先月のドナルド・トランプ氏の米大統領再選がもたらした取引機会は世界的なヘッジファンドにとって極めて有利に働き、業界としては少なくとも４年ぶりの高リターンを達成する勢いだという。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。

　バリアズニー・アセット・マネジメントが運用するヘッジファンドの先月のリターンは３．９％。これにより、１０月まで控えめだった年初来リターンはプラス１１．６％となったという。

　ショーンフェルド・ストラテジック・アドバイザーズの「ファンダメンタル・エクイティ」やシタデルの「タクティカル・トレーディング」ファンドも先月のリターンはプラス。今年に入ってからはそれぞれ１８．６％と２０％を記録したという。

　トランプ氏の選挙勝利後に米国債が下落した一方で米国株やドル、ビットコインは上昇。こうした動きは市場全体で「トランプトレード」として知られるようになり、投資家は２期目のトランプ政権が減税や規制緩和、関税に焦点を当てた政策を次々と打ち出し、経済成長や企業利益を押し上げるだけでなく、インフレも促進させると考えていることを示唆する。

　あらゆる資産クラスでの突然の動きは、ウォール街の有力マクロトレーダーに新たなボラティリティをもたらし、既に多忙だったトレーダーたちにとってさらなる追い風となり、業界全体の利益を押し上げたと伝えている。

株探ニュース