11月8日に実施された2022年の米中間選挙は、上院は民主党、下院は共和党がそれぞれ過半数を制する結果となった。米中間選挙は大統領選挙から2年後に行われ、上院は定数100議席の約3分の1、下院は全435議席が改選の対象。選挙前は、上下院ともに民主党が制していたが、今回の選挙を経て上院と下院の多数派が異なる「ねじれ議会」の状態が生まれることになった。ただ、過去の中間選挙では、大統領を擁する与党が苦戦することが多く、今回も野党・共和党が優勢との見方が多かっただけに、民主党は善戦したとの声も出ている。民主党が勝てば、EV(電気自動車)や太陽光・風力発電をはじめとする再生可能エネルギーなど、共和党が勝てば軍需関連や石油株などに追い風が吹く展開も予想されていたが、痛み分けともいえる選挙結果を受けて、今後の政権運営の行方が注目される。議会のねじれ状態が発生したことで法案が成立しにくくなり、バイデン政権は難しい舵取りが迫られることになる。ただ、一方でこれにより積極的な財政支出は難しくなり、インフレ抑制には好都合との見方もある。「ねじれ議会」が生じたことで今回の中間選挙を経て、2024年の米大統領選に向けた動きが本格化する。