、顧客の遺伝子情報を競売にかけようとしている。プライバシーと安全性に関する現行の法的保護制度が試されているが、販売を試みることができるという判決が下された。
バイオ医薬品のエヌカルタ<NKTX>が急騰。同社は従業員の約３４％を削減し、資金繰りの猶予期間を１年以上延長すると発表した。同社の現金残高は昨年１２月３１日時点で３億８０５０万ドルだった。
ティルレイ<TLRY>など大麻株が上昇。フロリダ州選出の前共和党下院議員で、トランプ大統領が最初に司法長官に指名したゲイツ氏がタンパベイ・タイムズ紙の社説で「トランプ政権は大麻を現在の分類よりも危険性の低い薬物として再分類することを支持しており、有意な変化が訪れる」と述べたことが好感されている。
ＧＭ<GM> 47.20（-3.75 -7.36%）
フォード<F> 9.90（-0.40 -3.88%）
ゲームストップ<GME> 22.09（-6.27 -22.11%）
ソレノ<SLNO> 67.39（+18.42 +37.61%）
ＡＭＤ<AMD> 106.65（-3.54 -3.21%）
３Ｄシステムズ<DDD> 2.15（-0.57 -20.96%）
ジェフリーズ<JEF> 54.35（-5.94 -9.85%）
２３アンドミー<ME> 0.77（+0.24 +45.15%）
ＨＢフラー<FUL> 57.61（+3.29 +6.06%）
エヌカルテ<NKTX> 1.97（+0.60 +43.80%）
ティルレイ<TLRY> 0.71（+0.06 +8.97%）
アップル<AAPL> 223.85（+2.32 +1.05%）
マイクロソフト<MSFT> 390.58（+0.61 +0.16%）
アマゾン<AMZN> 201.36（+0.23 +0.11%）
アルファベットC<GOOG> 164.08（-3.06 -1.83%）
テスラ<TSLA> 273.13（+1.07 +0.39%）
メタ<META> 602.58（-8.40 -1.37%）
ＡＭＤ<AMD> 106.65（-3.54 -3.21%）
エヌビディア<NVDA> 111.43（-2.33 -2.05%）
イーライリリー<LLY> 821.67（-5.09 -0.62%）
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
ダウ平均 42299.70（-155.09 -0.37%）
S＆P500 5693.31（-18.89 -0.33%）
ナスダック 17804.04（-94.98 -0.53%）
CME日経平均先物 37480（大証終比：+70 +0.19%）
きょうのＮＹ株式市場でダウ平均は続落。前日の引け後にトランプ大統領は自動車輸入品に２５％の関税を課す布告に署名し、ＥＵとカナダに対して追加関税を課す可能性も示唆した。米株式市場は自動車株を中心に売りが先行したものの、前日に下げを演じていたＩＴ・ハイテク株に買い戻しが入り、株価指数は一時プラスに転じる場面も見られていた。ただ、上値は依然として重い。
関税が成長鈍化とインフレ上昇につながるのではないかという懸念から、Ｓ＆Ｐ５００は２月から３月にかけて一時１０％超下落し、調整局面に一時入っていた。先週に底を打ってから緩やかに回復しはいるものの、以前のような積極的な上値追いまでは見られず、いまは４月２日に発表される相互関税の内容を見極めたい雰囲気となっている。
一部からは「これまで、バリュエーションがますます割高になる中でも、債券よりも株式を多く保有してきた。しかし、ここ数年で初めて、リスク資産について真剣に懸念を抱くようになった。政策が明確になるまでは少なくとも現金配分を多くすべきであろう」といった声も出ている。
本日買い戻しが入っているＩＴ・ハイテク株についても、先行きに慎重な見方も増えつつある。投資家はＡＩブームのサイクルがいつまで続くのか疑問視している。前日はマイクロソフト<MSFT>が米欧における新たなデータセンタープロジェクトから撤退したとのニュースに不安が再燃していた。ＡＩブームを先導してきたエヌビディア<NVDA>は本日も軟調で３日続落。
自動車株については特にＧＭ<GM>の下げがきつい。ＧＭはメキシコでの車両の最終組み立ての割合が高く、台数も多い。フォード<F>はＧＭやステラティスよりは影響は少ないと見られている。テスラ<TSLA>やリビアン<RIVN>、ルーシッド<LCID>への影響は軽微。テスラは買いが強まっている。
ビデオゲーム販売のゲームストップ<GME>が大幅反落。前日は資産をビットコインで保有するとの発表に動意づき、大幅高となっていたが、本日は時間外で急反落。ビットコイン購入を含む一般的な企業目的のために、転換社債の発行計画を発表したことが嫌気されている。
バイオ医薬品のソレノ・セラピューティクス<SLNO>が急伸。プラダー・ウィリー症候群による過食症の治療薬「ヴィカット（徐放性錠剤）」がＦＤＡの承認を取得したと発表した。
ＡＭＤ<AMD>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。エヌビディア<NVDA>に技術力でさらに遅れを取っており、この事実は同社株を引き続き圧迫する可能性があると指摘している。
３Ｄプリンタ―の３Ｄシステムズ<DDD>が決算を受け下落。１株損益の赤字が予想以上に膨らんだほか、製品売上高も予想を下回った。通期のガイダンスも公表し、予想を下回る売上高見通しを示している。
投資銀行のジェフリーズ<JEF>が決算を受け下落。経常収益が予想を下回った。投資銀行および資本市場部門の減収が響いた。
特殊化学のＨＢフラー<FUL>が決算を受け上昇。１株利益、売上高とも予想を上回った。なお、通期の見通しについては１月の発表を据え置くとしている。
破産法申請中の遺伝子検査会社２３アンドミー<ME>が急騰。同社は更生の１つとして、顧客の遺伝子情報を競売にかけようとしている。プライバシーと安全性に関する現行の法的保護制度が試されているが、販売を試みることができるという判決が下された。
バイオ医薬品のエヌカルタ<NKTX>が急騰。同社は従業員の約３４％を削減し、資金繰りの猶予期間を１年以上延長すると発表した。同社の現金残高は昨年１２月３１日時点で３億８０５０万ドルだった。
ティルレイ<TLRY>など大麻株が上昇。フロリダ州選出の前共和党下院議員で、トランプ大統領が最初に司法長官に指名したゲイツ氏がタンパベイ・タイムズ紙の社説で「トランプ政権は大麻を現在の分類よりも危険性の低い薬物として再分類することを支持しており、有意な変化が訪れる」と述べたことが好感されている。
ＧＭ<GM> 47.20（-3.75 -7.36%）
フォード<F> 9.90（-0.40 -3.88%）
ゲームストップ<GME> 22.09（-6.27 -22.11%）
ソレノ<SLNO> 67.39（+18.42 +37.61%）
ＡＭＤ<AMD> 106.65（-3.54 -3.21%）
３Ｄシステムズ<DDD> 2.15（-0.57 -20.96%）
ジェフリーズ<JEF> 54.35（-5.94 -9.85%）
２３アンドミー<ME> 0.77（+0.24 +45.15%）
ＨＢフラー<FUL> 57.61（+3.29 +6.06%）
エヌカルテ<NKTX> 1.97（+0.60 +43.80%）
ティルレイ<TLRY> 0.71（+0.06 +8.97%）
アップル<AAPL> 223.85（+2.32 +1.05%）
マイクロソフト<MSFT> 390.58（+0.61 +0.16%）
アマゾン<AMZN> 201.36（+0.23 +0.11%）
アルファベットC<GOOG> 164.08（-3.06 -1.83%）
テスラ<TSLA> 273.13（+1.07 +0.39%）
メタ<META> 602.58（-8.40 -1.37%）
ＡＭＤ<AMD> 106.65（-3.54 -3.21%）
エヌビディア<NVDA> 111.43（-2.33 -2.05%）
イーライリリー<LLY> 821.67（-5.09 -0.62%）
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美