テーマ
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IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
特定の金融機関に所属せず顧客の資産形成の助言をするIFA(Independent Financial Advisor)は、個人向け金融サービスとして、米国で急成長している。証券会社や銀行などの金融機関に所属しないIFAは、専門知識を背景にした中立的な立場からの投資アドバイスを売り物にしており、いまや米国の個人金融資産の3分の1をIFAが担っているとも言われている。富裕層を含む個人投資家を対象に長期ベースでの資産運用をアドバイスすることで、リテール関連の金融市場を着実に開拓している。
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IoT
IoTとはあらゆるモノがインターネットを通じてつながること。米調査会社の調べによると、IoT関連のハードウエア、ソフトウエア、サービスなどに支出される金額は21年には17年比75%増の1兆4000億ドル規模になるとも予想されており、人工知能(AI)と並ぶ重要技術としてさまざまな分野で開発が進められている。中でも、建造物や家屋内外のオートメーションやスマート製造業、スマート・モビリティ、ロジスティック、健康・医療、小売り、セキュリティーなどの分野で成長が見込まれている。
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ICタグ
バーコードの発展形ととらえられ、関連銘柄もバーコード周辺の技術を有する企業が有力視される。ICカードとは異なり、記憶対象は主にID番号で情報量が少ないほか、リードオンリーなのでICチップの面積は小さくて済む。
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アイスホッケー関連
米国では北米4大スポーツリーグと称され、国民的な娯楽として愛されているプロスポーツ競技がある。日本人プレーヤーの活躍で日本での知名度も高いメジャーリーグベースボール(MLB)、世界最高峰のバスケットリーグに位置づけられ、日本人プレーヤー八村塁の参戦で注目が高まるナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)、同国で最も高い人気を誇るアメリカンフットボールのナショナル・フットボール・リーグ(NFL)。そして、アイスホッケーのナショナル・ホッケーリーグ(NHL)である。サッカー人気の高まりも著しいが、米国での市場規模は4大スポーツには及ばない。 NHLは31チームで構成され、その内訳はアメリカが24、カナダが7チームである。カナダでのアイスホッケー人気は米国のそれを凌ぐほどで、米国チームにも多くのカナダ人が参加する。アイスホッケーは選手による激しいぶつかり合いを伴うことから「氷上の格闘技」とも呼ばれ、スピード感溢れるダイナミックプレーが観客を魅了し、北米のみならずロシア、スウェーデンなどでも人気は高い。他の4大スポーツリーグ同様、商業的ビジネスとしての価値は高く、NHLの米国におけるテレビ放映権料は年間2億ドル、広告料や入場料、グッズ販売などを含めた同リーグの年間総収入は40億ドルに迫るとされる。また、米国でのスポーツ賭博の合法化(2018年に最高裁判断)を受け、今後、スポーツ賭博による増収効果(一部試算では年2億ドル超と予測)なども期待されている。 アイスホッケー関連銘柄としてはスポーツ用品のナイキ、NHLの放映権を有するNBCスポーツを傘下に擁するコムキャスト、ゲーム「NHL」シリーズを手掛けるエレクトロニック・アーツ、スポーツ賭博でNHLとスポンサー契約を結ぶMGM リゾート インターナショナル、カナダでNHLの試合を中継するロジャース・コミュニケーションズ 、そのほかNHLのスポンサー企業であるモルソン・クアーズ・ビバレッジやダンキン・ブランズ・グループなど。
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IT関連
ITとは「Infomation Technology(情報技術)」の略称。株式市場ではコンピューターをはじめとする電子機器などハードウェアからインターネットを活用したサービスやソリューション、データー通信まで幅広い分野を指す。フロンティア・スピリット(開拓者精神)の流れを汲む、リスクを恐れぬ起業家精神に支えられて、米国は「GAFAM(アルファベット(※グーグルを運営)、アップル、メタ・プラットフォームズ(※フェイスブック、インスタグラムを運営)、アマゾン、マイクロソフト)」を核にこれまでIT分野で圧倒的な競争力を誇ってきた。だが、競争力の源泉がビッグデータの活用へと移る中、国家主導で膨大なデータと先端技術の集積を進めてきた中国との間で競争が激化している。特に5G、AI(人工知能)、量子コンピューター、クラウドといった次代の産業の礎となる分野を巡る両国企業の覇権争いからは目が離せない。
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アウトドア
米国は広大な国土を持ちトレッキングや登山、釣り、キャンプ、ハイキングなどのアウトドア活動が活発であり、その市場も大きい。移動に伴う旅行や飲食などを含めると市場規模は莫大で日本の100倍近くに達するとの見方もある。米国アウトドア産業は、雇用増加や消費の喚起など経済成長に対して貢献している。また、米国のアウトドア製品には有名ブランドも多く、日本を含む海外でも高い人気を誇る。
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亜鉛
亜鉛は原子番号30の金属元素で、元素記号は Zn。主に、さび止め用のめっき鋼板として自動車向けや建設などのインフラ向けに使用されている。世界最大の消費国、鉱石生産国はともに中国だ。 近年では、中国の環境規制を背景に生産の伸びが鈍化しているほか、世界各地で鉱山閉鎖も相次ぎ需給がひっ迫している。非鉄金属は金や銀、銅が注目されがちだが、需給ひっ迫に伴い亜鉛に対する関心も高まっている。 カナダの資源大手テック・リソーシズや豪英資源大手のBHPビリトンなどが亜鉛の生産を手掛けている。
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アクティブETF
アクティブETFは、指数連動型のETF(上場投資信託)とは異なり、連動対象となる指標が存在せず、運用会社はリターン拡大のため銘柄などを自由に選ぶことができ、従来のETFでは設定が難しかった投資テーマや戦略も提供することができる。運用報酬は一般的には、従来型のETFよりは高いがアクティブ型投資信託よりは低い。ETFであるためリアルタイムで時価での売買もできる。アクティブETFは世界の多くの取引所に上場しており、その純資産残高は2023年11月時点で6800億ドル超に達したとみられている。アクティブETFの世界最大の市場である米国では、その比率はETF全体の5%強に成長していると推測され、株式型や債券型など様々なタイプのアクティブETFで活発な売買が行われている。特に、「ハイテク株の女王」と呼ばれるキャッシー・ウッド氏が率いるアーク・インベストメント・マネジメントの旗艦ファンド「アーク・イノベーションETF」の動向が株式市場で高い関心を集めるなど、アクティブETFの存在感は急速に高まっている。
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アップル
米アップル社は、米IT関連の大手企業で世界トップの時価総額を誇る。スマートフォンの「iPhone」を筆頭に、パソコンの「Mac(マック)」、携帯音楽プレーヤーの「iPod」、タブレット端末の「iPad」、ウェアラブル端末の「Apple Watch」などを次々とヒットさせIT業界の寵児となった。特にiPhoneは世界中に多くのユーザーを抱え、その販売動向は同社と取引関係を持つ電子部品会社やハイテク関連企業などの株価に多大な影響を与えている。「Apple Music」や「App Store」といったサービス事業も収益の柱に育っており、強力なハードウェア製品との連携により築かれた強固なエコシステムが同社のビジネスモデルの特徴となっている。また、ゴールドマン・サックス・グループと組み、高金利を謳う普通預金口座サービスも開始した。アップルは例年9月に新型iPhoneを発売しており、その販売動向が話題となることが多い。
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後払い(BNPL)
「BNPL(Buy Now Pay Later:バイ・ナウ・ペイ・レイター)」と称される「後払い決済」サービスが急速な成長を遂げている」。BNPLは主にECサイトでの決済に利用される。決済する際にカード番号などをユーザーが入力する必要がなく、商品を受け取った後に請求書を使いコンビニエンスストアや銀行などで支払いを行うことができる。クレジットカード番号をウェブサイトで入力することに不安を抱いたり、クレジットカードを保有しないユーザー層からの支持を得て急成長している。事業者が小売店に立て替え払いをするため、短中期の分割払いなら利用者に手数料や金利負担は発生しない。EC決済でクレジットカードを使うユーザー層の市場を奪取していくことへの期待が高まっている。急速に伸びるBNPLだが、消費者が過剰債務を抱えることへの懸念も出ている。
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アニメ
アニメーションは、映画やテレビの人気コンテンツとして欠かせない存在となっている。全米の映画の歴代興行収入ランキングでは、長編アニメ「ファインディング・ドリー」や「アナと雪の女王2」といった作品が上位に顔を出すなど高い人気を誇る。テレビやケーブルテレビなどでもアニメが高視聴率番組となっており、1989年の放送開始以来、30年以上続く「ザ・シンプソンズ」といった長寿番組もある。動画配信サイトにおいてもアニメ配信を牽引役に加入者数の拡大を図る動きが活発化している。21年には期待の新作「ボス・ベイビー2」などが全米公開されるが、コロナ禍での日本でアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が記録的な興行収入を達成したこともあって、あらためてアニメの持つコンテンツパワーが注目されている。人気アニメはゲームのキャラクターや玩具に採用されることも少なくない。アニメは若者だけでなく、世界中の老若男女に人気となっており、その市場規模は拡大を続けている。関連銘柄は、ウォルト・ディズニー(DIS)やネットフリックス(NFLX)のほか、ワーナー・ブラザーズを傘下に持つAT&T(T)、ユニバーサル・ピクチャーズを擁するコムキャスト(CMCSA)、ゲーム関連のアクティビジョン・ブリザード(ATVI)、玩具のマテル(MAT)など。
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アパレル
アパレルは衣服や服装を意味する英語由来の言葉。主として衣服の企画・製造・販売を行う企業のことをアパレルメーカーという。 米国には世界最大級のスポーツアパレルメーカーであるナイキをはじめブランド力の強い企業が多い。一方でSPA(製造小売り)を提唱して先行したギャップが、事業モデルを模倣した後発企業の後塵を拝するなど厳しい競争が繰り広げられている。業績が流行の影響を受けやすい点にも注意が必要で、個別企業の吟味が重要となる。
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アフリカ関連
アフリカで企業活動を行い収益を得ている企業や、アフリカの経済成長から恩恵を受けるとみられている上場企業の総称。 アフリカには原油や天然ガス、レアアース、プラチナなど天然資源が豊富な国が多く、これらの国で資源開発を行う企業がアフリカ関連銘柄の代表的存在となっている。また、ナイジェリアや南アフリカなど急速な経済成長が続く国も増えており、インフラ開発や消費者向けビジネスを手掛ける企業も新たにアフリカ関連銘柄として位置づけられるようになりつつある。
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アメリカンフットボール関連
アメリカンフットボール(アメフト)は米国で最も高い人気を誇るスポーツ。そのプロリーグであるナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の優勝決定戦となるスーパーボウルは、毎年2月上旬の日曜日に開催されている。スーパーボウルは世界200カ国以上に放送され、視聴者数は全米で1億人を超える。スーパーボウルのテレビコマーシャル枠は世界で最も高価とされ、広告料は高騰を続けている。スーパーボウルは、アメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)とナショナル・フットボール・カンファレンス(NFC)の覇者同士が闘うが、株式市場ではNFCのチームが勝つとその年の相場は上昇し、逆にAFCのチームが勝つと下落するという「スーパーボウル指数」と呼ばれるアノマリーでも知られている。
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アルミニウム
銀白色の軟らかく軽い金属で、硬貨から日用品、建築材、電線、自動車や鉄道車両部材まで幅広い分野で利用されている。アルミニウムの比重は鉄や銅に比べて約3分の1で、軽量化を図れることから自動車などの輸送分野で多くのアルミニウムが使われている。また、電気を通しやすい、耐食性に優れる、複雑な形状の鋳物も鋳造しやすいなど金属として優れた特性を持つ。アルミニウムは「電気の缶詰」と称されるほど製造時に大量の電力を用いるため、エネルギー価格変動の影響も受けやすい。
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アンチエイジング
アンチエイジングとは、加齢によって起こる老化の原因を抑制することで、老化の予防や改善を図ること。米国では「ベビーブーマー」世代(1946~1964年生まれ)が老年期を迎えるのに伴い、アンチエイジング市場の成長が見込まれている。米統計局の推計では29年までに米国人の2割以上を65歳以上の老年期世代が占めるとされており、化粧品や製薬、美容医療、化学メーカーなど幅広い分野の企業がアンチエイジングに関わる製品を投入している。アンチエイジングには、肌の老化を防ぐためのスキンケアやサプリメントの摂取などさまざまな方法があるが、肌が自ら修復・再生する機能のオートファジーや長寿遺伝子を巡る研究なども活発化している。
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アンモニア
アンモニアは常温では鼻を突く強い臭いを持つ無色の気体で、硝酸や肥料などの原料として用いられているほか、ナイロンなどの合成繊維、ABS樹脂などの製造に利用されている。また、加圧・冷却により液化した液体アンモニアは冷凍・製氷用冷媒のほか、発電所や工場で発生するNox(窒素酸化物)を処理する排煙脱硝装置、鉄鋼製品の表面処理などに使われている。 肥料からさまざまな工業用途まで幅広く利用されているアンモニアだが、株式市場で関連株が注目されている背景には、世界的な環境意識の高まりに伴い、各国で脱炭素化に向けた動きが加速化していることがある。米国はバイデン政権の誕生を機にパリ協定への復帰を表明し、気候変動問題への危機感を背景に2050年にカーボンニュートラル(二酸化炭素排出実質ゼロ)を掲げる欧州とも足並みを揃えている。脱炭素化への取り組みで遅れが指摘されていた日本も50年までに、また中国は遅くとも60年までにカーボンニュートラルを実現すると表明している。 こうしたなか、アンモニアはクリーンエネルギーとして期待されている水素を効率よく運ぶことができる媒体(キャリア)のひとつであるほか、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないことから温室効果ガスの排出量削減に大きく寄与する可能性があり、将来のカーボンフリー燃料としての活用が期待されている。
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RPA
RPAとはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、ロボットによる業務自動化の取り組みのこと。主に人事や経理、総務、営業管理などバックオフィスの業務を自動化するシステムで、物理的なロボットが作業を支援するのではなく、人間の知能をコンピューター上で再現しようとする人工知能(AI)や、AIが反復して学ぶ「機械学習」といった技術を用いたソフトウエアによってホワイトカラー業務を代行することをいう。
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イスラエル関連
中東のイスラエルは、IT・ハイテク産業が成長しており「中東のシリコンバレー」とも呼ばれている。人口は800万人台だが、一人当たりGDPは高水準でOECD(経済協力開発機構)にも加盟し先進国として位置づけられる。米国は、イスラエルに対して多大な経済・軍事援助を行うなど密接な関係を築いている。イスラエルに本社を置き米国市場に上場する企業には、セキュリティソフト大手のチェックポイント・ソフトウエア・テクノロジーズや太陽光発電関連のソーラーエッジ・テクノロジー、それに米国市場にADR上場しているジェネリック医薬品(後発医薬品)大手のテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズなどがある。また、インテルは自動運転関連の注目ベンチャー企業、モービルアイを買収し傘下に収めている。なお、2023年10月に発生したイスラエルとイスラム組織ハマスによる大規模な衝突では双方に多数の死傷者が出るなど対立が激化しており、イスラエル経済や同国を基盤とする企業への影響も懸念されている。
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遺伝子検査
遺伝子検査とは採取が容易な血液や唾液、口の中の粘膜の細胞などを使って遺伝子情報を解析する検査を指す。遺伝子情報を知ることで発症しやすい病気やそリスクの高さを知ることができ、予防や早期治療に効果的に活かすことが可能となる。また、がんなどで特定の原因遺伝子に作用する分子標的薬を使い、治療効果を高めながら副作用を抑える、個人に最適な「個別化医療=テーラーメイド医療」の基盤ともなっている。
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遺伝子治療
遺伝子治療とは、病気の原因となる遺伝子を破壊したり、正しい遺伝子と入れ替えたりすることで病気を治療すること。欧米の大手製薬メーカーには、遺伝子治療に携わるバイオベンチャーに大型M&Aを仕掛ける動きが相次いでおり、遺伝子治療はバイオのなかでも最も注目を集める分野となっている。遺伝子治療で、バイオ技術である「ゲノム編集」を用いた場合、病気の原因遺伝子を働かなくしたり、正常な遺伝子を組み込んだりして副作用が少なく効果的な治療ができることが見込まれている。米国を含め各国では、遺伝性難病やがんを対象に遺伝子治療の臨床研究が進められている。
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医薬品関連
医薬品業界は世界的に新薬不足が意識されるなか、医療費抑制の問題もあり創薬ベンチャーなどを含め業界再編の波が押し寄せている。また、ジェネリック医薬品(後発薬)市場も拡大しており、後発薬メーカーはM&Aによる生産能力拡大でスケールメリットを狙う動きが活発化している。製薬大手のファイザーやメルク、ギリアド サイエンスなどがマーケットで存在感を示している。
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医用分析装置
医用分析装置とは、血液や尿、各種細胞、遺伝子などを分析して病気や疾患の状況を把握する装置のこと。成人病検診やがんの早期発見・治療などで用いられ、医療分野には欠かせない機器となっている。検査分析の正確さに加え、大量の検査ができる高速性などが競われている。
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医療機器
米国は医療機器の世界最大のマーケットであり、その機器は世界最先端を誇り、多くの企業がグローバル市場でのキープレーヤーとなっている。技術の発達に加え、高齢化の進展に伴う需要拡大で米国の医療機器市場は着実な成長を続けている。AI(人工知能)やロボットの技術を活用した医療用機器も登場するなど、投資家からの注目度も高い。主な関連銘柄には、ペースメーカーで世界トップのメドトロニックや心臓カテーテル、内視鏡検査装置などで高実績を持つボストン サイエンティフィック、腎臓透析に強みを持つバクスター インターナショナル、手術支援ロボットのインテューイティブ サージカルなどがある。
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医療保険
日本のような国民皆保険制度を採用していない米国では、多くの国民は民間の保険会社の保険を中心に加入する。65歳以上の人や障害者のための公的保険の「メディケア」や低所得者のための医療給付制度「メディケイド」があるが、医療保険に入っていない無保険者も多く大きな社会問題となっている。米国の医療保険制度は、大統領選などにおける政策テーマともなっており、米国の医療保険会社の株価は政治の影響を受けやすい特徴がある。アマゾンがバークシャ・ハサウェイ、JPモルガンとともに従業員の健康保険を管理する新会社を設立したことなども話題を集めた。関連銘柄は、医療保険最大手のユナイテッドヘルス・グループ、同2位のアンセム、薬剤給付管理(PBM)など管理医療を手掛け医療保険大手のエトナを買収したCVSヘルス、ヒューマナなど。
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印刷
印刷業は、包装紙やパッケージ印刷、シール、ラベル、書籍、新聞、カタログやDMまで裾野は幅広い。また、その市場は景気との連動性の高さでも知られる。15世紀半ばのヨハネス・グーテンベルクによる活版印刷技術の発明は「印刷革命」と呼ばれ、情報の大量複製と配布を可能にし、人類のコミュニケーションに飛躍的な進化をもたらした。以来、人の経済活動の広がりとともに歩んできた印刷業界だが、近年、デスクトップパブリッシング(DTP)やオンデマンド印刷の普及、インターネットや電子書籍といったデジタル媒体の登場により、紙メディアの需要減が指摘されるなど業界を取り巻く環境は大きく変化している。今後は印刷物の品質やコストだけでなく、クライアントの抱える多様な課題を見出し、解決策までを提示できるソリューション・プロバイダーとしての発展が望まれている。
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インターネット関連
インターネット関連事業を行う企業のこと。米国はインターネットの発祥地であり、市場形成の先導役を果たした。その結果、米国にはインターネットの世界的な巨大企業が誕生し、急成長している。検索エンジン世界最大手の「グーグル」を傘下に擁すアルファベット(※グーグルを運営)や世界中で利用されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「フェイスブック」・「インスタグラム」等を運営すメタ・プラットフォームズ、ECサイト世界大手のアマゾンなどがその例だ。引き続きインターネット関連市場の拡大とともに成長が見込まれる企業が多いのが特徴といえる。
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インターネット広告関連
近年の先進国の広告市場の成長率は1ケタ台半ばにとどまり、やや伸び悩みの傾向にある。そのなかで急成長を続けているのが、インターネット広告市場だ。海外の調査機関によるとインターネット広告の市場は19年まで市場規模が20%近く増加し、20年以降は新型コロナウイルスの影響が警戒されるものの、デジタル経済の伸びとともに10%強の成長が続くと予想されている。特に、アマゾンやメタ・プラットフォームズ(※フェイスブック、インスタグラムを運営)、アルファベット(※グーグルを運営)などの大手ITデジタル関連企業は、Web上で積極的な広告事業を展開しており市場の急成長に大きく寄与している。インターネット広告ではコンサルティング系デジタル会社が強く、アクセンチュアやIBMなどが高い実績を持つ。また、オムニコム・グループ、インターパブリック・グループなどの大手広告代理店も存在感を示している。
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インド関連
国連人口基金(UNFPA)が2023年4月に発表した「世界人口白書2023」によると、23年のインドの人口は14億2860万人と中国の14億2570万人を上回って世界最多になったとみられ、「21世紀はインドの時代」と予想する声が高まっている。足もとでは、コロナ禍の影響を受けたものの、高水準の経済成長を続け世界の投資資金を引きつけてきた。14年に就任したモディ首相が推進する改革志向の政策は「モディノミクス」とも呼ばれ高い評価を得ている。インドの国内総生産は26年には日本、27年にドイツを抜き世界第3位の経済大国となる、との予想もある。米国と中国の摩擦が拡大するなか、インドは欧米を中心に進行する「脱・中国」の受け皿となるとの期待が膨らんでいる。インドはソフトウエアや後発医薬品の開発などで強みを持っており、関連銘柄への注目が高まっている。
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インフラ
米国では、道路や橋梁、上下水道設備などのインフラ設備の老朽化が深刻な問題となっており、設備の更新に向けた需要は強い。財政負担が増し赤字拡大につながるとの慎重な見方も少なくないものの、景気刺激策としてインフラ投資に期待する声は強い。2020年11月の米国大統領選挙でトランプ氏を破って大統領に就任した民主党のバイデン氏も、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ景気の回復を図るためにインフラ投資を積極的に推し進めようとしている。特に、米国では2022年8月に「インフレ抑制法」と呼ばれる「歳出・歳入法」が成立した。同法はインフラ投資の活発化をもたらす内容を含んでおり、今後のインフラ投資需要の盛り上がりが期待されている。
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インフルエンザ関連
インフルエンザウイルスによって起こるウイルス性呼吸器感染症を治療するワクチンなどを扱う企業を指す。インフルエンザは罹患すると咳や喉の痛みのほか高熱を伴い、気管支炎や肺炎といった合併症を引き起こすことがある。インフルエンザには遺伝的に小さく変異しながら毎年流行する「季節性インフルエンザ」と、動物間で感染するウイルスが変異してヒトに感染する「新型インフルエンザ」がある。このうち「季節性」は早期治療により重症化を防ぎやすいが、大多数が免疫を持たない「新型」は爆発的流行が懸念される上、重症化する可能性も高くなる。 2017-18年の冬に米国でほぼ全土に感染が拡大したインフルエンザの流行では8万人が死亡したとされ、1976年以降で最悪の結果となった。猛威を奮った背景には、ウイルスが「新型」であったことと、ワクチンの接種率が低かったことが指摘されている。たとえウイルスが新型であっても、予防対策としては重篤な合併症のリスクを軽減する意味でもワクチンの接種、感染を防ぐためのマスクや殺菌剤の利用が重要となる。また、感染後の対応ではウイルスの増殖を阻害する抗インフルエンザ薬が用いられ、株式市場でも開発に関わる関連企業への関心は高い。 ここ数年、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の影に隠れてその脅威が見過ごされてきたが、2022年12月時点で米国のインフルエンザ患者数は過去10年で同時期としては最多に達し、新型コロナ、RSウイルスによる呼吸器感染症が同時流行する「トリプルデミック」が警戒されている。
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飲料
飲料業界の世界市場は順調に拡大している。世界人口の増加に加え、新興国の経済成長に伴う需要が増加していることに加え、先進国でも景気拡大が追い風となっている。地域的には中国やインド、インドネシアなどを含むアジア太平洋地域は市場規模が大きいうえに成長率も高く、世界市場を牽引している。飲料業界には、収益力が高く業績が安定している企業が多いことも特徴だ。関連銘柄ではコカ コーラはノンアルコール飲料大手で、世界200カ国超で事業を展開。ペプシコは飲料大手でスナック菓子なども手掛けている。コンステレーション ブランズは酒類大手でビールの「コロナ」などで知られるほか、モルソン クアーズ ブリューイングはビールの「クアーズ」などを製造している。
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ESG投資
「ESG」とは環境(Enviroment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取ったもので、気候変動や人口増加といった地球規模の課題解決に向け、投資の際にこれらの基準を取り入れる動きを指す。国際団体の「世界持続可能投資連合」(GSIA)によると2018年の世界のESG投資額は16年に比べ3割強増加し、30兆6830億ドル(約3360兆円)に拡大している。欧州ではESG投資の比率が5割前後に達している。米国企業もESG投資に前向きで、大手資産運用会社ブラックロックは、ESGを柱とした運用を強化すると宣言。石炭株など化石燃料関連への投資を削減する一方、ESG関連の上場投資信託(ETF)の数を倍増する方針を明らかにした。また、マイクロソフト(MSFT)は、30年までに二酸化炭素の排出削減量を排出量より多くすると宣言している。環境だけではなく、社会的公平性、コーポレートガバナンスなどの視点を取り込んだ「ESG」は今後の投資の主流となることは間違いないとみられている。マイクロソフト(MSFT)やアップル(AAPL)といった大手IT企業やコンサルティングのアクセンチュア(ACN)、金融大手のモルガン・スタンレー(MS)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)、コカ・コーラ(KO)、スリーエム(MMM)などが関連銘柄となる。
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eコマース
「Electronic Commerce」の略で電子商取引一般を示す。大きく分けて、企業同士の取引を「BtoB(B2B)」、インターネットショップなど企業と消費者間の取引を「BtoC(B2C)」、インターネットオークションやフリマアプリなどの消費者同士の取引を「CtoC(C2C)」と呼ぶ。 米国のEC(電子商取引)市場は中国に次ぐ規模で、この2強が他国を引き離す形で成長を続けている。その米国で他を圧倒する存在感を示しているのがアマゾンであり、“アマゾンエフェクト”と呼ばれる影響力は百貨店など一部の既存小売業に退出を迫るほど圧力が高まっている。これに対しウォルマートなど既存の小売業はネットや店舗、イベントなどあらゆるチャネルを活用する「オムニチャネル」戦略でアマゾンの牙城の切り崩しに動いている。一方、アマゾンはリアル店舗でレジ無しの無人コンビニを開店するなど、ネット、リアルで互いの領域に踏み込んでおり、EC市場を軸にした企業間の競争の構図は複雑さを増している。 なお、ブラックフライデー(感謝祭の翌日の金曜日)や中国の独身の日(11月11日)前後は消費関連への関心が高まりやすいが、特に独身の日ではeコマースが注目を集める傾向にある。
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eスポーツ
ビデオゲームを競技として行う「eスポーツ」は若者を中心に人気が爆発。複数のプレーヤーが対戦し、それを観戦するeスポーツは、世界で最も急成長しているスポーツと言われている。eスポーツの世界市場規模は、22年には23億ドルと17年に比べ5割増に拡大するとの予想もある。優勝者には高額な賞金を出す大会が開催されているほか、今後、オリンピックの種目となるとの見方も有力だ。ゲーム大手のエレクトロニック アーツやアクティビジョン ブリザードなどはeスポーツ大会を主催するなど積極的な活動を行っている。また、テレビ会社などメディア企業ではeスポーツの中継が新たな人気コンテンツとなることも期待されている。
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eラーニング
eラーニングは「electronic learning」の略称で、オンライン教育と同義で使われる。パソコンやタブレットなどモバイル端末を使い、主にインターネットなどのネットワークを介して遠隔で行う学習形態を指す。インターネットの普及により、場所や時間の制約を軽減して良質なコンテンツを提供できる環境が整ったことで、学業のみならずビジネス研修、資格取得など幅広い分野で活用が進み、関連企業の収益機会が拡大している。特に2019年末に中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大により、米国においても休校措置が広がり、教育手段としてのeラーニングが見直されている。関連企業としてはオンライン教育サービスを手掛ける2Uやアメリカン・パブリック・エデュケーション、グランド・キャニオン・エデュケーションなどがある。
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ウインタースポーツ
スキーやスノーボード、スケートなど、雪や氷を利用して冬季に行われるスポーツ。このほか、アイスホッケーやバイアスロン、クロスカントリー、ボブスレー、リュージュ、カーリングなど数多くの競技がある。2022年2月に中国・北京で冬季五輪が開催されることもあり一段の高い関心を集めている。ウインタースポーツの代表格であるスキー・スノーボードの世界における潜在的人口(スキー・スノーボードを経験したことのある人口)はおよそ1億3000万人前後とみられ、国別では世界最大となる米国は2500万人程度で安定的に推移している。世界の潜在的人口のおよそ5割以上を占めるのが米国、ドイツ、日本、フランス、英国、中国の6ヵ国だが、冬季五輪を控えてウインタースポーツの強化を進める中国を除いて、総じて近年は横ばいで推移している。中国の伸びは著しく、すでに日本を上回る規模となっていると推測される。これまではウインタースポーツの本場は欧米だったが、市場としては中国も無視できない存在に育ちつつある。米国にはウインタースポーツに関しても世界的な知名度を有する数多くのアパレルメーカーやスポーツ用品メーカーが存在しており、中国などの台頭も新たな商機として捉えて成長の糧とすることが期待される。
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ウェルスマネジメント
ウェルスマネジメントは、金融機関、専門家が富裕層向けに提供する総合的な資産管理サービスを指す。狭義の資産運用にとどまらず、資金調達や資産・事業承継(相続対策)、節税対策、M&A、不動産の有効活用まで包括的に適切な管理サービスを提供する。米国の富裕層(純金融資産100万ドル超)の人口は2000万人を超え、2位の中国(600万人弱)以下を大きく引き離す。また、調査会社Altratによると、純金融資産3000万ドル超の超富裕層は米国が13万人弱と世界の超富裕層人口の3割超を占める。欧米企業は富裕層の資産管理を担うウェルスマネジメントで先行するが、北米・アジアを中心とする世界的な市場規模の拡大を背景にさらなるビジネスの成長が期待される。各国政府による富裕層向けの課税強化、日本などでの富裕層の高齢化といった環境の変化も追い風になるとみられている。
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ウェアラブル端末
ウェアラブル端末とは、服や腕などに身に着けたまま使える情報端末のこと。腕時計型やリストバンド型、耳掛け型、靴・衣類型など様々な種類が普及している。ランニングやサイクリングなどスポーツやアウトドアで有用な計測機能を有していたり、健康管理のツールとして心拍数や睡眠データなどヘルスケア機能を持っていたり、あるいは産業用に活用されるなど用途は幅広い。2015年に「アップルウォッチ」が発売され話題を集めたが、その後もウェアラブル端末は着実な人気を呼び普及が進んでいる。また、メタバースにおける没入感を高める機器としてVRヘッドセットやARグラスといった機器の開発も加速しており、ウエアラブル端末の活用形態は今後も進化を続けていくことが予想され、高い成長性を秘めている。
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宇宙開発関連
国家を主役に展開されてきた宇宙開発に、民間主導という新たな風が吹き始めている。宇宙産業は衛星打ち上げや宇宙旅行事業、さらに軍事関連などにも絡み、今後の高い成長が期待されている。米テスラを率いるイーロン・マスク氏は、自身が創設したベンチャー企業のスペースXで宇宙開発を進めている。また、米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏や英ヴァージン・グループ創業者のリチャード・ブランソン氏といった著名起業家が相次いで「宇宙旅行」を成功させた。米国は2026年に再び宇宙飛行士を月面に送る「アルテミス計画」を推進しているほか、ロシアや中国も宇宙開発に積極的に乗り出しており、宇宙は防衛政策の観点からも重要性が増している。24年2月には米民間企業インテュイティブ・マシーンズが開発した無人月着陸船「ノバC」が月着陸に成功し、民間企業として初の偉業を成し遂げた。米国としてもアポロ17号以来、52年ぶりの月着陸となる。宇宙産業は21世紀の巨大ビジネスに成長するとの期待も強く、関連銘柄の動向が関心を集めている。
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運輸
運輸セクターは、人の移動や荷動きを表すため景気の状況をいち早く把握するのに適している業界といわれる。このため、米国の運輸株指数は株式市場の先行指標として注目されており、ダウ・ジョーンズ運輸株指数などの動向が投資家の関心を集めている。米国の運輸株には、世界最大手の小口貨物輸送会社のユナイテッド パーセル サービス、航空貨物輸送会社のフェデックスなどの大手物流企業がある。また、世界最大の航空会社グループであるアメリカン航空といった航空株、米国最大の鉄道会社であるユニオン パシフィックや東海岸に展開するノーフォーク サザンなどの鉄道株も多く上場している。
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映画
米国のレジャー産業のなかでも映画は大きな地位を占める。米国は世界一の映画大国としても知られ、映画産業の中心地であるカリフォルニア州ハリウッドで作られる映画は世界中に輸出されている。いわゆるハリウッド映画はしばしば巨額な制作費が話題に上るが、この制作費の負担もあって主だった米映画企業は大手通信・メディアや電機会社の傘下にあり、M&Aによる合従連衡も活発に行われている。2019年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大により、各社は作品の公開延期・中止を余儀なくされ、米映画産業は大きな打撃を受けた。しかし、ワクチンの普及とともに“ウィズコロナ”のライフスタイルが広がるなか、映画興行収入は回復基調にある。2022年の「トップガン マーヴェリック」「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」といった大作のヒットは米映画産業の復活を印象づけた。また、アップル配給の作品が2022年アカデミー作品賞を受賞するなどIT大手の映画参入の動きが注目される一方、映画各社も新たな収益源を求めて動画配信に乗り出している。
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エイズ
後天性免疫不全症候群(Acquired Immune Deficiency Syndrome)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染で引き起こされる。一般的にエイズ(AIDS)の名前で知られており、世界的に拡大。性行為による感染症のひとつだが、感染の仕方はさまざま。米国研究製薬工業協会が2017年に明らかにした資料によると、米国のバイオ医薬品企業が50種類以上のHIV/AIDS治療薬・ワクチンの開発を進められている。かつては死の病として恐れられたが、早期に治療に取り組めば根治はできぬものの、死に至る恐れはほとんどなくなっている。複数の薬を同時服用する多剤併用療法などが広まった結果、米国では1990年代に比べると死亡率は9割弱も低下したとされる。 かつては複数の薬を頻繁に服用することが必要だったが、現在では1日1錠の服用で足りるようになり患者の負担も軽減している。また、薬剤治療なしで発症を抑え込んでいる稀な感染者(エリートコントローラー)が持つHIV制御の仕組みをバイオ医薬品の開発に応用する取り組みも進んでいる。
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衛星運営
衛星運営を中心とする宇宙産業は今後、急速な成長が見込まれている。なかでも、多数の人工衛星を協調して動作させる運用方式である「衛星コンステレーション」が高い関心を集めている。衛星コンステレーションとは、複数の人工衛星を地球に近い軌道に打ち上げて、協調させたそのネットワークを活用してインターネット接続などの通信サービスの提供や、データの収集・分析などを行うシステム。米起業家イーロン・マスク氏率いる「スペースX」が手掛ける人工衛星経由のインターネットサービス「スターリンク」などがその代表例であり、ロシアによる軍事侵攻を受けたウクライナに対して同サービスを提供したことで話題を集めた。衛星サービスには、衛星の製造から打ち上げ、各種サービスの提供など幅広い分野が関わってくる。すでに、衛星を使った車・機械の自動走行やドローンによる自律飛行などのほか、軍事に絡んだ分野などで次世代技術の開発競争が始まっている。ウクライナ危機に端を発する宇宙開発における「脱ロシア」の動きや、米中対立に伴う影響など不透明要因は残るものの、衛星サービスの市場拡大は確実視されている。
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HRテック
「HRテック」は「Human Resources」(ヒューマン・リソース:人的資源)と「Technology」(テクノロジー)の組み合わせによる造語。クラウドや人工知能(AI)、ビッグデータ解析などを駆使し、採用活動や人材育成、人材配置、人事評価、給与計算、福利厚生など人的資源に関わる領域の業務を改善し、ビジネスのパフォーマンス向上に寄与するソリューションを指す。厚生労働省の資料によると2019年の海外のHCM(Human Capital Management:人的資本管理)アプリケーションの市場規模は3兆円超とされ、今後も成長が見込まれる。全世界のHRテックの取引シェアで米国は6割超を占めており、他国を大きく引き離している。また、米国にはHRテック関連で注目されるスタートアップ企業がひしめいており、その競争力の源泉ともなっている。
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液晶製造装置
液晶パネルを製造するための装置。ガラス基板検査装置、研磨・洗浄装置、露光装置、エッチング装置、基板貼り合わせ装置、液晶注入装置など装置の種類は幅広い。製造工程が似ていることから、半導体製造装置メーカーが液晶製造装置の製造も手掛けることも珍しくない。
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SNS
SNSはソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)の略称。インターネット上で社会的ネットワークの構築を可能にするもので、「フェイスブック」や「インスタグラム」「X(旧:ツイッター)」「スナップチャット」「ピンタレスト」など米国発のサービスが世界的に大きなシェアを獲得している。サービスに登録した会員同士でコミュニケーションが取れ、動画を共有するなど独自の情報を発信することができる。会員登録は無料であることが多い。広義では、ブログや掲示板、SNSを通じたゲームなども含まれる。SNS上で時々刻々、飛び交う情報は付加価値を生むビッグデータとしての活用も期待されている。「X(旧ツイッター)」がイーロン・マスク氏による買収と人員整理、さらにはブランド刷新と迷走を続けるなか、その間隙を突く格好でメタ・プラットフォームズが「Threads(スレッズ)」をサービス開始し、SNS業界に地殻変動をもたらすかが関心を集めている。
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SDGs
SDGs(エス・ディー・ジーズ)は「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の頭文字を取った略称で、2019年の国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき国際目標である。SDGsは17の目標と169のターゲットから構成される。世界が直面する貧困や飢餓、気候変動、紛争、感染症といった人類の安定した暮らしを脅かす課題に対して、目標達成を通じて持続可能な世界の実現を目指す。17の具体的な目標としては、(1)貧困をなくそう、(2)飢餓をゼロに、(3)すべての人に健康と福祉を、(4)質の高い教育をみんなに、(5)ジェンダー平等を実現しよう……など、食糧から教育、性差、働きがい、エネルギー・環境問題まで幅広く網羅されている。一部試算ではSDGs達成によってもたらされる市場機会の価値は年間12兆ドル、2030年までに世界で約3億8000万人の雇用が創出されるとしている。近年、SDGsの概念が社会に浸透していくなかで、企業もSDGsへの取り組みを積極化しており、企業の評価軸の一つとして定着してきた。これは株式市場も例外ではなく、社会的な課題解決への貢献と投資リターンの両立を目指すインパクト投資において、これらの目標は投資先企業を選定する上で重要な指標となっている。
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SPA
「Specialty store retailer of Private label Apparel」の略。商品企画から製造、販売まで一貫して行うビジネスモデルで、「製造小売り」ともいう。消費者のニーズを迅速にとらえることができる小売り自らが商品を企画・製造することで、ニーズの変化に対応することができるほか、大量生産体制が整えば、製造コストの管理も自社で行うことが可能になるなどのメリットがある。 もとはギャップが提案したビジネスモデルであり、プライベートブランド(PB)の導入とともに同モデルを推し進め、店舗展開の加速も相まってギャップを世界最大級のアパレル企業へと躍進させる原動力となった。同モデルの成功は日欧などで多くの追随企業を生み出している。
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越境EC
越境EC(EC=エレクトロリック・コマース=電子商取引)とは、自国向けではなく海外へ向けたインターネット通信販売事業を指す。企業は海外向けのオンラインショップを開設することで、海外に直接出店するコストが削減されるというメリットがある。米国のEC市場はスマートフォンの普及を追い風に拡大を続けており、アマゾンやイーベイなどのECプラットフォーマーを通じた越境ECの利用も広がりをみせている。また、越境ECが急成長する中国ではアリババ、京東商城(JDドット・コム)といった中国企業がECの主要プレーヤーとして急速に存在感を高めている。