（NY時間10:48）（日本時間23:48）
モルガン・スタンレー<MS>　105.96（-0.62　-0.58%）

　モルガン・スタンレー<MS>が取引開始前に１－３月（第１四半期）の決算を発表し、経常収益が予想を上回った。株式トレーディング収入が記録的な水準に達した。第１四半期はトランプ大統領の政策に起因し、株式市場のボラティリティーが高まったことが寄与した。一方、同銀の主力事業であるウェルスマネジメント部門は予想を下回った。また、トランプ大統領の就任で期待されていたＭ＆Ａ部門は、これまでのところ大統領の貿易政策で市場が不安定になる中、案件の棚上げ取り止めの要因となっており、期待ほどの成果は上がっていない。

　　また、今回の決算では、マスク氏への支援継続が業績の押し上げに寄与したことも明らかになった。投資銀行部門のその他収入が６億９２００万ドルと前年から急増。伸びの大部分は、マスク氏による２０２２年のツイッター（現在のＸ）買収に絡む貸付債権の売却に絡んだ収入とも伝わっていた。

　ただ、株価は軟調。全体相場が下落する中、金融株に売りが広がっており、同社株は上値の重い展開が続いている。

（１－３月・第１四半期）
・１株利益：2.60ドル（予想：2.20ドル）
・経常収益：177.0億ドル（予想：165.6億ドル）
　　・ウェルスマネジメント：73.0億ドル（予想：74.4億ドル）
　　・株式：41.3億ドル（予想：34.2億ドル）
　　・FICC：26億ドル（予想：26億ドル）
　　・機関投資家向け投資銀行：15.6億ドル（予想：15.1億ドル）
　　・アドバイザリー：5.63億ドル（予想：6.42億ドル）
　　・株式引受：3.19億ドル
　　・債券引受：6.77億ドル
　　・純受取利息（NII）：23.5億ドル（予想：22.4億ドル）
・総預金残高：3815.6億ドル（予想：3798.7億ドル）
・ウェルスマネジメント税引前利益率：26.6％増（予想：28.2％） ・１株純資産：60.41ドル
・株主資本利益率：20.0％（予想：15.1％）
・標準化CET1比率：15.3％（予想：15.9％）
・貸倒引当金：1.35億ドル（予想：0.71億ドル）
・運用資産：1.65兆ドル（予想：1.66兆ドル）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

株探ニュース