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    2024年7月28日 14時00分

    【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─8月相場はもみ合いか、主力半導体の押し目は中期で狙い目に

    「8月相場はもみ合いか、主力半導体の押し目は中期で狙い目に」

    ●関心高い月末の日米金融政策会合

      8月の東京株式市場は、夏休み期間で市場参加者が少なくなる中で、基本的にはもみ合い相場となりそうだ。2025年3月期第1四半期決算発表がピークを迎えるため、個別で好業績銘柄を物色する動きも想定される。

     日経平均株価は7月11日に史上最高値を付けて以降、上昇はわずか1日。26日までの下落率は10%を超えた。上昇過程で買っていた外国人投資家の先物売りなど需給面が主因。自律反発に向かう公算が大きい。日経平均株価の予想レンジは3万7500円~4万円。4万円以上にはシコリ感が残っており、上値には戻り待ちの売りが出そうだ。

     注目スケジュールはまず、7月31日の米FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表だ。8月にFOMCの開催はなく、次回は9月17日~18日となる。市場では9月の利下げ開始を織り込んでおり、7月でその地ならしがなされるかへの関心が高い。日本でも31日に日銀金融政策決定会合の結果発表と植田総裁の会見が予定されている。国債買い入れ減額などが予想されるが、利上げの確率は低い。植田総裁の賃金上昇や物価見通しへの見解が注目される。こちらも、次回会合は9月19日~20日となっている。

     8月はいずれも米国で1日にISM製造業景況指数、2日に雇用統計、5日にISM非製造業景況指数、14日に消費者物価指数(CPI)、19日~22日に大統領選挙・民主党大会(正式に党の候補者が決定)、21日にFOMC議事要旨などが予定されている。また、中旬には半導体大手エヌビディア<NVDA>の5-7月期決算が発表される見込み。

     国内では、中旬にかけて4-6月期決算発表がピークを迎える。期初段階では会社側予想の25年3月期の純利益は4%減であり、これがどの程度上乗せされるかが注目される。23日現在では日経平均株価の予想1株利益は2361円で、PERは16.8倍となっている。主要決算では1日にトヨタ自動車 <7203> [東証P]、三菱商事 <8058> [東証P]、日本製鉄 <5401> [東証P]、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、2日に任天堂 <7974> [東証P]、5日に伊藤忠商事 <8001> [東証P]、6日に東京海上ホールディングス <8766> [東証P]、ダイキン工業 <6367> [東証P]、三菱重工業 <7011> [東証P]、7日にソニーグループ <6758> [東証P]、ホンダ <7267> [東証P]などが予定されている。

    ●インバウンドでは鉄道関連にピンポイントで注目

     半導体関連株が調整局面入りとなっているが、中国に対する先端品の輸出規制強化やトランプ氏による台湾への牽制発言などが要因となっている。ただ、現在でも先端品の輸出は規制されており、実質的な影響は限定的と見られる。エヌビディアの決算次第では見直される可能性もある。ディスコ <6146> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、HOYA <7741> [東証P]、SCREENホールディングス <7735> [東証P]などの主力株の押し目は中期的に狙い目となる可能性が大きい。

     米大統領選では現職のバイデン氏が撤退したことで行方が混沌としている。ただ、トランプ前大統領の銃撃事件以来、トランプ氏の優位が伝わっている。民主党はカマラ・ハリス副大統領が次期候補として優勢とされるが、候補に決定したとしても具体的な公約はこれからになる。推進政策に関連した銘柄を物色する「トランプ・トレード」が続く可能性がある。インフラ整備ではコマツ <6301> [東証P]、日立建機 <6305> [東証P]の建設機械や、クボタ <6326> [東証P]、酒井重工業 <6358> [東証P]。日本に防衛関係費の上乗せを要求する可能性が高く、三菱重工業、川崎重工業 <7012> [東証P]、IHI <7013> [東証P]、東京計器 <7721> [東証P]など。

     これまでのところ、ハリス氏は気候変動対策や医療保険制度改革法(オバマケア)の強化などの政策を優先すると報じられている。電気自動車(EV)関連水素関連に関心が向かうかもしれない。パナソニック ホールディングス <6752> [東証P]、ニデック <6594> [東証P]、岩谷産業 <8088> [東証P]などはチェックしておきたい。

     訪日外客数が増加傾向を継続しており、 インバウンド関連にも引き続き妙味がある。こうした中で、鉄道関連株をピンポイントで注目したい。JR九州 <9142> [東証P]が、25年4月からの運賃引き上げを申請したことを契機に上場来高値まで買い進まれている。百貨店など小売株の株価がインバウンド関連で堅調な一方、鉄道株は年初来安値に落ち込む銘柄があるなど、織り込み済みとの評価になっているところが少なくない。JR九州の株価動意は、波及効果が期待される。JR東日本 <9020> [東証P]、JR東海 <9022> [東証P]、JR西日本 <9021> [東証P]のJR各社のほか、東急 <9005> [東証P]、京浜急行電鉄 <9006> [東証P]、小田急電鉄 <9007> [東証P]、京王電鉄 <9008> [東証P]などは下値不安が乏しいともいえる。

    (7月24日 記/次回は9月1日配信予定)

    ■和島英樹(Hideki Wajima)
    株式ジャーナリスト
    日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

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