（NY時間09:43）（日本時間22:43）
パロアルト<PANW>　185.53（+9.36　+5.31%）

　サイバーセキュリティのパロアルト・ネットワークス<PANW>が上昇。前日引け後に５－７月期決算（第４四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。残存履行義務も予想を上回っている。

　ガイダンスも公表し、通期見通しが予想を上回った。これは、セキュリティー製品プラットフォームの提供戦略がベンダー数削減やコスト抑制を図ろうとする顧客を引きつけていることを示唆している。

　同社は先月、イスラエルのサイバーセキュリティー企業サイバーアーク<CYBR>の買収に合意。買収規模は現金と株式を合わせて約２５０億ドル。この買収により同社は、組織内で特定のアクセス権限を付与すべき対象者を判断する際に役立つＩＤセキュリティーツールを獲得する。

　アローラＣＥＯは「新たな時代において、セキュリティーはもはや後付けではない。統合された最高水準のプラットフォームこそが優れたセキュリティー成果をもたらすと信じており、この信念を顧客がこれまで以上に大きく戦略的な契約を通じて裏付けている」と語った。

　アナリストは「今回の決算はプラットフォームの統合と大型案件の活発さに支えられた強さが示された。２６年度のフリーキャッシュフロー（ＦＣＦ）見通しは予想を上回ったが、注目すべきは、同社とサイバーアークの統合ベースで２８年度に売上高に対するＦＣＦマージン４０％を目標とした点だ」と指摘している。

　なお、創業者でＣＴＯズック氏が退任。後任はプロダクト最高責任者のクラリッチ氏が就任する人事も発表した。

（５－７月・第４四半期）
・１株利益（調整後）：0.95ドル（予想：0.88ドル）
・売上高：25.4億ドル　16％増（予想：25.0億ドル）
　　・製品：5.74億ドル（予想：5.51億ドル）
　　・サブスク：19.6億ドル（予想：19.5億ドル）
・繰延収益：63.0億ドル（予想：66.6億ドル）
・年ベース経常収益（ARR・次世代セキュリティ）：56.0億ドル（予想：55.5億ドル）
・残存履行義務：158億ドル（予想：152.6億ドル）

（８－１０月・第１四半期見通し）
・１株利益（調整後）：0.88～0.90ドル（予想：0.86ドル）
・売上高：24.5～24.7億ドル（予想：24.5億ドル）
・年ベース経常収益（ARR・次世代セキュリティ）：58.2～58.4億ドル（予想：58.4億ドル）
・残存履行義務：154～155億ドル（予想：150.4億ドル）

（２６年度通期見通し）
・１株利益（調整後）：3.75～3.85ドル（予想：3.69ドル）
・売上高：104.8～105.3億ドル（予想：104.4億ドル）
・年ベース経常収益（ARR・次世代セキュリティ）：70.0～71.0億ドル（予想：69.2億ドル）
・残存履行義務：186～187億ドル（予想：181.2億ドル）

【企業概要】
　企業・サービスプロバイダー・政府機関向けに、顧客企業のユーザー・ネットワーク・クラウド等を保護する包括的なサイバーセキュリティサービスを提供する。次世代ファイアウォールによるネットワークセキュリティ、包括的クラウドセキュリティのPrisma Cloudなど、ゼロトラストソリューションを手掛ける。

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース